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俺、転生する1

ผู้เขียน: をち。
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-04-16 16:30:00

新しい人生は、剣と魔法のある異世界で始まっていた。

俺は王家に次ぐ権力を持つ筆頭公爵家、ゴールドウィン家の長男として生を受けたのだ。

父は敏腕宰相で現王と幼馴染。黒髪にグレーの瞳というクールで知性的な容貌の美形だ。

高位貴族で人物容姿にも優れた将来有望な父には、適齢期になったとたん釣書が殺到した。父はその頃のことを苦い表情でこう語る。「血で血を洗うような戦いが水面下で行われていた」。想像するだけで恐ろしい。

そんな父が選んだのは公爵家でもなく、侯爵家ですらなかった。サーズ伯爵家の三女、マーゴット。俺の母だ。

母は……こう言っては何だが、貴族社会には珍しい無邪気でおっとりとした女性だ。銀髪に金の瞳という薄い色彩もあり、まるで妖精のように見える。父によれば、母は当時「妖精姫」と呼ばれ、男性からは憧憬を集め女性からは守る対象として慈しみ可愛がられていたという。

父はそんな母の浮世離れした様子に一目ぼれをし、姫を守る騎士となることを自らかってでた。誰よりも近くで母を守り、大切に慈しんだ。そうして母の信頼を得るやいなや、あっという間に婚約の了承を貰い、そのまますぐスピード婚に持ち込んだ。

家格の差を気にする母に対し父はこう言い放ったのだそうだ。「この私に後ろ盾など必要だとでも?」

わが父ながらなかなかのものだ。要するに父は母に惚れこんでいた。

こうして貴族には珍しい恋愛結婚の末に生まれたのがこの俺、アスカ・ゴールドウィンだ。

髪の色と知性を父から、珍しい金色の瞳と美しい容貌を母から受け継いだ。

俺は生まれた時からどこか特別だったそうだ。

赤子なら泣くのが仕事だというのに、よく見えぬ目でじいっと周りを観察していたという。

そして妖精のように可憐な母の腕を拒絶し、父に向かって腕を伸ばした。

父は驚き躊躇いながらもしっかりと俺を抱きしめた。ちなみにこれが父の俺への溺愛が決定した瞬間だ。

拒絶された母はといえば、気にすることもなくおっとりとほほ笑んだという。

「まあまあ。アスカちゃんはお父様が大好きなのねえ。お母様といっしょねえ」と。さすが妖精姫だ。

たまたまかと思われたそれは、物心ついてからも続く。俺はどうしてだか女性が近づくと泣き、拒絶したのである。

それでも拒絶してもそれをおっとりと躱し俺に関わり続けた母のことだけは、受け入れて甘えるようになった。

赤子としてかなり異質だったと思うが、父も母も「この子はこういう子なのだ」とそのままの俺を受け入れて愛してくれた。

ちなみに、愛情を注いでくれたこの両親のお陰で、今世の俺の自己肯定感はかなりなものだったりする。

さて、あまり人を寄せ付けぬ俺のために、すぐに専属の侍女と侍従がつけられた。アリアとセリアという男女の双子だ。

ふたりは特別だった。当時12歳だった彼らは、公爵家のいわゆる「暗部」として育てられた人間で、幼き頃から特殊な訓練を受けていたのだ。従者としての能力はさることながら、暗殺能力にも長け、諜報活動も得意だった。通常ならば何人も使用人や護衛を付けるべきところを、アリアとセリアは2人だけでこなすことができたのだ。

アリアとセリアとの初顔合わせで、俺は両親が拍子抜けするほどあっさりとこの二人を受け入れた。大人しく抱かれ、世話をされることを許したのだ。これは恐らく彼らが暗部だったから。「主人である俺」に忠実であることを無意識に理解していたからなのだろう。

