แชร์

俺の前世

ผู้เขียน: をち。
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-04-15 12:22:43

俺は女が嫌いだ。

ついでに言えば人間嫌いだし、友達面して近づいてくる奴らも大嫌いだ。

要するに人間が嫌いなのだ。

一人がいい。放っておいて欲しい。

俺がこう思うようになったのには、俺の前世が関係していた。

前世の俺は父と母、姉と俺という4人家族。

お嬢様育ちで、親父が稼いだ金を湯水のように使うだけの母親。その母の影響で弟は好き勝手命令できる存在だと勘違いしているオタクの姉。

俺は、そんな二人に「ねえ、洗濯はまだあ?」だの「コーヒー淹れてよ。熱いのにして!」「ケーキが食べたい。直ぐに買ってきて!」だのと、奴隷のようにこき使われて育った。断れば奴らは「男なんだからそれくらいして当たり前でしょう?男はね、女を守るものなんだから」と二人がかりで俺を責めるのだ。

親父は「海外に単身赴任になった」とさっさと家を出てしまっていたから、俺は馬鹿みたいに「この家で男は俺だけなんだ。父さんの代わりに俺が二人を守らなきゃ」だなんて思って、必死に二人の世話をやいていたのだ。笑えるだろ?

今思えば、女二人によってたかって洗脳された状態だったのかもしれない。

学校でだけは母と姉から解放されて本当の自分でいられた。でも部活には入れず、学校が終わるとまっすぐ家に帰らなきゃいけなかった。

だって、俺が夕飯を作ったり家事をしないと家が回らないのだ。洗濯しなきゃ服は勝手に綺麗にはならないし、食事を作らないとレトルトやカップヌードルばかり食べることになる。それが嫌なら、俺がやるしかなかった。

だから放課後や休みに友人に遊びに誘われても、断るしかない。そんな俺はみんなからしたら少し距離があるように思えたんだろう。友達はたくさんいたが、心を許した親友はできなかった。そんな自分が寂しくてみじめだった。

俺の唯一の楽しみは、夜ひとりで楽しめるゲームやアニメだけだったんだ。

だが中学になると、俺に初めて親友ができた。

そいつの名は阿須那レオン。中学生になるのを機に他の学区から引っ越してきたのだという。

俺がと飛鳥という苗字だから、アスカとアスナで名簿順の席が前後になった。

彼は外国の地が入っているとかで、目が碧かった。おまけに田舎の中学では場違いなほどの美形で、そのせいで皆に少し遠巻きにされていた。みんなちょうど思春期だったから恥ずかしさもありどう接していいのか分からなかったのだろう。

実は、俺も最初は少し苦手だと思った。

だが、話をしてみると彼は王子様みたいな外見のくせに気取らない性格。妙に俺と気が合ったのだ。おまけにレオンもアニメとゲームが好きだった。はまっていたゲームが同じだったことで、あっという間に俺たちは打ち解けた。

放課後レオンから当たり前のように「一緒に遊ぼう」と誘われ「ああ、また」と思った。俺は断らなきゃいけない。そうしたら、きっとレオンも俺から離れていくんだろうな……。せっかくできた友達なのに……。寂しかった。断りたくないなあと思った。

