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第148話

Author: つき酔
承也は美月の車椅子のそばへ歩み寄った。

美月が識子に目で合図すると、識子は慌てて美月のコートの前を開いた。

内側の白いカシミヤのニットにまで、血がべっとりと染み込んでいる。傷口からは、まだ血が流れ続けていた。

弾は、美月の左肩と鎖骨の境目あたりに入っていた。

致命傷ではない。

だが、出血は多い。

承也の瞳の奥に、幾重にも暗い色が沈んだ。

意識が朦朧としている美月は、痛みで冷えきった手を持ち上げた。震える指で、承也の袖を掴む。

「承也……痛い……」

美月が痛みに耐える声を聞き、莉奈は反射的にそちらを見た。

だが、識子がちょうど横に体を入れて、莉奈の視界を遮った。

莉奈のいる角度からは、美月の頭が承也の手に寄りかかっているようにしか見えなかった。

莉奈が視線を戻そうとした、そのときだった。

識子が叫ぶ。

「桜井様!」

美月は気を失っていた。

承也の動きが一瞬止まる。

次の瞬間、承也は美月を横抱きに抱き上げた。

そのあとの光景を、莉奈は見なかった。

承也が美月を抱き上げたのと同時に、莉奈は身を翻した。急いで自分の同僚を探しに向かう。

ほかの誰がどうなろ
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