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第 148 話

last update publish date: 2026-09-10 13:22:51
黒鷹商会。

その名は、王都の貴族名簿には載っていない。

王宮出入りの御用商人一覧にも、表向きは載っていない。

ハイム商会やラドナー運送のように、王宮の帳簿へ何度も名前を出しているわけでもなかった。

それなのに、線をたどると、必ずどこかで影が差す。

港湾倉庫。

輸送仲介。

遠方品の手配。

慈善茶会の装飾品。

ノルヴァルト産毛織物。

そして、ラドナー運送からの定期的な支払い。

名前は見えない。

けれど、気配だけがある。

「幽霊のような商会ですね」

オスカーが、王宮臨時顧問室の机で帳簿をめくりながら言った。

朝の光が窓から差し込んでいる。

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