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第4話

مؤلف: 美然
智也は結局、役所には現れなかった。私はそのまま足を向け、裁判所で離婚の提訴手続きを済ませた。

裁判所の門を出たところで、智也からの着信が入る。

「いい加減にしろ。昨夜はなぜ帰ってこなかった。健太が八時までに登校しなきゃいけないことも伝えておかないから、彼は遅刻したじゃないか!」

「もう裁判所に離婚訴訟を提起したわ」

「本気なんだな、和花。どうせそのうち、泣きついてきて『やり直してくれ』と縋ってくるのがオチだぞ」

これ以上言葉を交わす気にもなれず、私は通話を切った。

あてもなく街を彷徨っていると、「居抜き募集」の貼り紙が出された小さなラーメン屋の前で足が止まった。

店主は老夫婦で、高齢を理由に引退を考えているが、子供たちはこんな小さな商売を継ぎたがらないのだという。

こじんまりとした店だが内装は悪くない。奥の物置部屋は寝泊まりもできそうだ。

月十万円という家賃は今の私には決して安くはなかったが、大家さんがいい人で、敷金一ヶ月、礼金なしという破格の条件で折り合いをつけてくれた。

これまでの貯金を計算すると、この店を譲り受けるにはちょうどいい金額だった。

思い立ったらすぐに行動に移した。店内をさっと片付けると、すぐさま仕込みに取り掛かった。

かつて、智也と健太に美味しいものを食べさせたい一心で磨き上げた料理の腕が、皮肉にも今、私を支える武器となっている。

日の出前から市場へ足を運び、新鮮なゲンコツや鶏ガラを仕入れ、何時間もかけて寸胴鍋でスープを煮出す。店を掃除し、麺を打ち、秘伝のタレを丹念に仕込む……

その地道な努力が実を結び、客足は日に日に増えていった。

客が増えすぎて一人では回らなくなり、アルバイトを二人雇うまでになった。

忙しい毎日だが、これまでにない確かな手応えと喜びを感じていた。

月末に帳簿を締めると、手元には二十万円を超える純利益が残っていた。

人事との引き継ぎの日。

私は事務所へ向かい、荷物をまとめて手続きを終えた。

受付で皆に手を振って別れを告げようとした時、智也に腕を掴まれ、強引に角へと引きずり込まれた。

かつての颯爽とした姿はどこにもない。顔には隠しきれない憔悴が滲んでいる。

目は充血し、しわくちゃのグレースーツの中には、油染みのついた淡いブルーのシャツ。

「いい加減にしろ、早く家に帰ってこい。先生から、健
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