それ以来ずっと彼らは俺の期待通りの働きをしてくれている。彼らは俺を守り世話しただけでなく、俺の能力を早くから見抜き、俺の求めるままに教え込んでくれたのである。

今では俺の側近であり、師匠でもあり、兄と姉のような存在だ。両親以外に唯一信頼している人といってもいい。

幼い頃の俺には前世の記憶はなかった。だが、それでも明らかに普通ではなかった。

俺はすぐにその優秀さを発揮し周りを驚かせることになる。

生後半年で言葉を発し、1歳になるころには普通に話し歩けるようになっていた。

さらには教えもしない魔法を使い、自分で文字を覚えて本を読むようになった。

慌てた父は「アスカには特別な導きが必要だ」とすぐに俺に家庭教師をつけた。

剣術指南役、魔術師、貴族学園を首席卒業したという優秀な教師。父はその権力にものを言わせ、2歳にも満たぬ子に一流の教師をつけたのである。

当初「ものも分からぬ赤子に……。かの公爵様といえど親馬鹿が過ぎますなあ……」と苦笑交じりに訪れた講師は、俺と接してその考えを改めた。

明らかに俺は特別な子だった。俺は一度教えただけですべてを覚え、さらにその先を予測した。いわゆる「一を聞いて十を知る」というやつだ。

教えてもいない魔法を自ら編み出した。かつ、その魔力は尽きることを知らなかった。

絵本を読む年齢でありながら、当たり前のように授業を受け、学術書を読みふける。

「この子は天才では?」「神童です!将来が恐ろしい」彼らは口々にこう父に訴え、筆頭公爵家の長男の優秀さをあちこちで言って回ったのだった。

こういうわけで、5歳になるころには既に俺は有名人だった。

年齢に似合わぬ思考回路に、異常ともいえる飛びぬけた能力。文武両道だ。

「あの優秀な宰相の息子」「妖精姫の息子」という枕詞に「神に愛された子」「神童」「希代の天才」が加わった。

俺は周囲に期待され、両親以外の大人たちから「別格」扱いされて育つ。

でも、両親だけは俺をあくまでも「子供」として扱った。俺の才能・才覚は認めつつも俺の頭を撫で、ことあるごとに抱きしめ、叱り、褒めた。

赤子の頃「親」という存在になぜか訳も分からない嫌悪を抱いていたのが申し訳ないくらい、俺は愛されていた。

正直なところ、この両親でなければ俺はとんでもない子供に育っていただろう。

人を拒絶する俺になんとか友人をつくらせようと、両親は高位貴族の子弟を呼びパーティーを開いた。

が、それもうまくはいかなかった。

そもそも同年代と俺ではまともに会話にならないのだ。彼らの話は俺にとって退屈で、取るに足らぬものに過ぎなかった。

彼らが必死で俺に好かれようとしたり、俺に触れようとしてくるのも不快だった。妙な親しさで俺に纏わりつくのには嫌悪しか湧かない。

どうせこいつらは俺の上っ面しか見ていないのだ。公爵家の息子という地位、血肉の争いを生んだ父と妖精姫と呼ばれた母から引き継いだ恵まれた容姿、神の子と言わしめた知能と才覚……。

それらは俺が努力して得たものではない。なぜだか分からないが、単にそう生まれついたのだ。気が付いたら俺は「こう」だった。ただそれだけ。

そんなものに魅かれて俺に近づく奴らを友人と呼べるはずもない。どうせ簡単に裏切るのだから。

俺は一人が好きだった。

家庭教師に教わる必要も、もうない。幼いころからひたすら書庫の本を読みあさり、俺の知識はかなりのレベルにまで達していた。

それでも両親が家庭教師を呼んでいたのは、きっと人を信じようとしない俺に家族以外と接する機会を与えるためだったのだろう。同年代がダメならせめて……といったところか。

だが当時の俺にそんな親心が分かるはずもない。

俺は「時間の無駄だ」とばかりに、退屈な授業から逃げ出すようになった。

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