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3.目覚めのキスと碧い瞳の王子様

مؤلف: 中道 舞夜
last update آخر تحديث: 2025-06-04 10:26:35

(ここは……どこ?)

うっすらと目を開けると、金髪の男性たちが馬に乗り私を見ている。しかし、普段目にしている馬とは違い、男性たちが乗っている馬は白く太陽の光に照らされ輝いていた。

身体を起こされ抱きかかえられ、何か喋りかけているが言葉が分からない。彼らの視線から心配している様子が窺える。首を横に振り、私は気が遠のいて視界はまた真っ暗になった。

「ん……」

目が覚めると私は部屋のベッドで横になっていた。繊細な装飾が施されたベッドの柱やふかふかで真っ白な布団は上級階級者が使用するような質のいい物が使われている。

(え!?)

布団をめくると、一糸まとわぬ姿の自分がいる。林を彷徨い汚れを取るために履き物を脱いだが服は着ていたはずだ。

慌てて毛布で身体を隠して辺りを見渡すと女性が3人遠くに見えた。そのうちの一人が私が目を覚ましたことに気が付き近寄ってくる。恐怖で身構えたが、彼女は笑顔だった。何か話しかけてくるが、やはり言葉が分からない。

先程の金髪の男性といい、部屋にいた女性も、金やブロンズの髪に目鼻立ちはハッキリした顔立ちで日本人には到底思えない。見た目と言葉の違いにここが日本ではないことを察した。

コンコンーー

部屋をノックする音がするので振り向くと、先ほど助けてくれた男性の一人がこちらに近づいてきた。見知らぬ土地、見知らぬ屋敷で衣服をまとっていない状態に身体は怯え小さく丸まりながらも、威嚇をした。

しかし、男性は「心配することはない」という顔で話しかけてくる。言葉が分からず困った顔をしていると、男性は何かを察したようにベッドの縁に座り、髪を撫でながらおでこにキスをしてきた。

「きゃっ……」

幸助さんには唇どころかおでこさえ触れてこなかったので初めて男性からキスをされて動揺して背中から全身がピクンと跳ねた。

「どう?これで言葉が分かるかな?」

先程までは何を言っているかサッパリ分からなかった言葉を理解できるようになっていた。

(なんで?さっきまで何を言っているか全然分からなかったのに言葉が分かる!)

「ビックリさせてごめんね。こうするしか言葉を理解できる方法がなくて。」

理解できずに茫然としている私に男性は続けて話してくる。

「私はサラリオ。混乱しているよね。心配しなくても大丈夫。怖い思いはさせないよ。順を追って話そう。」

サラリオという男性はそう言って私を安心させようとする。その声や表情は優しくて悪人には見えない。しかし、信用していいかはまだ分からないため先程よりも毛布をギュッと握り身体を小さく丸めた。身体は震え恐怖に支配されていた。

「コホンッ」

サラリオが小さく咳払いをしてからメイドの女性に目を向ける。

「その前にその姿では話を聞けないね。メル、彼女に服を用意してやってくれ。」

「かしこまりました、サラリオ様」

サラリオが部屋を後にすると、先程、私が目を覚ましたことに気がつき駆け寄ってくれたメルという女性がにこやかに返事をする。

「お怪我はありませんか?お身体が汚れていたのでふき取らせて頂きました。服も汚れてしまったので新しい物を用意しますね。」

メルはこの屋敷の使用人なのだろうか、先程のサラリオとは主従関係のように見える。サラリオは身分が上の者なのだろうか。ここの人たちはみなにこやかで、怖い感じはしないが何があるか分からない。慎重に行動せねばと私はまだ警戒心を持ちながら状況を必死で把握しようとしていた。

中道 舞夜

愛されなかった武士の娘が寵愛の国へ転身~王子たちの溺愛が止まらない~ 尽くす側から尽くされる側へ、そして転生は偶然ではなかった? 毎日22:22に更新中!気に入って頂けたら本棚登録してもらえると嬉しいです。

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