ところが俺が「家事をしなくちゃいけないから帰らなきゃ」というと、彼はあっさりとこう言ったのだ。

「じゃあ、俺がアスカの家に行くよ。それならいいでしょ?俺も家事?手伝うからさ!さっさと終わらせて一緒にゲームしようぜ!」

太陽みたいな笑い顔。

母と姉に怒られるかもと思ったが、レオンと遊びたかった俺は、わずかな期待を胸にレオンを連れて家に帰ったのだった。

家でゴロゴロしていた母と姉は、俺が友人を連れてきたことに驚いていた。だが、二人とも某アイドル似の礼儀正しい美少年が気に入ったようだ。意外なほどに歓迎された。

それからも「レオンくんいつ来るの?」「もっと連れていらっしゃいよ!」というほどになったのだった。

一方のレオンは、俺の家に来て数回ほどで母と姉の異常さに気付いたらしい。

ある日真面目な表情で俺にこう言った。

「なあ。お前んちっておかしい。アスカばっかり一人で頑張ってるじゃん。なんでお母さんもお姉さんも何もしないの?アスカだけがこき使われて言いなりになってるの?」

改めて他人の口から言われてみると、自分がすごくみじめな存在に思えた。そのせいか、俺はぶっきらぼうにまるで言い訳のようなことを口にしてしていた。

「………ほら、うちって親父が単身赴任でいないだろ?男って俺だけだからさ。俺が二人を守んなきゃ」

「それって親の責任だろ?お前は子供なんだからさ。お前の母さんがやるべきことなんじゃないの?」

「…………母さんは……ほら、アレだから…………」

あとは言えなかった。

そんな俺にレオンは不満そうだったが、これ以上どうしようもないと彼も分かっていたのだろう。それ以来何も言わなくなった。ただ黙って俺の家に来て遊んでくれた。

俺の事情ごと俺を受け入れてくれるレオンに俺は懐いた。いつも彼と共にいるようになった。

そしてレオンは、まるで母親の代わりのように俺の世話を焼くようになったのだった。

高校に上がると、中学とはうって変わってレオンの人気が爆発した。

バスケ部の期待の新人で、アイドルのように恵まれた容姿。頭も良くて学年トップ。これで人気が出ないわけがないのだ。

レオンはしょっちゅう女子に呼び出され、告白されるようになる。

ところがレオン本人は、相変わらず俺にべったり。中学からの延長で、朝は俺の家に迎えに来て、帰りは部活が終わると俺の家に寄って俺が作った飯を食う。

「たまには自分の家で食えよ」といいたくもなるが、「飯のお礼に」と家事を手伝ってくれる上に緩衝材としてうまく母と姉の機嫌をとってくれるので、何もいえない。

で、食事の後は俺とゲームをして一緒に宿題をして帰っていく、というのがいつものパターンだった。

これが出会ったときからずっと変わらない俺たちの習慣だったが、高校に上がるとそれが問題になった。俺たちがあまりにも一緒にいるせいで、レオンに振られた女子が「あの二人おかしいでしょ」「アスカくんが阿須那くんを束縛しているのでは?」「阿須那君は優しいからアスカ君のことが見捨てられないんだ」などと言い出したのだ。

その噂は一気に広がり、俺は女子から嫌がらせをされたり悪評をたてられたりするようになった。

レオンが席を外したすきに「阿須那くんから離れなさいよ!いいかげん解放してあげたら?」と罵られたり、ノートや教科書を隠されたり。ありとあらゆる嫌がらせを仕掛けてくる。

うんざりした俺はレオンに「学校では少し距離を置こうぜ」と提案した。でも、それにレオンが納得しなかった。曰く「関係ない奴らのために何で俺たちが離れなきゃなんないの?」だそうだ。

代わりにレオンは「アスカは俺の大事な人なんだ。俺が好きでアスカと居る。俺はアスカと離れるつもりはないから!」とみんなに向かって宣言した。だが……これは悪手だった。

「男のくせにレオンのお気に入り」なのだと妬まれ、俺は女子連中からさらに嫌がらせされるようになったのだった。

そうなるともう俺には苦痛しかない。いくらレオンが庇ってくれても、限界がある。

家では母と姉が俺を召使扱いし、学校ではクラスの女子や見ず知らずの女子が俺に悪意を向けて来る。

心休まるときがなく、俺は疲れ切っていた。

学校は、母や姉の横やりがなく俺が俺でいられる唯一の場所だったのに。それすら失ってしまった。

レオンが俺を庇えば庇うほど女子の俺への当たりは強くなる。おまけに男にまで俺は避けられるようになった。過敏になったレオンが周りを威嚇するからだ。

俺の周りから人がいなくなるのと反比例するように、レオンは「アスカは俺が守る」と俺にくっついて離れなくなった。そのせいで周りのヘイトがなぜか全て俺に向かうようになる。

どうして俺が恨まれなきゃいけないんだ?憎まれなきゃいけないんだ?レオンがほんの少し俺との距離を考えてくれれば済む話だろう?どうしてレオンは俺から離れてくれない?

別に友人をやめろと言っているわけじゃない。家に来るなというわけじゃない。人前では過剰なスキンシップを控えろと言っているだけなのだ。普通にして欲しいだけなのだ。

ここから俺とレオンの関係はおかしくなっていく。俺がレオンと距離を置こうとすればするほど、レオンは俺を束縛するようになる。

レオンには、俺と離れるつもりはなかった。彼は常に俺を側に置きたがり、俺の周りから彼以外の人を排除するようになっていった。

気が抜ける場所がない。俺は、心底ひとりになりたかった。

進学先を選ぶとき、レオンは当たり前のように俺にこう言った。

「大学進学は遠くにしようかな。アスカはさっさと家を出たほうがいいだろう?俺、上京するから、お前も一緒に上京したらいい。それで一緒に住もう?そうすれば家賃だって節約できるだろう?学費は親父さんが出すとして、食費くらいならバイトで何とかなるとおもうぞ?親父さんに相談してみろよ」

そうすれば俺は学校でも家でも一日中レオンに束縛されることになる。ゾッとした。そのどこに俺の自由があるというんだ?

