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172:汚れた小銭

last update Date de publication: 2026-02-19 18:15:25

 小夜子と隼人が心から結ばれて、愛を確認し合った翌朝。

 タワーマンションの最上階の部屋には、穏やかな朝日が満ちていた。

 ダイニングテーブルには、土鍋で炊いた艶やかな白米、出汁の香りが立つ味噌汁、完璧な焼き色のついた鮭と、鮮やかな黄色の出汁巻き卵が並んでいる。

 見た目にも優しく良い香り。もちろん味も保証されている。

「美味い」

 隼人は箸を動かしながら、噛み締めるように言った。

 かつては機能性ゼリーやサプリメントで済ませていた朝食が、今では1日の始まりで楽しみな時間だ。

 彼の顔からは、血も涙もない氷の王と呼ばれた頃の険しさが消えている。代わりに憑き物が落ちたような柔らかな表情が浮かんでいた。

「ごちそうさま。こんなに美味い朝食を毎日食べられて、俺は本当に幸せだ」

「お粗末様です。今日もお忙しいのですか?」

 小夜子がお茶を差し出すと、隼人は頷いた。

「ああ。先日のグランドオープン・パーティの成功で、株価が急騰している。取材の申し込みも殺

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Commentaires (1)
goodnovel comment avatar
Half Moon
小夜子と隼人の幸せを妬む新規が現れたのね… そっとしておいて欲しいわ
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