霧の白が、足元でほどけては結び直される。
光の粒で描かれた道は、畑の終わりで途切れず、そのまま林へ溶け込んでいた。一本、二本――並木を越えるたび、空気の味が変わる。冷たかったはずの風が、喉の奥で甘い。 (ここは……“生きている”) 葉は夜露を払い、青銀に光る。触れてもいないのに、枝がするりと避け、私の肩に当たらない。花弁は足音に合わせて開き、音もなく閉じる。雨雲の切れ間から差す光が、霧の中で屈折し、空がわずかに歪んで見えた。 からん―― 鈴の音が、背中ではなく前から聞こえた。 歩を止めると、足元を小さな光が走り抜ける。砂粒ほどの輝きがいくつも生まれ、輪を描いて私の周囲を回り始めた。数が増える。冷たいはずの光が、肌の上でやさしい体温に変わる。 ――ヒトの子。 ――なぜここへ。 ――王の眠りを破る者。 声が重なり、木立の間でこだまする。男でも女でもない、年齢すら感じさせない囁き。 私は喉を鳴らし、胸の前で両手を重ねた。怖い。けれど、目は逸らさない。 (ゲームでは、この先で“消える”。試され、拒まれ、跡形もなく。 ――でも、私は消えたくない) 「……道が、ここに伸びていたの。呼ばれた気がしたのよ」 返事はない。代わりに光の輪が速くなり、足元の草が、いっせいに身じろぎした。 森の匂いが一段深くなり、遠くで木が軋む。空気の密度が変わり、耳の奥がきゅっと詰まる。 次の瞬間、すべての光が消えた。 音が――雨も、風も、私の呼吸すら――一拍、遅れて戻ってくる。 暗さではない。黒さが満ちる。霧は白なのに、視界が黒く塗られていく気がした。 足首に、何かが触れた。煙の腕のような冷たいものが、するり、と絡みつく。 ――ヒトは裏切る。 ――奪う。壊す。 ――去れ。ここは汝の世界ではない。 低い、重い響き。幾千もの嘆きが、ひとつの声に束ねられている。 膝が勝手に震えた。心臓が早足で走り、手のひらの汗が冷える。 「っ……!」 逃げたい。背を向けて――でも、ここで背を向けたら、私はきっと、もう二度と前を向けない。 (ここで消えるなら、私の意志で。――誰の台本でもなく) 私はうつむかず、黒い霧を睨んだ。 喉が乾く。けれど、声は出た。 「奪わない。壊さない。……それでも、生きたい。私を、見て!」 霧の腕が、ぴたりと止まる。 静寂。 やがて黒さが薄くなり、ひとつだけ光が戻ってきた。 砂粒より大きい、豆粒より小さい、けれど私の鼓動と同じ速さで脈打つ光。 ――……ヒトの子。 ――眼を逸らさない。 幾重もの囁きが、ほんの少しだけ柔らいだ気がした。 光は私の周りを一周すると、前方へ滑っていく。導くように。 (試している。まだ、終わっていない) 私は息を整え、歩いた。 踏むたびに、草葉についた露が光の線になって延びる。霧は左右に割れ、細い道が奥へ奥へと続いていく。 耳の奥で、鈴の音の残響が消えない。鼓膜ではなく、骨で聴いているみたいに。 森は、呼吸していた。 気のせいじゃない。葉擦れとも違う、巨大な生き物の肺音のような、吸って、吐いての律。 私の呼吸と、光の脈と、森の息が、いつの間にか同じ拍で重なっている。 一歩。二歩。 ふいに、空気がまた変わった。張り詰める冷たさではなく、深く沈む静けさ。 境目。 目の前の霧が、薄い膜のように光を帯び、内側から割れて―― 白ではなかった。 蒼。月のない夜にだけ見える、深い深い蒼。 その蒼の底から、ひとすじ金色の羽根が舞い上がり、私の頬をかすめた。 