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第147話

Author: ASAMI
last update publish date: 2026-10-28 07:14:31

数日間にわたる試行錯誤の末、蓮はついにチェリストの青年へ贈る特注アタッチメントの試作品を完成させた。

その週末の午後、工房の一角にある小さなフィッティングルームで、私たちはその瞬間を見守ることになっていた。

私は蓮の妻として、そしてかつて同じように彼の作った器具によって音楽を取り戻した者として、彼の隣にそっと寄り添っていた。

青年の名前は真澄(ますみ)という。

まだあどけなさが残る二十代前半の彼は、緊張と期待が入り交じった複雑な表情で椅子に座り、蓮が差し出した木製の特殊アタッチメントをじっと見つめていた。

「これ……本当に、僕の左手に合うでしょうか」

真澄が震える声で尋ねる。

その左手薬指と小指は、事故の傷痕によって硬直し、チェロの指板を正常に捉えることができなくなっていた。

蓮は穏やかに微笑み、青年を安心させるようにゆっくりと首を横に振った。

「完璧だとは言えないかもしれない。けれど、君の残された指の筋肉の動きと、痛みの走る角度をミリ単位で計算し、何度も削り直した特製品だ。まずははめてみようか」

蓮の大きな、けれど温かみのある職人の手によって、その特注のアタッチメントが真澄の左手に
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