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第4話

Author: ちょうどいい
健一から携帯電話を受け取ると、私はすぐに勝己へとかけ直した。数回のコール音のあと、ようやく応答があった。

「もしもし、鈴木か?」

「勝己……」

「亜実、花火のところには近づくなよ。危ないから、こっちに来て!」

私が言葉を発するより早く、勝己の甘い声が受話器から流れてきた。

全身がびくりと震え、同時に猛烈な吐き気がこみ上げてきて、私はその場で胃の中のものを吐き出してしまった。

電話の向こうで、こちらの異変にいち早く気づいた亜実の声がした。

「あら、理和さんですか?鈴木先生の携帯からかけてきてるなんて。先輩、まさかあのふたり、デキてるんじゃない……?」

その含みのある言葉を受けて、勝己の声が一気に低くなった。

「理和、お前……俺に隠れてほかの男とよろしくやってたのか。よくも俺を裏切ったな」

もう、無駄な言葉を重ねる気力すら残っていなかった。

「勝己。明日の朝9時、おばあちゃんの葬儀があるの。最後のお別れができるのは、その時だけだから」

「いい加減にしろよ!」

勝己の声には、はっきりと苛立ちが滲んでいた。

「おばあちゃんはスイスで元気にしてるはずだろ。誰の葬儀だって言うんだよ!

それより、お前と鈴木はどういう関係なんだ。まさかもうヤッてるんじゃ……」

「鷹司先生!」

隣で聞いていた健一が、ついに堪えきれなくなったように携帯を奪い取り、鋭く言い放った。

「理和さんは嘘なんてついていません!おばあ様は本当に亡くなられたんです!死亡診断書は、もう先生宛てにメッセージアプリで送ってあります!うちの病院の正式な書類です。読めばお分かりになるはずです」

受話器の向こうで、十数秒もの沈黙が続いた。やがて勝己の呼吸が、次第に荒くなっていくのが聞こえた。

「そ、そんな……そんなはずない……」

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