羽根は光でできているのに、触れた場所にやさしい重みを残して消えた。 「……」 そのとき。 低く、美しい声が、森の奥から響いた。 ――……面白い。 言葉というより、意志が音になった感じ。 全身の細胞が、その音の在り処を向く。 足元の草が蒼白く光り、立ち並ぶ幹に淡い紋様が浮かび上がる。輪、蔓、羽根、目――古い印のような模様が、私の周りで一瞬だけ光り、また樹皮の奥へ沈んだ。 ――ヒトの娘よ。お前は、俺の眠りを破った。 寝息のような風が、髪を撫でた。怖くない。 けれど重い。 この声を前にして、嘘は意味を持たない。飾りも、体面も、まるで役に立たない。 ――その理由を、語ってみせろ。 喉がからからに乾いていたはずなのに、言葉はすっと出た。 私は霧の割れ目の向こう――声の在り処を見据え、呼吸するみたいに答える。 「生きたいから。……それだけじゃ、足りませんか?」 森が、耳を傾けた。 光の粒が少しだけ増え、風が微笑むように通り過ぎる。 声は、すぐに返ってこない。沈黙は長くはないのに、永遠ほど長く感じられた。 (私は嘘を言っていない。誰かのためでも、役目のためでもない。 私が――私として、ここに残りたい) 掌を見下ろす。雨に打たれ、泥に汚れ、爪の縁が剥けかけている。 それでも、その掌が確かに自分のものだと思えた。 ――足りる。 たった二音なのに、胸の奥まで満ちる。 足元の光が膨らみ、ひざ下まで柔らかな温度が満ちた。 遠くの樹冠から、金の羽根が舞い降りる。 一枚、また一枚。落ちるたび、空気がわずかに澄む。 ――ヒトの娘。名を。 「……エリカ」 ――エリカ。名を忘れるな。名は、お前が誰の台本にも縛られないための鍵だ。 胸の奥が熱くなる。涙ではない。 やっと自分の名が、私自身の音になった気がした。 光が、霧の奥へ続く道をさらに明るくする。 私は一歩、踏み出す。草が足を受け、風が背を押す。 その瞬間、森が息をした。 吸って、吐いて。 私の肺と重なって、世界の拍が一つになった。 ――そして、運命が始まった。夜が明けた。霧はほどけ、昨夜まで神の息遣いで満たされていた湖は跡形もない。ただ、湿った草と黒土の匂いだけが残り、森は深い静けさを取り戻していた。手の甲の“白い羽”が、鼓動と同じ拍で淡く瞬く。脈に合わせて、皮膚の下で小さく光が震え、私という輪郭の内側を確かめるみたいに広がっては収まる。「その紋が燃える時、お前の心が嘘をついた証だ」すぐそばで、低い声。振り向けば、光の気配を羽織った男――精霊王ルシフェルが、朝の冷気を歪ませるように立っていた。白い髪は光を持ち、瞳の蒼は澄みすぎて、見る者の曇りを逃がさない。私は紋に視線を落とし、そっと笑う。「なら、燃やさないように生きるわ」ルシフェルの口角が微かに上がる。彼は何も言わず、歩き出した。私はその半歩後ろに並ぶ。並んだだけで、森の空気が変わる。枝が当たらない。棘が引っ込む。風が、進むべき道を撫でつける。「この森、あなたの気分に合わせて道ができるのね」「森は俺に従うが、好き勝手はしない。お前が選ぶ向きに、ただ障りを退けるだけだ」「それを世間では“好き勝手”って言うのよ」やりとりのあいだにも、羽の紋は淡く脈を刻む。生きている。歩幅に合わせて、私の“生”が確かに加速していく。しばらく進むと、空気の味が変わった。湿りが重くなり、わずかに鉄の匂いが混じる。