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誰を信じるか

Auteur: 影畑凛星
last update Date de publication: 2026-08-20 17:17:27

 橘と理央の話し声が遠ざかってからも、綾香はしばらく扉の前に立っていた。

『気にかけることと、詮索することは違うよ』

 橘は理央を庇わなかった。

 むしろ、はっきりと止めていた。

(分からない……)

 母の木箱。

 屋根裏部屋。

 理央。

 橘。

 何かが繋がっているように思えるのに、肝心なところだけが見えない。

 母の手紙には、こう書かれていた。

『あなた自身で確かめてから、誰を信じるか決めてください』

 綾香は引き出しを開け、古い鍵を取り出した。

「自分で確かめるしかないのよね」

 まずは貸金庫だ。

◇◆◇

 翌日。

 綾香は必要な書類を揃えるため、父に声をかけた。

「お父様、ちょっとお願いがあるんだけど」

「何だ?」

「お母様の銀行のことで、確認したいことがあるの。必要な

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