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第 16 話

作者: 江上開花
富裕層と一言でいっても、そこには「格」がある。

将臣がピラミッドの第一層にいる名家だとすれば、佐武静樹はピラミッドの頂点に君臨する存在だ。

小夏弁護士は静樹が一からに育てたと言われており、彼の愛人だという話も一部ではささやかれていた。

よほどのことがない限り、将臣は昔からの友人である静樹とこんなことで対立したくはなかった。

亜夕美は口元の血を指で拭いながら、何も言わず無視を貫いた。

だがそんな彼女の無視する態度は、将臣の怒りを爆発させた。

「小夏美羽を頼るとは、さすが鼻がきくな。だが、忠告しておく。もし路加を傷つけるような真似をすれば、俺は昔の情なんて忘れて、手段を選ばずいくからな!」そう言っ
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