葉の裏に張り付いた冷気が、肌の表面を指でなぞるように滑っていく。「……黒霧」森の奥、地平の低いところで、白い霧の中に“黒”が混ざった。煙の腕が地表を舐め、木々の根元を縫い、こちらの足跡を嗅ぐ獣のように形を探している。ルシフェルが片手を持ち上げた。光が手のひらにわだかまり、ひと息で森ごと祓い清められそうな、冷たい“絶対”が生まれる。私は、その腕の前に一歩出た。「大丈夫。もう、守られるだけの私じゃない」瞳が合う。蒼が一拍だけ深くなり――やがて、彼は手を下ろした。許可でも、賛同でもない。“見届ける”という選択。黒霧が凝り、輪郭を得る。四肢が生え、背が盛り上がり、筆で塗り潰したような黒い獣が姿を取った。目はないのに、こちらを正確に見ている。毛皮は風を吸わず、足音も落ちない。闇の精霊の残滓――この森の忌みが固まったもの。喉の奥で、羽の紋が熱を帯びた。鼓動が速くなる。脈動に合わせて、熱が指先へ流れていく。(――火)呼びかける言葉より先に、熱
霧が薄くほどけ、森の奥に静止した水面が現れた。湖――と呼ぶには、風がなさすぎる。鏡のような平らさは、空と地の境目を消し、私の立っている場所が上下どちらなのかさえ曖昧にする。空気は澄みすぎて、吸い込むたびに胸の奥がきゅっと痛い。(金の羽根……)前話のあの羽根と同じ光が、霧の中からはらはらと降る。触れれば溶ける雪のように消え、代わりに温度だけが肌へ残る。湖の中央に、淡い光柱が立ち上がった。そこだけ世界が息を潜めている。鳥の声も、葉擦れも、私の鼓動でさえ小さくなる。私は湖畔へ進む。足元の草は踏まれても折れず、靴の裏から静かな温かさがじんわり昇ってくる。水際で立ち止まると、鏡の下にもう一つの私が立っていた。微かに遅れて動くその影に、思わず指を伸ばしかけ――光柱が、脈打った。水が鳴る。波紋は外へではなく、内へ、ひとつ、ふたつ、と吸い込まれていく。不意に、そこに「輪郭」が生まれた。最初は人の形を真似た光の塊。やがて白が髪になり、白が衣になり、白が肌の境目を描く。金でも銀でもない、“光”そのものを束ねて形にしたような色。瞳は透明に近い蒼――覗かれれば、自分の嘘が全部、静かに浮かぶ気がした。私は息を呑んだ。膝がわずかに震える。この存在の前では、呼吸することさえ罪のよう。彼は、こちらを一度も見ずに、世界のどこか別の場所を確かめるように視線を巡らせ、それから私に焦点を合わせた。光柱が細り、静寂が濃くなる。そして、声が落ちた。低く、美しく、森そのものが言葉を選んだみたいな声で。「名を……呼んでみろ。お前の声で、世界が揺れるか、確かめたい」名。理解より先に、喉が鳴る。自分でも驚くほど自然に、音が形を得た。「……ルシフェル」波紋が走った。けれどそれは水面で広がらず、逆に私の足元から浮き上がる。重力が一瞬だけ方向を忘れ、水が小さな雫になって宙に持ち上がる。その雫一粒ずつに、金の羽根の反射が宿る。彼はほんの少し、目を細めた。微笑みにも見えた。「ヒトの娘よ。お前は“生きたい”と言った」声は私の背骨を伝って胸に落ちる。「だが、生きるとは奪うことでもある。空気も、水も、誰かの時間も、居場所も。――それでも、俺に名を呼ばせるか?」(奪う、か)雨の石畳と、城の大広間と、蛍光灯の白。私の中に積もっている“奪われたもの”が、一瞬で数え切れないほどの形に分かれる