だが皮肉なことにこのレオンの言葉が俺の希望になった。「大学進学を期に家を出る」という部分だ。何もかもを捨てて家を出る。その先に俺の幸せがある気がしたのだ。

俺はレオンと同じ大学も受験する一方で、寮がある地方の大学をこっそりと受けた。

これを逃せばチャンスはない。

家事をしながら必死に勉強し、無事に希望の大学に合格した。

母と姉、レオンに気付かれぬよう、こっそりと寮に入る準備を進めた。

父親が協力してくれたのが幸いだった。俺を母と姉の人身御供にしているという自覚があったのかもしれない。

ついに家を出るその日。

心労と無理のたたった俺は、疲れのあまり歩道橋の上でふらついた。

そして一気に階段から転げ落ち……頭を打って死んだ。

遠のく意識の中で、これまでの人生と神を呪いながら……。

こうして俺は悪役令息カイト・ゴールドウィンに転生した。

俺が人間嫌いな理由が分かっただろう?

前世の俺の周りにはろくな奴が居なかった。

俺は母と姉に搾取され、振り回され続けた。

信じた親友は俺を束縛するようになった。

そいつのせいで俺は女子から嫌がらせをされ、男子には避けられ、学校という唯一の居場所を失った。

だから今度は俺はひとりで生きる。

誰の言うことも聞かないで俺のためだけに生きる。

地位と能力を活かして好き勝手に振る舞い、やりたいことをするのだ。

俺はそれを前世頑張った分の正当な権利だと思っている。

อ่านหนังสือเล่มนี้ต่อได้ฟรี
สแกนรหัสเพื่อดาวน์โหลดแอป

บทล่าสุด

  • 悪役令息に転生した俺は、悪役としての花道を行く…はずだったのに話が違うぞ⁈   王家に

    正直この俺ですら「俺に釣り合うのがレオンくらいだから」と想いはしても、まさか単に「息子に友達を作ってやる」だけのために王家の打診を利用して婚約させたとは思いもよらなかった。父上は俺が思う以上に親バカだったようだ。「父上、王には何と申し出るおつもりですか?」「ん?聞いただろう?先ほどの約束があるからな。お前が言った通りで問題なかろう。こんなところだな。『婚約を解消し、友人であり臣下としてレオンハルト殿下を支えていきたいと息子は望んでおります。王妃となれば容易く動くこと叶いません。いつでも動ける懐刀として、忠実なる臣下として、殿下を支えていきたいのだと。また、息子の魔力は王国屈指。既にこの私をも超えております。王より強い光を放つものを王の隣に置くべきではありませぬ。こう申してはなんですが……その光が他を惑わす可能性もありますゆえ。これ以上我が家門が力を増せば、国に予定な軋轢を生みかねませぬ。息子に関しては、臣下としておくのが妥当かと』これで異論があるようなら先ほどの録音を出してやればいい。反逆者をあぶり出して王家の敵を一掃してやったばかりだ。王も我が公爵家を敵に回すようなことはしたくなかろう。世間には『殿下の命を護り反逆者をあぶり出すための婚約だった。役目を見事果たし、婚約解消となった』とでも言い訳すればよい。いいタイミングだったな、アスカ。アスナもよくやった」ここで父上はニヤリと笑って片目を瞑って見せた。「婚約解消と同時に、今まで隠されていた本当の婚約者としてアスナの名を出せばいい。だろう?」「な、な、な……!」やられた!まさかアスナの前で言い出すとは!思わず言葉を失う俺に対し、アスナが爆笑。「あっはっはっはっは!スゲエなオッサン!」思わず叫んだとたん父上がアスナをはたいた。「誰がオッサンだ!わきまえろと教えただろう!」「失礼いたしました、侯爵様!しかし……念のため再度確認させて頂きますが、私は人に見えても人ではありませんよ?私は従魔。この身体もアスカの魔力と私の力で練り上げたもの。本来は実体のない精霊のような存在です。理解されておりますか?」アスナの瞳がすうっと細くなる。普段は抑えている元来の力の片鱗を会えて解放して見せるアスナ。並みの人間ならば気分を悪くするか、倒れてしまうだろう。人とは異なる魔力。だが父上は平然

