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束の間の休息

مؤلف: 大鳳
last update تاريخ النشر: 2026-10-04 10:07:02

 お風呂から上がった女性陣と入れ替わりで男性陣がお風呂で汗を洗い流す最中、女性陣のエルウィンドは引き継いだ料理の仕上げを行いエリスフィーナはその手伝いをしていた。

ーボオオオオッ……ー

 お風呂場に引き続き未だに働かされている竈門の中のサラマンダーを見たメルティーローズは

「あなたも大変なのね……。さっきは疑っちゃってゴメンね〜」

 ほんの少しの憐憫の情を火の精霊に抱いていた。

「あぎゃ……」

 サラマンダーは少し達観した面持ちでメルティーローズに返事を返すと諦めた様に竈門の中で丸まっていく。

 森の民であるエルフは火を忌み嫌うものとばかり思っていたメルティーローズには、ブラックな環境で懸命に生きるサラマンダーの姿は意外そのものだった。

「あの〜すいません。エルフの方達って火が苦手なのかな〜って思ってたんですけど……」

 疑問は直ぐに口に出す系女子のメルティーローズがサラマンダーについてエルウィンドに尋ねてみると

「そうね。確かに火は使い方を誤れば一夜で森を焼き尽くしてしまいかねない。でも、恐れるばかりでは何も変わらないわ」

 エルウィンドはそう言うと竈門に手を伸ばしサラマンダーを招
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  • 女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。   夕食

     皆が重い鎧を脱いで最低限の装備品のみを身に付けて向かった先は宿屋一階にある大食堂だ。 ここでは名物の焼き肉を食べられるとあって、宿泊客以外の食事のみの客もおり沢山の人の姿で賑わっていた。 しかし、それなりに高価な店だけあってか所謂ゴロツキの様な札付きの悪と見なされる様な雰囲気の悪い者の姿は見当たらない。(…………) 森育ちと言う事もあってか騒がしい環境が落ち着かないエリスフィーナにとっては、人が多くとも物静かな空間はありがたい環境である。 八人で席に着いたガルドリック達の元に店員がやってきてジョッキに入った果実酒から提供を始めてくれた。 準備の早い酒とつまみで場を持たせて欲しいという店からの配慮に「じゃあ、とりあえず乾杯といくか」 皆を見回してジョッキが行き渡ったのを確認したガルドリックが景気よく乾杯の音頭を取ろうとする。「そうだな……こうして生きて宿で休める幸せに乾杯といくか」 こうしてエリスフィーナ達は隣同士とジョッキを当て合って互いに乾杯するのだった。「なーんか、アレだよな〜。いつかは俺も『ドラゴンスレイヤー、到達してやったぜ!』みたいな感じで乾杯したいよなぁ〜」 果実酒をガブ飲みしながらヴァイスが夢を大っきく語る。そんな野心溢れる後進に「ドラゴンを倒したいなら仲間の魔術師には気遣いを忘れない事だ。ドラゴンが空を飛んでる間は戦士は打つ手無しだからな」 ガルドリックが助言をする。彼が話すにはドラゴンは体力がある内は空からブレスを吐いて追い払おうとしてくるらしい。 部屋で見つけたカメムシを駆除するノリで丹念に人間を排除してくる様で、そんなドラゴンに対抗するには対空攻撃手段が無ければスタート地点にすら立てない。 まずはドラゴンのブレスを防ぐなり回避する事が第一であるとガルドリックは語る。「次にドラゴンを地上に引きずり降ろす必要がある。そこで魔術師に魔法でドラゴンの羽根を攻めさせてなんとかドラゴンを落とすんだ」 ドラゴンを地上に落とせれば目出度く戦士の出番となる。そこで戦士が突撃する訳だが「ドラゴンは爪でも踏みつけでも噛みつきでもなんでもやってくる。間違っても単独で突っ込んだりするんじゃないぞ」 ドラゴンは身体構造上小さな人間を直接攻撃するには不都合な身体付きをしている。 まずは手足を攻撃して機動力と戦闘力を奪う。そうなれ

