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Love too late:すれ違う想い2

Auteur: 相沢蒼依
last update Date de publication: 2026-08-18 06:39:28

悲壮感漂う俺と不機嫌満載の歩。これ以上の最悪な再会の仕方はないだろう。

信じられないという表情を浮かべて、なにかを口にしようとした歩を見、俺は眉間に深いシワを寄せてみせる。

「……おまえ、なにをやってんだっ?」

「は――?」

「俺が仕事をしてるとき、どんなに疲れていても不機嫌な対応してるところを、おまえは見たことがあるのか?」

言いながらつい、いつものクセで頭を叩いてしまった。だけど威力は半減してやる。

「痛っ! あの……どんなときでもタケシ先生は、ちゃんと患者さんに笑顔で向き合ってる」

「だろう? わざわざここを選んで来てくれたお客に対して、ありがとうございますの意味を込めて、きちんと接客しなきゃならないんだよ。たとえどんなに疲れていてもだ! おまえ一番人気だからって、天狗になってんじゃないのか?」

胸の中に渦巻くイライラのせいで、言わなくてもいいことまで告げてしまい、思わず口元を押さえた。そんな俺の様子に、歩はいつものへらっとした笑みを浮かべて、じっと見下ろす。

「タケシ先生、もしかしてわざわざ来てくれたのって、俺の人気ぶりを見に来たの?」

「っ……ああ、そうだよ
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  • 恋わずらいの小児科医、ハレンチな駄犬に執着されています   繋がり届く思い~一緒に島へ~(歩目線)2

    目の前にある襖1枚隔てた向こう側には、お父さんとお母さんが寝ているのだが、どうしても確かめたかったことがある俺は、颯爽とタケシ先生の布団に潜り込み、後ろから抱きしめてやった。 その途端に右側にある跳ねた後ろ髪が、ぴくりと揺れる。暫しの間のあと、タケシ先生は深いため息を漏らした。「こら……いきなりなにをするんだ、バカ犬」 隣に聞こえないように押し殺した声で言ったせいで、いつもより怖さが倍増されたけど、おののいている場合ではない。俺にとっては、切実な問題なんだ。「だ、だってよぉ……どうしても気になったんだ。その、御堂にキスされたっていうのがさ」 「ちょっ、ま――」 タケシ先生が返事をする前に、がばっと覆いかぶさり唇を塞いでやった。 おいおい、隣の部屋に親父とお袋がいるんだぞ(照)←周防の心の声「っ……ぁ、うっ……」 抵抗できないように、タケシ先生の両腕をガッチリと握りしめ、布団に磔にしてやった。ヤル気満々な状態の俺に、目の前で心底イヤそうな顔をして眉根を寄せる。「タケシ先生、アイツに触られたのはお尻だったっけ」 「お、おい……なにをする気なんだ、お前?」 「なにって、舐めて拭うだけ」 ケロッと言い放ってみたら、首を激しく横に振りまくった。「ばっ! 港で両手を使って掃いまくっただろ。あれでチャラになってるって」 「俺の気が済んでない。だから舐める」 「マジメな顔して舐めるとか言うな! 隣に聞こえたらどうするんだ?」 顔を真っ赤にして大声で言ってる時点で、丸聞こえだと思うぞ、タケシ先生。つぅか冗談が通じないとか、どんだけ錯乱してるんだろ。「だって、タケシ先生のことが好きなんだ」 俺はいたって冷静でいたため、きちんと声を抑えて言った。やっぱハズカシイからな、うん。「す、好きだからって舐めるとか、絶対におかしいから!」 「おかしくないぜ。他のヤツに触られて、そのまんまにしてるのが変だしさ。俺のもんに勝手に触るとか、マジでムカつくってぇの」 「ムカつくのはわかるけど、場所をわきまえろって」 「そうよ。お父さんもいい加減に襖の前から離れて、ふたりのことを放っておいてあげなさいって!」 隣から聞こえてきたお母さんの声に、タケシ先生と顔を見合わせてから襖を見てしまった。「とにかく……自分の布団に戻れ。続きは地元に帰ってから、ちゃんと