  • 悪役令息に転生した俺は、悪役としての花道を行く…はずだったのに話が違うぞ⁈   公爵家、動く

    父上にエリオットとレオンの噂を報告すれば、やはり既に父上はそれを知っていた。そのうえで俺がどう動くか静観していたようだ。アスナにした話と同じことを伝えれば……「……ふ……っ、ふははははは!そうきたかアスカ!うん!いいな。合格だ!攻撃される前にこちらから攻める。さすがは我が息子!最高だ、アスカ!」父上は引き出しから小さな魔道具を取り出した。俺とアスナの前にかかげ、悪戯っぽい表情で唇の端を上げる。「これは、音声を録音できる魔道具だ。10年前、私は王国からの婚約の申し出を受けた。だがな、ただ単に受け入れただけではないのだ。これはその際の音声になる」再生したとたん、手のひらに乗るような小さな箱から、少しのざわめきと父上の声が流れてきた。『申し訳ございませぬ。ここより、私の言葉を証拠として記録させて頂きます。将来息子に聞かせる機会がくるやもしれませぬゆえ、どうかお許しを。いいでしょう。婚約のお申し出をお受けしましょう。息子は少し……年齢にしては大人びておりましてな。同じ年頃に話の合う相手がおらぬのです。殿下は年齢に似合わぬ賢さをお持ちだ。殿下ならば息子の心を開いてくださるかもしれません。しかし、不敬ではございますが条件がございます。敢えて申し上げます。この婚約により受ける恩恵は、元より我が公爵家には不要なもの。私がこのお申し出をお受けするのは地位や名誉のためではございませぬ。あくまでも我が息子の為。なれば、最終的には息子の意志に任せたいと存じます。婚姻前に息子より婚約解消の申し出があれば、婚約は解消となる。この条件でよろしければ婚約をお受けいたしましょう』『……王家の婚約の打診にたいして、そなたの方が条件をつけるか』『これも国を思えばこそ。息子の魔力は既に私を超えております。成長すれば他の追随を許さぬ力を有することでしょう。そのような息子を御せるものがおりましょうか。未来のことはわかりませぬ。万が一にも息子の反意を王家に向けるようなことになってはなりませぬゆえ……』『………分かった。致し方あるまい。その条件を飲もう。ここに誓おう。我が息子レオン・オルブライトとアスカ・ゴールドウィンの婚約の婚約は、婚姻前にアスカ本人が希望すれば解消することを認める。これでよいか?』『ありがとうございます。このゴールドウィン、心からの忠誠を陛下

  • 悪役令息に転生した俺は、悪役としての花道を行く…はずだったのに話が違うぞ⁈   噂の払拭

    「どういう意味だ?」そうするのは簡単だが、その後が面倒だろう?一応これでも貴族の一員。それなりの配慮は必要だ。何しろゲームのアスカは俺と同じスペックでも断罪されたのだから。俺がいかに強くとも、俺には家族という守りたいものがある。父上も母上も十分強いが、だからと言って俺のわがままから家族や家を巻き込むわけにはいかない。有象無象といえど集団の力となれば侮れないからな。要するに、国家というものの力を舐めてはならないということだ。「敵に回さなきゃいいんだろ?こっちから協力してやればいい。つまり、逆の噂を流すんだ」「どんな?レオンとエリオットの噂に対抗する噂、かつ王家を敵に回さぬもの……。つまり、『レオンがエリオットに好意をもっているのではと気付いた俺が、自ら身を引く』というものか?婚約解消を望むのだから結果的に同じことではある。が。俺ではなくエリオットが選ばれたから、というのが許しがたい。普通に考えてみろ。俺はエリオットに劣るか?」要するにプライドの問題だ。案の定アスナも「えー?ここでそれ持ち出しちゃうのか?」と呆れた顔をした。「黙れ。お前にすれば、たかがプライドかもしれない。だが、ハッキリ言うぞ?俺からこの自負を捨てたら何が残る?この誇りこそが今の俺を形作るものなんだぞ?前世の俺はいつも周りを優先して生きていた。だが、俺はもう決めたんだ。俺は俺のためだけに生きる。そのために元からのスペックだけじゃなく、努力して他に負けないだけの力を手に入れた。これでも鍛錬は欠かしたことがないんだぞ?知っているだろう?」「……ああ。知ってる。お前の能力は元からあるものだけじゃない。お前の努力により手に入れたものだ」「そのうえで聞くぞ?俺はエリオットに劣るか?」アスナは首の後ろに手をあててコキリと首を慣らすと、ため息をついた。これは負けを認めた時のアスナの癖だ。案の定、アスナは折れた。「……すまん。無理があったな。レオンがお前よりエリオットに惚れるという設定自体が間違いだった」「ならばどうすればいい?」「さっさと婚約解消をごり押しする。それしかねえな」「俺もそう思う。では、父上にこう願い出よう。『婚約を解消し、友人であり臣下としてレオンハルト殿下を支えていきたい所存。王妃となれば容易く動くこと叶いませぬ。私は強い。私の力をただいたずらに眠ら

