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第26幕

Author: 槇瀬光琉
last update publish date: 2026-10-23 19:08:08

カラン、コロン

下駄の音がヤケに大きく響いた。

気分は最悪。憂鬱でしかない。

ふと、懐にしまってあるモノの存在に手が行く。

「堪忍してや…」

小夜は小さく呟き、重たい足を進めた。

あの日、神城は自分だと気付いた。

気付いたうえで、こんな約束をして帰ったのだ。

「ほんに堪忍して…」

小夜はもう一度呟き、店へと向かった。

小夜が店の暖簾をくぐり、中へ入れば、少しだけ不安そうにした女将が出迎えてくれた。

「元帥はんね…うちに謝ってらしたわ」

と、女将はそっと告げてきた。

「どう…して…」

小夜の声が震えた。

「花街のルールを踏みにじることをしたって…。申し訳なかったって…」

ほんに実直な方やね、と女将は静かに呟いた。

小夜は言葉に困った。

「行っておいで。元帥はんは覚悟決まっとるみたいやで…」

女将はポンと小夜の背を軽く叩いた。

「行ってきます」

と、小夜は静かに答え、足を踏み出した。

いつもの部屋。

扉の前に立ち、小夜は深呼吸をした。

ゆっくりと扉を開け、中へ入る。

そして、いつものように用意された打掛と、綺麗に整えられた見慣れた靴。

小夜は打掛を羽織り、部屋の中へ進む。

いつもの場
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