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第411話

Author: かおる
星は突然、彼の言葉をさえぎった。

「山田さんの謝罪なんて必要ないわ。

たとえ口先だけの謝罪をしたところで、あなたがしてきたことは消えないもの」

勇は鼻で笑い、口をとがらせる。

「自分でそう言ったんだぞ。

後で後悔するなよ」

「安心して。

後悔なんてしないわ」

星は笑みを浮かべた。

「ただ......残念ね」

勇は眉をひそめた。

「何が残念だって?」

星は淡々と告げる。

「もしもう少し早く自首していれば、情状酌量もあったかもしれない。

でも、もう遅いわ。

あなたにはもうその機会すら残されていない」

勇は鼻で笑い、彼女の言葉を嘲った。

だが次の瞬間、星の視線がふいに入口へと向けられる。

そこには制服姿の警察官たちが現れ、彼の前に立ちふさがった。

「山田さん、通報を受けて来ました。

あなたは住居侵入および器物損壊の容疑がかかっています。

署までご同行願います」

勇は思わず声を荒げた。

「俺じゃない!

誤解だろ、何かの間違いだ!」

しかし警察官たちは一歩も退かない。

「ご協力いただけないのなら、強制的に連行することになりますよ」

その言葉に勇は口をつぐんだ。

これ以上抵抗すれば、力ずくで連れ出されるのは目に見えている。

そうなれば面子は丸潰れだ。

犯人を通報したのが誰かなど、考えるまでもない。

勇は星をぎろりと睨みつけ、低く吐き捨てた。

「覚えてろよ!

今日いくら威張れたって、すぐに地に落ちるんだからな!」

そうして彼は警察に連れられていった。

小さな騒ぎは起きたが、勇は音楽界の人間ではない。

交流会の空気はすぐに平静を取り戻す。

清子は蒼ざめて声を上げた。

「雅臣、勇が警察に連れて行かれたわ。

助けてあげましょうよ!」

だが雅臣は一瞥しただけで、冷淡に視線を逸らした。

「自業自得だ」

「でも......」

清子の言葉を、雅臣は意味深な眼差しで遮った。

「勇はあまりにも増長しすぎた。

少し痛い目を見るべきだ」

その冷酷な一言に、清子は息を詰まらせた。

勇が星のスタジオを壊したことなら、雅臣も大目に見たかもしれない。

あれは彼女のために仕返ししたと言い張れたからだ。

だが、つい先ほどの勇の言葉は――雅臣の逆鱗に触れた。

いくら元妻でも、翔太の母親でもある星を、あの場であれほど辱
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