  • 悪役令息に転生した俺は、悪役としての花道を行く…はずだったのに話が違うぞ⁈   数か月後2

    そんな俺たちの様子は周囲に好意的に受け止められた。俺とアスナは家族であり従者だし、俺とレオンは(一応)婚約者。つまり俺とアスナとレオンは共にいても不思議ではない。当初俺が一方的にレオンを避けてることはよく知られていたので「何故急に仲良くなったんだ?」という疑問はあったのだろうが、婚約者としては今よりももっと親しいくらいが本来あるべき姿なのだ。そのため、周囲の反応としては「ようやく打ち解けられたか」「レオンハルト殿下、良かったですね」というものだった。だが例外はエリオットだ。アスナが転校生であるエリオットの案内役に名乗りを上げた。それはいい。外面のいいアスナは「面倒見のいい人気者」の地位を確立している。だがそこに俺も加わるとなると、話は別。エリオットに関しては、初対面の際に俺としては割と好意的な態度を見せていた。しかし、だからといってレオンまでエリオットを受け入れるとは思っていなかったに違いない。エリオットとレオンはおかしなところで意気投合してしまっていた。そう「アスナが気に食わない者同士」という点で。「確かにアスカは君を選んだ。だが、あくまでも君はまだ従者なのだ。プライベートはともかく、学園ではわきまえるべきなのではないか?」「ですよねえ!僕もそう思います!学生とはいえ、社交の場でもあるのですから」「はあ?従者だが、アスナの横でアスカを護れるようにと、ゴールドウィンの籍に入ってるんだdぜ?そこんとこ理解してる?てか、負け犬が何を言ってもむなしいだけだぞ?」「はあああ?!負けてませんし!そもそも、アンタの存在自体、認めたわけじゃありませんから!」「エリオット、わきまえろ。アスナは俺の犬だ。つまりアスナを否定することは俺を否定することだと思え。お前は可愛いペットだが、あくまでもアスナの下だからな」俺の言葉にエリオットが複雑な表情になった。「はいはい。分かっておりますってばあ!……アスカ様、取り繕わなくなりましたよね。いえ、悪い意味じゃなくて!最初お会いした時の『私』っていうアスカ様より、僕、こっちのアスカ様の方が好きです!僕の知るアスカ様とはだいぶ違いますけど」「ふふふ。確かに。言葉遣いは乱暴だが、私も今のアスカの方が親しみを感じるな」レオンまでそれに同意する。確かに普段の俺の自称は「私」だが、本来は「俺」だ。こちらでは

