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第278話

Author: 炭酸水が大好きな美少女
それでも、顔は守られたのだ。あのときのように、焼けただれたままにはならずに済んだ。

「白川。今この瞬間から、お前は別人として生きるんだ」

善起は冷たい声で言った。

「新しい住まいと身分は、こちらで用意した。新しい名前を、片時も忘れるな。お前は今から、西園寺寅彦(さいおんじ とらひこ)の娘、西園寺珠美(さいおんじ たまみ)だ」

花梨は目を見開き、信じられない思いで善起を見つめた。一瞬にして名家の令嬢に生まれ変わるなんて、まるで現実離れした夢のようだった。

けれど、善起の言葉を手放しで信じることはできなかった。

「そ……それ、本当なの?」

花梨の声は震えていた。指先が無意識に、鏡に映る見知らぬ顔をなぞる。

善起は小さく笑った。

「もちろん本当だ。ただし、わかっているだろうな。その身分の恩恵にあずかりたいなら、俺の言うことに完全に従え。

これからお前には、芽衣・カストと手を組んで遥を潰してもらう。芽衣はお前の親友として、行動を共にしてくれる」

花梨はわずかに眉を寄せた。芽衣・カスト?名前なら聞いたことがある。遥が海外に行ったとき、怒らせてしまった相手のはずだ。

カスト
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