霧の白が、足元でほどけては結び直される。光の粒で描かれた道は、畑の終わりで途切れず、そのまま林へ溶け込んでいた。一本、二本――並木を越えるたび、空気の味が変わる。冷たかったはずの風が、喉の奥で甘い。(ここは……“生きている”)葉は夜露を払い、青銀に光る。触れてもいないのに、枝がするりと避け、私の肩に当たらない。花弁は足音に合わせて開き、音もなく閉じる。雨雲の切れ間から差す光が、霧の中で屈折し、空がわずかに歪んで見えた。からん――鈴の音が、背中ではなく前から聞こえた。歩を止めると、足元を小さな光が走り抜ける。砂粒ほどの輝きがいくつも生まれ、輪を描いて私の周囲を回り始めた。数が増える。冷たいはずの光が、肌の上でやさしい体温に変わる。――ヒトの子。――なぜここへ。――王の眠りを破る者。声が重なり、木立の間でこだまする。男でも女でもない、年齢すら感じさせない囁き。私は喉を鳴らし、胸の前で両手を重ねた。怖い。けれど、目は逸らさない。(ゲームでは、この先で“消える”。試され、拒まれ、跡形もなく。 ――でも、私は消えたくない)「……道が、ここに伸びていたの。呼ばれた気がしたのよ」返事はない。代わりに光の輪が速くなり、足元の草が、いっせいに身じろぎした。森の匂いが一段深くなり、遠くで木が軋む。空気の密度が変わり、耳の奥がきゅっと詰まる。次の瞬間、すべての光が消えた。音が――雨も、風も、私の呼吸すら――一拍、遅れて戻ってくる。暗さではない。黒さが満ちる。霧は白なのに、視界が黒く塗られていく気がした。足首に、何かが触れた。煙の腕のような冷たいものが、するり、と絡みつく。――ヒトは裏切る。――奪う。壊す。――去れ。ここは汝の世界ではない。低い、重い響き。幾千もの嘆きが、ひとつの声に束ねられている。膝が勝手に震えた。心臓が早足で走り、手のひらの汗が冷える。「っ……!」逃げたい。背を向けて――でも、ここで背を向けたら、私はきっと、もう二度と前を向けない。(ここで消えるなら、私の意志で。――誰の台本でもなく)私はうつむかず、黒い霧を睨んだ。喉が乾く。けれど、声は出た。「奪わない。壊さない。……それでも、生きたい。私を、見て!」霧の腕が、ぴたりと止まる。静寂。やがて黒さが薄くなり、ひとつだけ光が戻ってきた。砂粒より大きい、豆
夜が明けきらない空の下、王都の外れに馬車だけが置き去りにされていた。御者台には誰もいない。戸板は開いたまま、冷たい風が布張りの座席を撫でていく。石の街道に靴底を下ろすと、薄霧が足首のあたりでほどけた。(ゲームでは、ここで“死亡エンド”だった。 けれど私は、終わらせない)門の方を振り返らない。振り返れば、きっと弱くなる。街道は北へ延び、畑はまだ眠っている。鳥の声はなく、遠くで誰かが薪を割る音が一度だけした。私はフードをかぶり、歩き出す。靴音だけが、世界の音になった。やがて、雨が落ちてきた。最初の一滴は不意打ちだったが、すぐに粒が増え、薄墨色の朝を細かく刺す。私は並木の一本、太い根の陰に身を寄せる。濡れた樹皮の匂い。指先がかじかむ。胸の内のどこかが、遅れてきしんだ。(泣く相手は選ぶものよ――そう言ったくせに、私は、誰のために泣いたの?)父の横顔が脳裏に差し込む。灰色の瞳は泳ぎ、沈黙は石のように重かった。印章を押す手――あのとき、確かに震えていた。家を守るために娘を切る、その理屈が正しいと信じたい父の手が。それでも、紙は濡れず、判は俯く私の最後を押し固めた。(責めない。責めない代わりに、二度と頼らない)雨脚が強くなる。