  • 悪役令息に転生した俺は、悪役としての花道を行く…はずだったのに話が違うぞ⁈   数か月後

    あれから数か月。レオンとの婚約は形だけ継続。新たにレオンの婚約者候補が見つかり次第、解消に向けて動くこととなった。変わったことと言えば……「アスカ様。いらしておりますよ?」「ああ、今行くと伝えてくれ」そう。ランチをレオンとエリオット、アスナ、俺でとるようになったことだ。あの後、事後処理の説明を兼ねてなんどか共に昼食をとるうち、いつの間にかこうなっていた。レオンが毎回俺たちのクラスまでやってくる。そして4人揃ってあの「レオン専用の部屋」に行けば、レオンが王級から持参したスペシャルなランチが並んでいる。当初はそれぞれランチを持参していたのだが「同じものを食べ親睦を深めたい」とレオンが主張し、メインをレオンが、デザートを俺が、茶をエリオットが持ち寄ることで落ち着いた。本日のデザートはチーズケーキとプリンだ。ちなみにチーズケーキは昨晩アスナが焼いた。あれからこれといった事件もなく、暇を持て余したアスナがついに料理にまで手を出し始めたのだ。手始めに「アスカが好きなデザートから」というので、今は毎日チーズケーキづくりに余念がない。最初は単に混ぜて固めただけのレアチーズケーキだったのだが、今はチーズスフレ、バスクチーズケーキと多種多様なものを作れるようになった。ローストビーフの入った豪華サンドイッチをぺろりと平らげ、もそもそとチーズケーキをつつきながら、エリオットがぼやく。「ねえ、アスナ様あ。なんで毎日チーズケーキなんですか?確かに美味しいですけど!もっと他にあるでしょ?」「は?昨日はチーズタルトだろ?今日のはバスクチーズケーキ。全然違うだろうが。こっちの方が難しいんだぜ?」憮然とした表情でむくれるアスナが、「嫌なら食うなよ」とエリオットのフォークを取り上げた。「ああっ!嫌だなんて言ってないでしょっ」と慌ててフォークを奪い返すエリオット。「そうじゃなくって、チーズというジャンルを攻めなくてもいいんじゃないか、って言ってるんです。桃のタルトとか、アップルパイとか、タルトタタンとか、色々あるでしょ?」「ああ、アスカがチーズ好きなんだよ」「え?アスカ様、チーズがお好きなのですか?」「ああ。デザートだけじゃなくチーズ自体も好きだ。トマトとモッツァレラのサラダはいくらでも食える。チーズを使った料理も好きだぞ?子羊に香草とチーズをのせて焼いたも

  • 悪役令息に転生した俺は、悪役としての花道を行く…はずだったのに話が違うぞ⁈   平和な日常

    こうして俺たちに平和な日常が戻ってきた。エリオットは正式に侯爵家を継ぎ、若干15歳にして侯爵家当主となった。だ、当然ながらまだ領地経営なんて分かるはずもなく。しばらくは俺の父上が当主代理として領地を治め、徐々にエリオットに移行していくこととなる。とりあえず片腕であるジェームズをクレインに派遣し、侯爵家の問題点を洗い出すよう頼んだ。うちの使用人も何人かむこうにやって「邸の者全員を躾け直す」と言っていた。まあ、父上が「問題ない」というのなら問題なかろう。婚約解消については既に父上に報告済みだ。王家との婚約解消なのだから、少しは渋るかと思いきや、あっさりと受け入れられた。むしろ拍子抜けなほどに。「まあ、もともとがお前の意志を無視して結んだものだ。こうなることは覚悟していた。……お前と対等に話せるのは、レオンハルト殿下くらいだと思ったのだ。こうでもせねば、お前は人と関りを持とうとはしなかったであろうからな。殿下はお前のよき友となるだろう。荒療治ではあったが……結果的には悪くなかったろう?」そうか。最初からこうなることも織り込み済みだった、ということか。確かに、婚約者にならなければレオンと関りを持つことは無かった。避けて避けて避けまくったまま、レオンと俺の線は交わることなく終わっただろう。そうなっていたら、こうしてアスナと巡り合うこともなかったのかもしれない。「父上にはかないませんね。確かに仰る通りです。まさかこうなるとは思っておりませんでしたが……。私はレオンが嫌いではありません。婚約者でなく友としてなら、レオンは合格だ。むしろ得難い友だと思っておりますよ」「やはり相性は良かっただろう?」とニヤリと笑う父上。最強と言われる俺だが、いくつになろうとこの人には敵う気がしない。単純に魔力の多さ、という点なら俺が勝つだろう。しかし父上にはそれ以上のものがある。人間としての器がけた違いなのだ。その証拠に、平然とこんなことまで言い出した。「従魔だろうがなんだろうが、戸籍なんぞどうとでもなる。アスナをジェームズの養子としてゴールドウィンから一旦出すこともできるぞ?そうすればアスナも婚姻可能。その時には相談するように。アスカを手放さずに済むし、こちらとしては大歓迎だ」全く!この人はどこまで知っているのだ?得体の知れない存在すら平

บทอื่นๆ
สำรวจและอ่านนวนิยายดีๆ ได้ฟรี
เข้าถึงนวนิยายดีๆ จำนวนมากได้ฟรีบนแอป GoodNovel ดาวน์โหลดหนังสือที่คุณชอบและอ่านได้ทุกที่ทุกเวลา
อ่านหนังสือฟรีบนแอป
สแกนรหัสเพื่ออ่านบนแอป
DMCA.com Protection Status