  • 女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。   湯上がり

     ミスズの意識を取り戻させたエリスフィーナはメルティーローズを伴ってそそくさと浴場を後にしてきた。 あまり目立ちたくないという気持ちもあったものの、あの場に留まっていたら面倒事に巻き込まれるという第六感が働いた為でもあった。「ほら、見て見て〜♪ あんな風に洋服も出来上がってるって訳なのよ〜」 身体を拭き上げたメルティーローズが脱衣所の受付台に置かれている脱衣籠を指差す。そこには洗濯してきちんと乾かされている彼女達の衣類が脱衣籠ごとに個別に整えられていた。 同じく身体を拭き上げて自分の脱衣籠を手にしたエリスフィーナに「お嬢ちゃん達、湯上がりの一杯はどうだい? 銅貨一枚からだよ?」 洗濯受付のおばちゃんがさも当然の様に湯上がりの一杯を勧めてきた。手持ちがロッカーの中な為エリスフィーナが断ろうとしたところ「コーヒー牛乳とフルーツ牛乳お願〜い♪ エリィも飲むでしょ?」 メルティーローズが迷いなく注文してしまった。「ありがとうございます……。なんだかお世話になりっぱなしで……」「いーのいーの! エリィにはサウナで助けられちゃったんだから!」 メルティーローズはそう話しながらエリスフィーナの背中をバンバン叩く。そして自らは用意されたコーヒー牛乳を手に取り「はい、貴女にはフルーツ牛乳♪ 甘くて美味しいんだから!」 エリスフィーナにフルーツ牛乳を勧めると自分は自分でコーヒー牛乳を一気飲みしてしまった。「いや〜! この一杯の為に生きてるってモンよねぇ〜! お酒とはまた違うのよ〜」 渇いた喉をコーヒー牛乳で潤したメルティーローズは魔道具の温風機を使って髪を乾かし始めた。「……ふぅ」 フルーツ牛乳を美味しく頂いたエリスフィーナは改めて衣服を身に着けて、メルティーローズの見様見真似で温風機を使い始めるのだった。 初めての温風機で髪を乾かしたエリスフィーナは改めてリボンでポニーテールをセットし、ロッカーから装備品一式を取り出して身に付けていく。「ふぅ……」 いくら一人で身につけ慣れてきたとは言っても、時間が掛かってしまうのはどうしようも無い。「メルさん、お待たせしました」 全ての準備を終えたエリスフィーナとメルティーローズの二人が建物を出て約束の広場にやってきた時には西の空がすっかり夕焼けに染まっていた。「遅いぞ〜、もう腹減っちまったよ〜!」

  • 女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。   サウナ

    「アンタらちょっとツラ貸しなよ」 モヒカンとツーブロックに呼ばれて遅れてやってきた赤毛チリチリ頭の巨漢女ミスズと呼ばれる女の子が浴槽の外からこっち来いとジェスチャーをしている。 彼女の視線は明確にメルティーローズとエリスフィーナの二人に向けられていた。「あの人達、お二人のお知り合いですか?」 あからさまな風貌のミスズ達の言動にエイミー達は不安そうな顔でメルティーローズとミスズ達を見てくる。「ハァ〜、知り合いとかじゃないんだけど……ちょっと話してくるしかないか」 あまりに煩いミスズ達の言動に、落ち着いてお風呂にも入っていられないとウンザリしたメルティーローズは浴槽から上がってミスズ達の元に近付いていく。「あ、あの……私も行きます!」 そんなメルティーローズを放ってはおけないとエリスフィーナも後に続く。「アンタらも冒険者なら筋を通して貰おうか?」 ミスズに先導されて二人が連れられてきたのは高温の蒸し風呂エリア、所謂サウナであった。「おら、さっさと入れや!」 エリスフィーナとメルティーローズの左はモヒカン達に背中を押され無理矢理ミスズの後に続いてサウナ室に押し込まれた。ーモワッ!ー 部屋の中は三人だけで他に利用客の姿は無い。おそらくミスズ達が事前に人払いでもしていたのだろう。「ここであたしに根性見せたらアンタらを認めてやるよ」ードカッ!ー そう言うとミスズはサウナ室のひな壇上部に座ってしまった。ふと入り口を見るとさっきのモヒカンとツーブロックが見張りをしており誰も入れない様に立ち塞いでいる。「仕方ないわね……」 メルティーローズは諦めたのか彼女もサウナのベンチに腰を下ろし、エリスフィーナも仕方なく彼女の隣に腰を下ろす。 こうして公衆浴場のサウナ室にてはた迷惑な我慢比べが始められたのだった。 どれくらい時間が経っただろうか……。三人とも汗をダラダラ流して暑さに耐えていた。「おい、尻尾を巻いて逃げ出すなら今のうちだよ?」「じょーだん! こんなんで音を上げる訳ないでしょ?」 ミスズとメルティーローズが簡単なやり取りをするがお互いに出ていくつもりは無いらしい。 さらに時間が経った。異世界なので時計やテレビがある訳でも無く、時間は相対的なものとしか感じられない。 入り口を塞いでいるモヒカンとツーブロの二人もチラチラとサウナ室の中

