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第16話

Author: アイスクリーム
それからの日々、寛人は生きる屍のように過ごした。

彼は容坂に帰らず、ただ薫からもらった京坂にある家に引きこもって、毎日結月の写真を抱えて、何度も結月に謝り、自分の愛を訴えていた。

澪は行くところがないという理由をつけて、ずっと寛人に付きまとっていたが、彼はそれに構う気力もなかったのだ。

澪は奥歯を砕くほど歯を食いしばったが、成す術がなかった。

結月と颯真が式を挙げる前夜、寛人は結月に会いに行ったが、会うことはできなかった。

そして彼は家に帰ってすぐ結月の写真を抱えて涙を流した。

これが最後のチャンスだと思い、澪はすべてをここに賭けた。彼女は寛人の酒に薬を入れただけでなく、結月が普段着そうな服を着て、寛人を抱いて、彼を許してあげると言った。

自分が夢にも見ていた姿が目の前に現れたのを見て、寛人の思いは抑えきれなくなった。

彼は澪を力強く抱きしめ、囁き続けた。「ごめん結月。俺はもう二度と結月を悲しませないよ。俺が澪を追い払ってやる、見えない所まで追い払ってやるからな。今後一生結月に優しくするから、もう結月を悲しませたりしない。結月、すごく会いたかったよ」

澪は俯いて寛人を見つめた。その目は憎しみで満たされている。

しばらくすると、澪は手を伸ばし、寛人の頭を撫でた。そして、結月の声を真似て、彼女は口を開いた。「大丈夫だからね、寛人。許してあげるわ。寛人のこと、愛してるよ」

彼女はそう言い、寛人の唇にキスをした。しかし、澪は心の中でこう考えていた。寛人、伊東結月は一生あなたを許さないし、あなたは一生私から逃げられないよ、と。

しかし、二人の唇が重なってすぐ、寛人はパッと澪を押しのけた。

その両目を怒りで赤くさせた寛人は手を伸ばして、澪の首を絞めて言った。「俺が一生結月に恨まれるように、彼女に成りすまして誤魔化そうとするなんてな。お前は……お前は死んじまえよ!」

局面がこんなに早く逆転するのに驚いた澪は寛人を見つめた。彼女は寛人がここぞという時に限って結月ではなく澪であると判別できる理由がわからなかった。

澪の目には涙がたまった。彼女はもがきながらヒステリックに叫んだ。「全部あんたのせいだよ!あの女は寛人を捨てて、他の人と結婚するわよ!寛人が私に肩入れするもんだから、私は寛人に好かれたと思っちゃったの!彼女がもう寛人を捨てたんだから、私は自分のた
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