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夫の前から静かに消え去ります~どうぞあなたは愛人とお幸せに~
夫の前から静かに消え去ります~どうぞあなたは愛人とお幸せに~
Author: 小嵩 名雪

000.プロローグ

Author: 小嵩 名雪
last update Last Updated: 2025-10-02 23:56:08

【暗闇の中まばゆい月明かりが差し込む

その光を見るとまるで私が照らされているように錯覚する

あなたはどこにいるの あなたは今何をしているの

私のそばにいない あなたはそばにいると約束したのにいない

それは私に魅力がないから 私に愛想がつきたから

あなたは私ではなくあの子を照らし続けている

そして小さな星も私ではなくあの子のそばで楽しそうに踊っている

あの子が憎いかと言われる お前はあの子になれないと言われる

わかっている わかっている

あなたたちにとって私はもう不要の存在

あなたたちにとって私は透明な存在

だからもう別れましょう

私はもう過去を振り返らない

なのになぜあなたは私に嫌な事をするの

もう希望通りに私の大切な人達の前からいなくなるのに

まだ私を追いかけてくる

こわい こわい こわい

私が粉々になるまできっと追いかけてくる

私が奪ったわけではないのに全て私のせいだと言ってくる

私から奪ったのはあなたなのになぜそこまで私を追いかけてくるの

たすけて たすけて たすけて

暗闇の中私は走り続ける

息を切らして終わりが見えない中全力で走り続ける

こないで こないで こないで

私はもう疲れた 私はもう疲れた

なんでこんな事になったの

私の大切な時間をずっとあたえ続けてきたのに

ずっとあなたたちの事だけを考え優先してきた

私にとって大切な時間

ずっと秘密にしていた時間

たすけて たすけて たすけて

私を大切に思ってくれる人なんてこの世にいない

私も私を大切にできない

だけど私は叫び続ける

ずっと叫び続ける

ずっと走り続けた先に光が見えた

冷たい月の光ではなく暖かくてどこか懐かしい光

私はそこに向かって走り出す

最後の力を振り絞る

暗闇が終わり暖かく眩しい光の下に出た

太陽の光

そこはかつて私がいた場所

私を大切にしてくれていた場所

木々がざわめき私を優しく包む

ずっと待っていたよ

ずっとずっと待っていたよ

やっと会えた

やっと抱きしめられた

ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい

ありがとう ありがとう ありがとう

私を待っててくれてありがとう

こんな私を待っててくれてありがとう

大好きだった時間

失った時間

今から一緒に取り戻す

私はもうあなたたちから離れない

ありがとう ありがとう ありがとう

私は過去を捨てる

これからは前を向いて皆と一緒に歩き出す

この先にあなた達はいらない

私は過去と決別する

さようなら さようなら さようなら

私の愛しかった人達

私の全てをあたえたあなた達

もう私は振り返らない

もうそこは私の帰る場所ではない

さようなら ありがとう】

街中から同じ歌が流れてくる。

聞いたことがない人がいないのではないかと思うくらい毎日流れている。

それは世界中の人が待ち望んていた歌姫の帰還。

かつて世界中の人を魅了した『Twinkle Snow』のメジャーデビュー曲。

街で先程の歌を友達と感想を言いながら聞いている、女子高生がいた。

「今でも信じられない!8年よ8年!私ずっと待っていたんだから!」

ショートカットの子が、顏を真っ赤にして興奮しながら言った。

「ちょっと馬鹿言わないでよ!あなた当時何歳だったのよ」

彼女の隣でボブヘアーの少女が的確にツッコミを入れる

「それでも!心では8年なの!!!はぁ~~~~~リアルタイムで追いかけたかった~」

「フフ。私の母も好きだったと言っていたけど、ほんとに素敵な曲ね。声も澄んでいて綺麗」

一連の会話を隣で聞いていた、少しおっとりとして明らかにどこぞのお嬢様という子が、腰まで緩くウェーブがかかっている髪を揺らしながらショートカットの子に同意する。

「でしょでしょ!!」

「はいはい。ところで、キラユキファンは大変なんじゃない?」

「そうなの!!ライブチケット争奪戦!!!キラユキはまだファンクラブないし~ヴォーカルのユリ様にはまだ個人のファンクラブないし~一般で頑張るしかないの…」

ショートカットの少女は見るからに落ち込んでいた。

そんな友人の姿を見ていたお嬢様は少し考えて口を開く。

「もしかしたらそのチケット…取れるかもしれませんわ」

「本当に!!!」

「えぇ。お父様が音楽業界で働いているので聞いてみますわ」

「をぉ~~~神様~~~」

ボブヘア―の少女は、やれやれといった風に肩を竦めた。

――確かにいい曲だけど…この題材って多分…結婚、不倫、そして離婚した後に再出発って感じがするのよね…

しかもこんなに深く感情を揺さぶられるって事は…余程の感情移入させるのが上手い歌手かこの人の実体験…だったりして…

もし実体験なら…恐ろしい…

自身の肩を抱き、身震いした。

そんな時、二人の友人が振り返り早くこっちに来て!と言った。

ボブヘアーの少女はため息を一つつき、二人の元へと駆けていった。

そう。彼女の考えは正しい。

この歌はある歌姫が実体験を元に作詞をし、世の中に送り出した。

『Black Moon&Hope』

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