  • 女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。   クラン

     エイミー達三人組と浴槽の中で合流したエリスフィーナとメルティーローズの二人は、先程洗い場にて絡んできた密林の女豹団を名乗る三人組についての話をしていた。「私達はそういう人見てないですけど……」 エイミーがそう話しながら他の二人を見るが、ソフィーもメディナも首を横に振って知らない素振りを見せる。「ところでクランって何ですか?」 エリスフィーナがずっと気になっていたらしい疑問について尋ねてきた。「クランってのはね? いくつかのパーティーが寄り集まった大きめの団体って言うか……冒険者互助会みたいなモン?」「それって町内会みたいな感じですか?」 メルティーローズの話にメディナが噛み砕いて理解しようとする。どうやら彼女の身近には町内会が存在している様だ。「まぁ、そんな感じ? 一つのパーティーで手に負えない仕事を皆で手伝ったり行方不明になったパーティーの救出に人員振り向けたり……」 冒険者のパーティー同士、仲間内でお互いが助け合ったりするのがクランだとメルティーローズが皆に説明していく。「それならクランってものすごくありがたいものなんじゃないですか?」 エイミーが率直な感想を口にする。しかし「まぁ、さっきのは表向きの話。実際は会費と称して上納金を巻き上げるだけだったり、初心者を食い物にする性質の悪いクランが多くてね」 メルティローズはクランと呼ばれるパーティーより大きな纏まりについて否定的な結論で締めてその説明を一段落させた。「だからエイミー達は特に気を付けなきゃ駄目よ。同じ女の子だからって誘われても十分注意して? あ!」 そこまで話したメルティーローズが大きな声を上げる。「ヴァイスにも注意しといて。女の子の中には色仕掛けで誘って男を食い物にする悪魔みたいな娘もいるんだから!」 異世界にはエイミー達みたいに冒険者で生計を立てようとする若い女の子が後を絶たない。 勿論、中には男を利用して金づるとして絞るだけ搾り取ってポイしようとする悪女の様な集団も存在するのである。 しかし、騙す相手を間違えれば因果応報が待っている為、現世のとある島国の様な舐めプムーブか必ずしも通用する訳では無い。「分かりました〜。ヴァイスったら単純だから可愛い子にホイホイ付いてっちゃうかもだから注意しときますね!」 大都会の治安の悪さを聞いたエイミー達は改めてローラ

