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第 607 話

Author: 江上開花
亜夕美が目を覚ますと、視界には緩やかに揺れる天井が広がっていた。

しばらくの間、頭に霞がかかったようにぼんやりとしていたが、かすかに聞こえる波の音で、自分が船の上にいることに気がついた。

意識を失う前の記憶が一気にフラッシュバックする。亜夕美は目を閉じ、まさか将臣が毒を盛るという卑劣な手段に出るとは、想像すらしていなかった。

将臣は常に、彼女の想像するクズの底辺を軽々と更新してくる。

その時、ドアが開く音がした。亜夕美が目を開けると、ちょうど入り口に立つ脩太と視線がぶつかった。

脩太はパッと顔を輝かせた。「ママ!やっと起きたんだね!」

「脩太……」亜夕美が少し身じろぎしただけで、体の異変に気づ
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