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001.何かが壊れる音

Author: 小嵩 名雪
last update Last Updated: 2025-10-02 23:56:17

高級な住宅街の一等地に大きな家が建っていた。

白を基調とした外壁に、庭にはたくさんの花壇があり、春夏秋冬様々な花が咲き誇る。

春にチューリップやマーガレット

夏にブルースター、かすみ草、桔梗

秋に金木犀

冬に胡蝶蘭

特に秋に咲く金木犀は本邸では花壇にのみ咲くが、別荘に行くと見渡す限り咲き誇っている。

この花達が意味するのはどれも「愛」だ。

毎年秋に家族で別荘へ向かい、夜にライトアップされた金木犀はとても綺麗で幻想的な空間にいる気分になる。

そう、この屋敷の持ち主は妻を心の底から愛している。

――いや。愛していた。

本来なら家族皆で談笑するような広い部屋に一人でソファに座る女性がいた。

彼女は長井友莉子ながいゆりこ

この屋敷の主で長井家長男。

そして世界第三位の大企業、長井グループ社長の長井慎二《ながいしんじ》の妻。

友莉子が手にしているスマートフォンから楽しそうな声が聞こえる。

その声の中に一際可愛らしくはしゃいでいる男の子の声。

彼が友莉子と慎二の一人息子、長井翔《ながいかける》。

動画の中からは慎二、翔の声の他に自分以外の女性の声がする。

女性は甘い声で慎二に声をかけ、翔の頭を優しく撫でていた。

「翔君。お誕生日おめでとう」

そう。この動画は翔の誕生日を祝っている。

「梓お姉さんありがとう!このケーキもお姉さんの手作りなんでしょ?

甘くてとってもおいしい!ママの作ってくれるケーキよりおいしいよ!」

「本当?翔君に喜んでもらえて良かった」

女性は竜蓮梓《りゅうれんあずさ》という。

この白蓮国内の富豪の一人娘。

そして六年前に海外から帰国した慎二の幼馴染。

梓は翔の頬にキスしたりと本当の親子のように見える。

そしてその光景を愛おしそうに見つめる慎二。

「翔。良かったな」

「うん!素敵な誕生日をありがとう!」

「ねぇ慎二。今日は皆でこのホテルに泊まりましょうよ。

0時を過ぎるまでが翔君の誕生日なんだから、うんと甘やかさないと!」

「ほんと!!僕、家に帰らなくていいの?」

「…家に帰りたくないのか?」

「…別にママの事、嫌いじゃないけど…お姉さんといる方が楽しいんだもん」

「翔君…」

翔に楽しいと言われて、梓は目を潤ませて涙を見せた。

「嬉しいわ。私も翔君の事、本当に大好きだから…」

「わ!梓お姉さん泣かないで!僕、ママより梓お姉さんが大好きだよ!梓お姉さんがママになってくれるともっと嬉しい!」

翔は無邪気な笑顔で残酷な事を言った。

「翔…そしたら今日は三人でこのホテルに泊まろう」

「慎二…大丈夫なの?」

梓は言外に友莉子は大丈夫なのかと含めた。

「別に問題ない。翔が誕生日にどうしたいかは翔次第。あいつも納得するだろう」

「パパ!ありがとう!!」

「慎二ありがとう!」

「…あぁ…」

そこで動画が止まった。

そしてまた最初から再生される。

この動画は梓から送られてきていた。

そして送られてきた時に、梓は「ごめんなさい」と一言添えてきた。

その後に追い打ちをかけるように慎二から電話が入り「仕事先の人が翔を祝ってくれて、今日はその方の家に泊まるから帰れない」と言われて切られた。

――嘘つき。

友莉子は慎二に対しての不満を爆発させる。

「私を愛しているって言ってたじゃない」

「私に後悔させないって言ってたじゃない」

「私の…私の夢を知ってて…夢と自分…どちらか選んでくれって言ってたじゃない…」

――私はもう後悔しかない…。

友莉子の目から一筋の涙が零れた。

――あんなに愛してくれたのに…ただ幼馴染が帰ってきただけでこうなる…

――【愛】なんて幻想なのよ…

友莉子はスマートフォンをソファの上に放り投げてからゆっくりと立ち上がり、

少し離れたテーブルに向かって歩いて行った。

テーブルの上には手の込んだ沢山の料理が並んでいる。

しかしそんな豪華な料理も全て冷めていた。

友莉子は料理で囲むように真ん中に置いてあるホールケーキに刺さっている5本の蝋燭に火をつけ始めた。

全てに火をつけ終わると、友莉子は歌い出す。

「はっぴばーすでーとぅーゆー はっぴばーすでーとぅーゆー

はっぴばーすでーでぃあ翔~はっぴばーすでーとぅーゆー」

歌い終わると誰もいない部屋に友莉子の力ない拍手だけが悲しく響き渡る。

「5歳の誕生日おめでとう」

友莉子はケーキの蝋燭を自ら吹き消した後、料理を次々とゴミ箱に捨てていった。

そして最後にケーキを捨てた。

全ての料理を捨て終わった瞬間、友莉子の中で何かが壊れた音がした。

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