  • 女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。   公衆浴場

    「鎧とか武器とかはそっちの鍵付きロッカーに入れといた方が良いわよ。鍵掛けたら首から下げとけば安心よ?」 そう話しながら、メルティーローズはテキパキと洗濯に出す衣類を脱衣籠に入れていく。 エイミー達も慣れているのか彼女達は既に衣類を洗濯に出して大浴場へと入っていた。「すみません。鎧外すの時間掛かっちゃって……」 剣も弓も矢筒もあり、女性陣では一人プレートアーマー装備のエリスフィーナは入浴準備に時間が掛かっていた。「お待たせしました。すみません」 鎧や武器等全てをロッカーにしまったエリスフィーナは衣類を入れた脱衣籠を手にしている。「それじゃ、行きましょ。あっちが洗濯の受付だから」 同じく脱衣籠を抱えているメルティーローズが先導して洗濯の受付に向かう。「いらっしゃい。洗濯は一人穴開き銀貨一枚だからね」 洗濯の受付も従業員は近所のおばちゃんと言った風貌の女性達だ。受付し洗濯して干して乾かすまでが一連の流れ作業になっている。「よろしく〜♪」「よろしくお願いします」 脱衣籠と料金を受付のおばちゃんに渡し、二人はそのまま浴場へと向かっていく。ーガララッー メルティーローズが浴場入口の引き戸を開けると浴室から湯気がモワッと出てきた。 そんな浴場に入ったメルティーローズは辺りを見回し「さ、身体洗っちゃいましょ。そうしないと何も始まらないものね」 赤毛で癖のある長髪を揺らしながら洗い場へと向かう。 木製の椅子と桶が並ぶ洗い場には石鹸が置かれており、それを使って身体を洗う事が推奨されていた。「さ、エリィ。そこに座って。お姉さんが背中を流してあげるから」 メルティーローズは椅子をポンポン叩いてここ座れと合図を送る。そして、エリスフィーナが遠慮がちに椅子に座ると「それじゃ、頭から洗っちゃいましょーか♪」 石鹸を泡立てたメルティーローズは目の前に座るエリスフィーナを頭から顔、上半身まで丹念に洗い始めた。「え? あ、あの……ひゃっ!」 顔を洗われて泡で目が開けられないエリスフィーナを理不尽な暴力が襲う。ーゴシゴシ ムニュー 普通に洗ってるのかと思ったら不意にダイレクトアタックをかましてくる始末である。そんな二人が洗い場でじゃれ合っていると「おうおう! 他所モンがデカい顔してくれてんじゃねーか!」「お前等、どこのクランのモンだ! あぁん?

  • 女神様にハイエルフとして長生きする様お願いされました。   王都セレスティア

     盗賊団に襲われたエリスフィーナ達はなんとか盗賊達を退けて王都への旅路に戻る事が出来ていた。 捕まえた盗賊二人は街まで捕縛したまま連れ歩くのも面倒という話になり、ガルドリックの判断で野に放つ事にした。 しかし、ただの釈放では無く、後ろ手に縛ったまま不自由な状態での釈放となった。 これでは魔物や他の盗賊に襲われれば何も出来ずに餌食になってしまう。相当に運が良くなければ助かる事は無いだろう。「くそ、てめえら覚えてやがれ!」「ガキどもの分際でふざけやがって! 覚えてろ!」 それでも盗賊二人は一縷の望みをかけて、ガルドリック達に悪態をつきながら人気のある集落を求めて街道を駆けていくのであった。 盗賊達に襲われてから数日、森を抜けた先に白い城壁に囲まれた大都市がエリスフィーナ達の前に現れた。 都市に近付いてきたせいか冒険者や商人達の姿も頻繁に見かける様になってきていたが、こうして大都市が目の前に現れると流石に異国にやってきたという実感が湧いてきていた。 都市の外まで人々の喧騒が聞こえてくる辺り、相当に活気に溢れた大都市である事が伺える。 アトレイス公都が地方の県庁所在地程度の賑わいとするならローランド王都は文字通りの大都会と言えた。「さ〜て、早速酒場行こうぜ! メシだメシだ!」 ようやく辿り着いた大都会を前にヴァイスが流行る気持ちを抑えるつもりは無いらしい。「私は早くお風呂入りたいです……」「私も〜! 汗ばんじゃって気持ち悪い〜!」「ローランド王都には大規模な公衆浴場があったはず……」 ヴァイスパーティーの女性陣ソフィー、エイミー、メディナの三人は皆が口を揃えてお風呂行きを選択している。「なんだよ、皆揃って。腹が減ったら戦出来ないだろ?」 あくまで酒と食事を優先したいヴァイスだったがーポンポンー「ヴァイス、こういう時は長いものに巻かれておいた方が良いぞ……」 ガルドリックがヴァイスの頭に手を乗せて年長者としての処世術を説く。「エリィもお風呂が良いでしょ? 貴女、公衆浴場初めてじゃない?」 王都に続く道を歩きながらメルティーローズがエリスフィーナに尋ねる。「……公衆浴場は話でしか聞いた事無くて……どういう所なんですか?」 自宅の浴室しか知らないエリスフィーナにとって公衆浴場など想像も付かない様だ。「公衆浴場はねぇ、でっかい浴

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