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第10話

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雨がやんだあと、直樹のボートが帰る途中でひっくり返ったらしい。

なんでも、由理恵がボートの上でパニックになって操縦を奪おうとしたせいで、漂流物にぶつかったんだとか。

二人とも、水の中に落ちてしまった。

直樹は泳ぎが得意だから、本当なら岸までたどり着けたはずだった。

でも、由理恵に必死にしがみつかれて、動けなかった。

それはまるで、2年前、あの火事の時に由理恵が直樹の首に必死に抱きついた光景とそっくりだった。

ただ、今回そこにカメラはなかったし、拍手もなかった。

あったのは、濁った水と、どこまでも続く暗闇だけ。

二人が引き上げられた時、まだお互いに絡み合ったままだったらしい。

由理恵の爪は直樹の肌に深く食い込み、彼の顔は恐怖と絶望でいっぱいだったという。

聞いた話では、直樹は最後には力尽きてしまったそうだ。

直樹はこの「一般市民」を振り払おうとしたんだろうけど、今回は、もうできなかった。

これが、直樹が「身内びいき」を避けたことへの代償。

……

私と海斗との結婚式は、一ヶ月後に決まった。

ウェディングドレスを試着していた日、海斗が私に尋ねた。「もしまた危険な
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