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第4話

مؤلف: 心の癒し
「別れる?」

一成の両親は驚愕のあまり、思わず声を張り上げた。

「そうよ。用意しておいた離婚届に一成はもうサインしたわ。あとは提出して受理されれば、正式に離婚が成立するわ。

ただ、このことは当分、一成には内緒にしてほしいの。責任感だけで、また自分の気持ちに逆らった選択をしてほしくないから」

あの「丁寧な他人行儀の七年」を思い返すと、胸の奥に複雑な痛みが溢れて止まらなかった。

その夜、ちょうど眠りにつこうとしたとき、ドアが勢いよく蹴り開けられた。顔を上げると、一成の怒りに燃えた視線とぶつかった。

「遥香、やっぱり親に言いつけたな!どうしても恵をこの町から追い出さないと気が済まないのか!

お前が言いつけなければ、親が恵のところへ行くはずがなかった!だから口論になって、タマまで飛び出して行方不明になったんだ!」

――タマが、行方不明になった?

その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が不安でいっぱいになった。

やっぱり、私は結末を変えることはできないのだろうか?

「よく考えろ。お前は今、子どもがいる身だ。お前が子を失う苦しみは、恵がタマを失う苦しみと同じなんだ。少しは自分のことばかり考えるのをやめろよ。

そもそも、ことの発端はお前だ。恵に償え。タマが戻らなければ、お前の腹の子は、ひとまず諦めてもらう」

一成の言葉は鋭い刃のように、私の胸を突き刺した。子を失う痛みがどんなものか、私は誰よりも知っている。

ただ、一成はまだ知らない。もう、その子はいないことを。

「私がタマを見つけてくる」

そう言って私が外へ出ようとすると、背後から一成の冷たい笑い声が響く。

「善人ぶるな。タマを見つけるのは、そもそもお前がやるべきことだ。そんなことをしたところで、俺がお前を許すと思うな」

恵の家のあたりでタマを探しているあいだも、彼女の部屋の灯りはずっと消えず、窓には二つの影が寄り添って抱き合う姿が映っている。

夜気は底冷えするほど冷たく、私は流産したばかりの体で一時間以上も歩き回り、視界が揺れて何度も意識が遠のきそうになった。それでも足を止めず、ただタマを見つけるために探し続けた。

必ず見つける。そうすれば、一成とは本当に貸し借りなしで終われる。

夜が白むころ、廃屋の庭でやっとタマを見つけた。鎖につながれ、タマは冷たい石の上で小さく震えている。

タマを連れて戻ったとき、目に飛び込んでくるのは、一成が恵を抱き寄せ、涙をぬぐってやっている光景だ。

「タマだ!恵、見て!」

恵は駆け寄ってタマを抱きしめ、私に向きかけた一成の顔色を見て、すぐに泣き声で言う。

「一成、タマが震えてる。風邪ひいたのかもしれない。犬って病気に弱いって聞いたの。お願い、一緒に動物病院へ連れて行って。絶対、何かあったらいや」

弱々しく、今にも倒れそうな私に目をやり、一成の表情が一瞬ためらいに揺らぐ。

その気配を感じ取った私は、必死に壁に手をつきながら声を絞り出す。

「私は大丈夫。先に、二人で動物病院へ行って」

一成と恵が去った直後、視界が暗転し、私はその場に崩れ落ちた。

病院で目を覚ますと、一成がベッド脇に座り、案じるようにこちらを見ている。

「具合が悪いなら、無理をするな。まさか、親に知らせてまた恵に難癖をつけさせるつもりじゃないだろうな」

その様子なら、まだ私が流産したことは知られていない。私はそっと胸をなで下ろした。

「昨日は、俺の言い方が悪かった。でも、恵がタマのことで思い詰めないか心配で、そばにいるしかなかったんだ。一緒に探しに行けなくて悪かった。

本当に、ごめん」

一成が謝るのを聞いて、私は軽く笑った。

彼は訝しげにこちらを見つめ、問いを投げかけるような目をしている。

「あなたは昔から情に流されやすいんだよね。だから子どものころ私を助けたのも、結局は同情からだったじゃない?今になって後悔してるよね?もしあのとき助けてくれなかったら、私と結婚しなくてもよかったのに」
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