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    気持ち悪くなる一歩手前まで追い詰められながらも、必死になって目の前にある大量のカレーを平らげた。意地といってもいい。こんなことでタケシ先生との仲を認めてくれるのなら、どんな手を使っても食べ尽くしてやる勢いだった。 隣で食べてるタケシ先生も、俺の量より多くはないけど、かなりの量を食べ終えていて。そのくせ余裕の笑みを浮かべつつお腹をさする俺を、どこか満足気な顔で眺めた。「歩、美味しかったろ? 久しぶりに食べたからか、余計に美味しく感じた」 「あら、そお? 嬉しいこと言ってくれるのね。王領寺くん大丈夫? たくさん食べてくれてありがとね」 「いっ、いえいえ。とても美味しくて……た、たくさん食べてしまって。ハハハ……」 「昨日に引き続き、今夜も無理して平らげて。体を壊したいのか?」 呆れたお父さんが胸ポケットから、さっと何かを取り出し、俺の目の前に置いてくれる。タケシ先生は素早く差し出されたものを手にして、しげしげと確認した。「親父、これ胃薬じゃないか。こんな物をずっと、胸ポケットに忍ばせていたの?」 「や、最近胃の調子が悪くてな。すぐに飲めるようにしているだけで、王領寺くんのためじゃないぞ」 若干頬を染めて、明後日を向きながら言う姿は、タケシ先生がする誤魔化しのときと同じだ。さすがは親子――「お父さん、ありがとうございます」 「お父さん言うな! 胃の調子がお前らのせいで、どんどん悪化していくぞ」 「悪化しそうな顔色でもないのにね、親父……」 「まったくお父さんってば。素直に用意していたって、言えばいいのに」 タケシ先生とお母さんに口撃され、うっと言葉を飲み込んだ、めっちゃ可愛いお父さん。 やっぱりこんな感じのやり取りを直接見ることが出来て嬉しいと、心から思ってしまう。出会い頭のタケシ先生の爆弾発言から考えると、和やかすぎて怖いくらい。「なぁ、王領寺くん」 「は、はいっ!」 ゴホンと咳払いをしたお父さんが、いきなり話しかけてきた。姿勢を正して、真っ直ぐ顔を見つめる。「君はまだ若い。年の離れたこんな可愛げのない男と一緒にいるより、若い娘さんに、目がいくんじゃないのか?」 可愛げのない男――ぷっと吹き出しそうになりながら隣を見たら、憮然とした表情を浮かべている姿があった。「自分の親以上に、俺の体を心配してくれた大事な人を、裏切るような

  • 恋わずらいの小児科医、ハレンチな駄犬に執着されています   繋がり届く思い~一緒に島へ~(周防目線)2

    オドオドしまくりの歩を後ろに引き連れ、診療所の扉を開け放つ。「ただいま~!」 診療所とは別の玄関もあるが、あえてここから入ることにより、必然的に親父と対面するので、こっち側から入ってやった。自分から逃げたくはないからね、当然の行動だ。 島の住人はお元気のようで、診療所の玄関には靴ひとつない。それを確認したところで、面倒くさそうな顔をした、自分とソックリな親父が診察室からダルそうに出てくる。まるでさっき逢ったばかりの歩と、いい勝負のツラの悪さだ。「お帰り。向こう側から帰ってくればいいのに」 親指で後方を指し示し、今からでもあっちに行けと言ってるのが伝わってきた。「どこからでもいいだろう。全部、家みたいなものなんだから。歩、脱いだ靴を持って、廊下を突き進むぞ」 「はい……」 「武……母さんなら今頃、台所で晩飯の支度をしてるはずだ」 親父の横を通り過ぎたら、何故だか慌てた様子で、声をかけてくる。その意図が分からず、首を傾げながら振り返って、分かったと返事をしたら。「とりあえず話は、晩飯が終わってからだ。昨日みたいに中途半端なところでしたら、酒が不味くてかなわん」 吐き捨てるように言い放ち、逃げるように診療所の外へと出て行ってしまった。「おい、中途半端なところで話をしたのか?」 親父が出て行ったのを確認して歩に訊ねてみたら、微妙な表情を浮かべ、コクリと頷く。「中途半端っていうか乾杯して突然、お母さんが俺たちの馴れ初めを質問してくれて……だらだら話をした感じ」 「そうか。分かった」 両手が塞がっていたので、軽く歩に体当たりし、変に落ち込むことはないというのを伝えてやった。「タケシ先生……」 口にしなくても、伝わる想いはある。目が合ったときには、嬉しさをにじませる眼差しが、しっかりと俺を捉えていた。 ふたりして並んで、自宅に続く廊下をひたすら歩き、玄関に靴を置いて、そのまま台所に直行した。「ただいま、お袋。元気そうでなにより」 「あら、早かったのね。お帰りなさい武」 お袋の声を聞きながら歩に向かって、手に持っていたバックを差し出してやった。「悪いけど、居間に置いてきてくれないか? そのまま座って待っていろ、お茶持っていってやるから」 「わかった。あのさタケシ先生」 バックを受け取りながら、どこか渋い表情を浮かべる。「……何

