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第420話

Author: 一燈月
圭介の居場所が分からないなら、彼を呼び戻す方法を考えればいい。佳乃が重病という口実で、果たして十分だろうか。

今度こそ、絶対に小夜を戻らせるわけにはいかない。

……

朝。

客室にこもっているのも息が詰まる。目が覚めて薬を替えた後、小夜は服を着替えて船のダイニングへ向かった。

窓の外の濃い霧をぼんやりと眺める。

霧が出ている。

しばらく座っていると、ふと視界の端で光と影が揺れた。振り返ると、圭介がコーヒー片手に向かいの席に座り、にこにこと彼女を見つめていた。

彼女は無言で立ち上がった。

圭介が口を開いた。

「話をしよう」

彼と話すことなど何もない。自分の意思はとっくに伝えたはずなのに、彼は聞く耳を持たない。もう何を言っても無駄だ。

心底、疲れた。

圭介は淡々と言った。

「お前が望むものをやろう」

小夜の足が止まる。

「離婚してやる。その上、十分な財産も譲渡しよう。帝都へ戻ったら、すぐに手続きを進める」

「まだあなたの言葉を信じると思って?」

何度も何度も騙されてきたのだ。今更そんな言葉を聞いても、喜びなど欠片も湧かない。

圭介はコーヒーを一口飲み、笑
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