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第209話

Author: 八雲詩乃
「君の能力を評価したからだ」

最初に佳奈に目を留めたのは、確かに若葉のためだった。

だが、少し調べてみると、実績も能力も申し分ないことがわかった。

深津市の同年代の弁護士の中でも、間違いなく上位に入る実力の持ち主だった。

ただ、運悪く、宗介の怒りを買ってしまっただけだ。

そして、その手の問題こそ、和之にとっては最も簡単に解決できるものだった。

理由を聞いて、佳奈は納得したようにうなずいた。

自分の能力には自信がある。

それを評価して採用してくれたのなら、何も疑う必要はなかった。

そう思うと、最初の戸惑いもだいぶ薄れていった。

少なくとも、和之は自分の長所を認めてくれている。

昨夜、若葉を羨ましがっていたことを思い出した。

もう羨ましがる必要はなさそうだ。

自分の上司だって格好いい。しかも、長年片思いしてきた相手なのだ。

今回の転職は、まさに災い転じて福となす、といったところだろう。

佳奈はもともと、気持ちの切り替えが早い性格だった。

こうして彼と近くで接する機会を得たのだから、自分から一歩踏み出してみようと思った。

「以前、LINEを交換したことは覚え
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