裾が冷え、その冷えが骨に入る。視界が少し滲んだ。涙か、雨か、自分でも判然としない。私は膝を抱えて座り込み、額を腕に預けた。前世の断片が、雨粒の間に割って入る。――長机の上には、案件のファイルが積み上がっていた。「今回はエリカさんの落ち度ということで。みんなのために、ね」笑っている上司。私は笑って頷いた。皆が助かるなら、と。夜の社内で、蛍光灯の音だけが響いていた。帰り道、コンビニのガラスに映った顔は、知らない人みたいに白かった。(あの頃と同じ。逃げたくても逃げられない“役割”。 ――なら、私が役を選ぶ)私はゆっくり立ち上がった。濡れたドレスが重い。けれど足は、もう前を向いている。呼吸を整えて、ひとつ吐く。「逃げない。もう、逃げる物語なんて要らない」雨は少し弱まった。枝葉から雫が落ちる音が規則正しく続く。その規則に、ふい、と異物が混ざった。からん。鈴のような、金属でも氷でもない、澄んだ音が、遠くで一度だけ鳴った。顔を上げる。霧が濃い。並木の向こう、見慣れた田畑の輪郭が薄紙の向こう側みたいにぼやける
――本日、王太子殿下は婚約の破棄を宣言される。高らかな宣告が、王城の大広間に反響した。磨かれた大理石は冷え、天窓からの光は聖堂じみて白かった。けれど、その光は鎖のように重く、私の足首に絡みつく。(知っている。この光景は、前世で読んだ乙女ゲームの断罪イベント―― そして私は、悪役令嬢の役名でここに立っている)「エリカ・ヴァレンティーナ公爵令嬢」玉座前の壇上に立つレオンハルト殿下が、よく通る声で私の名を切り取った。金の髪が揺れ、勝者の微笑みが群衆の期待を照らす。「王家婚約条章・第十二条に基づき、汝は王家の威信を損ね、国益に疑義を生じさせた。ゆえに、ここに婚約を破棄する」ざわ、という群衆の息が、床を這う。聖職者が並ぶ右手側で、枢機卿ヴァルターが細い目をさらに細くし、薄く笑った。左手側では貴婦人たちが扇を揺らし、囁きが矢のように飛ぶ。「殿下、どうかお慈悲を……!」白い聖衣に金の縁取り。偽りの可憐さをまとった“聖女”アリシアが、舞台の台本通りに涙を零す。頬に一筋、完璧な角度の滴。「わたくし、耐えておりました。ですが、エリカ様は……わたくしの祈りを嘲り、侍女たちに命じて――」「聖女を泣かせる者は、神を泣かせる者に等しい」ヴァルターはため息交じりに、しかしよく響く声で言う。「異端は芽のうちに摘むべきですな」「悪役令嬢だって」「やっぱり噂通り」「怖い」――傍聴席のさざめきは、台本通り。前世の私は、こういう場面をページの外から眺めて、登場人物に憤り、そして閉じた本を忘れた。けど今は違う。これはもう、誰かの脚本じゃない。私は一歩、前に出た。裾が光を弾き、足音が静かに広間に落ちる。「王太子殿下。証拠はありますか?」空気が、きゅっと締まる。アリシアは涙の角度を保ったまま私を見る。ヴァルターの扇笑が、わずかに止まった。「……何だと?」レオンハルトの青い瞳が揺れる。「条章第十二条は、“国益に疑義”の認定に、教会証言と貴族院承認を必要とします。証拠は、どちらに?」群衆のざわめきが、一瞬だけ吸い込まれる。(怯えない。もう、怯える役は終わった)「証拠なら、ここに“聖女の涙”がある!」アリシアを庇うように、誰かが叫ぶ。やさしく、しかしあまりに都合のよい台詞。「それは、あなたの物語の小道具でしょう」私は微笑んだ。「法律ではありません」静寂。玉座の