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    「うっ、タケシ先生ぃいぃ~……」 フェリーから降り立った途端に、両目を潤ませた歩が走り寄ってきて、ぎゅっと体にしがみついた。たった一晩離れていただけなのに、どうしたっていうんだ? もしかして、想像以上に親父に叱られたんだろうか?「なんだ、そんな変な顔して」 「変って言うなよ。俺がすっげぇ心配してたっていうのに、スマホの電源ずっと落したままでいたのは、どこの誰だよ?」 ――ああ、そのことか。「電源落すに決まってるだろ、病院の中にいるんだから」 「その病院の中で何かあったら、どうやって助けを呼ぶんだよ?」 「助けを呼ぶような場面は、全然なかったって」 「……御堂って先輩に、襲われなかった?」 「うっ……(・ ̄Д ̄;;)」 歩の言葉に思わず視線を逸らして息を飲んだら、潤ませていた瞳をキッと釣り上げ、いきなり俺の体をくんくんと嗅ぎまくる。「おいおい、麻薬探知犬ならぬ浮気探知犬か、お前は……」 「誰がそれを、させてるんだっちゅーの」 「安心しろ。ただ一瞬だけ唇が触れただけだか――」 言うや否や顔を寄せて唇を奪おうとするなんて、何を考えてんだ! 迫ってきた顔に迷うことなく、パンチをお見舞いしてやる。 ゚・゚*・(゚O゚(☆○=(・`◇´*)o「あだっっ!!」 「人目があるところで、何をやらかすんだ、このバカ犬が! 場所をわきまえろ」 「ううっ、容赦ねぇよぉ……」 顔面を押さえ痛そうにしつつ、口角がちゃっかり上がっているのは、もしかしてマゾなのか!?「安心しろ。今の倍の力を入れて、御堂先輩に仕返ししてやってるから」 「ひいぃっ……。ソイツ、生きてるのかよ?」 「大丈夫だ。あの人は叩かれ慣れているから。そういう人生を歩んでる、バカな男さ」 両腕を組んで歩を見上げてやると、神妙な表情を浮かべる。ま、ある意味コイツも似たようなことをしていたから、同病相憐れむってトコなのかもな。「本当に、キスされただけで終わったのか?」 「そういや、尻も触られたっけか。あれはいつものことだから――って、あのなぁ……」 いきなりしゃがみ込んで、両手を使って払うように尻を触ってくれるとか、何をやってんだか。 呆れた視線で見下ろしてやっても、何のその。使命感に燃える看護師のように、俺を仰ぎ見た。「他には、何かされた?」 「もう大丈夫だって。帰り

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    ああ、もうタケシ先生―― 電話にメール、スマホのアプリ機能を使い、必死こいて連絡しまくったのだが、捕まる気配すらない状態に、胸がざわざわしまくった。 目の前にいたお父さんは席を立って、背後にある家電で誰かと話している最中。『君たちが――』や『そうか……』など、ちょっと気になるような会話を展開しているみたいだったけど、それよりも俺はタケシ先生が今、どこで何をしているのかが気になって仕方なかった。「どぉしよう……今頃タケシ先生を拉致して、何かで縛り上げた挙句に、あんなことやこんなことを、ウヒヒとか言いながら励んでいたりしたら」 タケシ先生が泣きボクロを涙で滲ませ、御堂ってヤツを睨んだりしたら、行為に余計、拍車がかかるって!「うがーっ! もう俺ダメだ。狂ってしまいたい……何も想像したくないって」 送ったメッセージは既読にすらならなくて、そのまんまの状態――どうして見てくれないんだよ。(もしかして、見られない状況に追い込まれているとか!?)「王領寺くん、食事の用意が出来たから、隣の和室にどうぞ」 無言を貫くスマホの画面をため息をついて見つめたとき、台所にいたお母さんが声をかけてくれた。「あ、はい。ありがとうございます……」 言いながら、スマホをテーブルの上に置く。夕飯の最中に、チラチラと画面を見る気がした。そんな失礼なことをしそうだったから、あえて置いていくことにしたのだけれど。「ううっ……後ろ髪を引かれるって、このことなんだな。辛すぎるよ、タケシ先生」 振り切るように立ち上がり、両手をぎゅっと握りしめ、身を翻すように隣の部屋に足を進める。暗い気持ちを引きずりながら、ふと顔を上げたら。「うぁ……」 目に飛び込んできたのは、大きなお皿に盛られた美味しそうな刺身やら、熱々の揚げ物やその他いろんな物が、テーブルの上に所狭しと並べられている状態だった。 おいおい、これを3人で食うのかよ――? 顔を引きつらせてその場に立ち尽くした俺に、お母さんが背後から手をかけて、テーブルの真ん中に座らせてくれた。 目の前には、勿論お父さんの姿が……視線のやり場が正直なところ辛い。「たくさん食べてね、王領寺くん」 「おい、ビール!」 「はいはい、ちょっと待っててくださいね」 俺との対応を反比例させながら、お母さんがビール瓶を持ってきた。「あのっ、俺

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