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8話

مؤلف: 東雲桃矢
last update تاريخ النشر: 2026-05-20 11:00:32

「チェセル王子……」

 シュリのことは気がかりだが、今は急いで身支度をしなくてはならない。クローゼットを開けて、紺色のドレスを身にまとう。紺色は宵の国を象徴する色でもある。敵国ではないとはいえ、他国の象徴色を身にまとうのは、複雑な気分だ。とはいっても、マリアネラ自身の髪は紺色なのだが。

「う、ぶかぶか……」

 ドレスはマリアネラの体より2サイズほど大きい。油断したらドレスの裾を踏んでしまいそうだ。

 部屋から出ると、チェセルが壁によりかかり、腕を組んで待っていた。

「ほう、似合うではないか。サイズは……、少しばかり大きいようだな」

「チェセル王子、何故ここに?」

「ここは私の城だ」

「いえ、そういうことではなくて……」

「食堂は別の階にある。お前ひとりでは迷うだろう。案内してやるからついてこい」

「はい、ありがとうございます」

 マリアネラは大人しくチェセルについていく。

(どうしてチェセル王子がわざわざ案内を?)

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    「チェセル王子……」 シュリのことは気がかりだが、今は急いで身支度をしなくてはならない。クローゼットを開けて、紺色のドレスを身にまとう。紺色は宵の国を象徴する色でもある。敵国ではないとはいえ、他国の象徴色を身にまとうのは、複雑な気分だ。とはいっても、マリアネラ自身の髪は紺色なのだが。「う、ぶかぶか……」 ドレスはマリアネラの体より2サイズほど大きい。油断したらドレスの裾を踏んでしまいそうだ。 部屋から出ると、チェセルが壁によりかかり、腕を組んで待っていた。「ほう、似合うではないか。サイズは……、少しばかり大きいようだな」「チェセル王子、何故ここに?」「ここは私の城だ」「いえ、そういうことではなくて……」「食堂は別の階にある。お前ひとりでは迷うだろう。案内してやるからついてこい」「はい、ありがとうございます」 マリアネラは大人しくチェセルについていく。(どうしてチェセル王子がわざわざ案内を?) サイドテーブルには使用人を呼ぶためのベルが置いてある。それにメリーは極力この階にいると言っていた。王子が直々にマリアネラを食堂に案内する理由が見つからない。「ここが食堂だ」 広々とした食堂の中央には、紺色のテーブルクロスが敷かれており、豪華な朝食が並んでいる。案内された席に座ると、マリアネラの前には、チェセルと同じメニューが置いてある。 奴隷とは思えない厚遇っぷりに、なにか裏があるのではないかと勘ぐってしまう。たとえば、シュリ姫のこと。チェセルは気にするなと言っていたが、陽の国が恨まれてもおかしくない。他にも、マリアネラが知らないだけで、陽の国が宵の国から恨みを買っていた可能性だってある。 食事終えると、マリアネラは馬車に押し込まれ、街に連れ出される。街と言っても、貴族の屋敷と高級店ばかりが並ぶ街だ。「なんというか、随分きらびやかな街ですね」「ここは貴族街とも呼ばれていてな。貴族や王族が気兼ねなく買い物や外食をするために作られたのだ」 「なんて贅沢な……」

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