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第 617 話

Author: 江上開花
亜夕美が賞を獲ったことで、誰よりも嬉しく、大はしゃぎしているのが由紀子だった。

受賞のニュースはどこからか漏れ伝わっていたらしく、彼女のもとにはすでに、大物監督やヒットメーカーの制作陣から、気が遠くなるほどのオファーが殺到している。

それだけじゃない。広告やタイアップの案件も津波のように押し寄せ、世界的ハイブランドがこぞってラブコールを送ってきた。

由紀子の口元は、嬉しさのあまり緩みっぱなしだった。

映画祭の開幕、レッドカーペットを歩く直前、由紀子はスタイリストを何度もせっつき、亜夕美の衣装に不備がないかをチェックさせていた。完璧でなければならない。

「今日の主役はあなたなんだから!会場中の全
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