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第304話

Auteur: 一燈月
「小夜、父さんも母さんも、君のためにちゃんと見てきたんだよ。どこの家も少しは資産があるから、嫁げば一生安泰だよ」

千尋はそう言って、数枚の写真をテーブルに滑らせた。

小夜は無造作に視線を落とした。写真に写っている男たちは、一番若くても三十は過ぎているだろう。

顔は脂ぎり、首には太い金のネックレスを下げ、いかにも成金といった風情だ。

「安泰?安泰なのは、あなたたちの生活でしょう。この人たちからいくら貰ったの?どんな見返りがあって、そんなに必死に娘を売ろうとするわけ?」

彼女はもう怒る気力さえなく、ただ滑稽でしかなかった。娘を売るという行為を、隠そうともしないのだから。

叔父が声を荒らげて怒鳴った。

「ふざけるな!親に向かってなんだその口の利き方は!」

小夜は冷ややかな視線を向けた。その瞳は暗く沈んでおり、手の中で血に染まった器の破片を弄ぶと、相手は瞬時に押し黙った。

千尋は顔を真っ赤にして彼女を指差し、金切り声を上げた。

「今日すぐに退学して、一緒に帰るんだよ!大都会に長くいたせいで、すっかり性根が腐っちまったね!」

「帰らないし、嫁ぎもしない」

「お前の勝手には
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