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愛には、いつも時差があった
愛には、いつも時差があった
作者: 瑶影

第1話

作者: 瑶影
家が倒産した後、周りの人々は皆、別人の顔になった。

博士課程の合格通知書を受け取った時、榊司(さかき つかさ)と安藤硯(あんどう けん)は依然として星が月をまわるように、桜井咲子(さくらい さきこ)を囲んでいた。

私は静かに荷物をまとめ、彼らの嘲笑と皮肉に平静に向き合った。

あと一ヶ月だ、と心で呟いた。

一か月後には、私は永遠に彼らから離れ、二度と戻らない。

──

父の葬儀の日、博士課程の合格通知書が届いた。

これでやっと解放されるという思いが頭の中を掠めた。

桜井が途中で真紅のドレスで現れ、白黒の霊堂に不協和音を放った。

「ここはあなたを歓迎しない。出ていきなさい」

私は彼女の前に冷たく立ちはだかり、父に最後の尊厳を留めようとした。

確かに、父は成金の炭鉱業者で、桜井のような旧家とは違う。

子供の頃から、私は桜井と相容れなかった。

家が倒産してから、私を嘲笑う声はますます酷くなった。

中には、ずっと私をいじめ続けてきた桜井もいた。

彼女は瞬時に涙目になった。

「ごめんなさい恵(めぐみ)ちゃん、本当にお悔やみを言いに来ただけなの」

そう言いながら、彼女はそばに近寄り、形だけのハグをしてくる。

第三者から見れば、私たちはさながら仲良し姉妹だろう。

だが彼女が囁いた言葉だけは、私だけが知っている。

「だって、あなたたちの散株を買い集めて、お父さんを追い詰めたのは私だもの」

嘲笑的な微笑みを浮かべ、私は思わず彼女を押しのけた。

次の瞬間、弟の硯が駆け寄ってきた。

しかし私を守るためではない。

「姉さん、どうしたんだ?咲子さんを押すなんて」

桜井は俯き加減に、硯に支えられて立ち直る。

弟の目を見つめ、まるで他人を見ているような感じだった。

あんなに親密だったのに。

桜井に好意を抱いてから、彼の心の天秤は次第に桜井のほうに傾いていった。

「分からないの?葬儀に真紅のドレスで来ることが、父や私たちへの軽蔑だよ!

彼女が私たちの家を倒産させ、父を死に追いやった張本人で、私たちの仇なのよ!」

私は硯に向かって絶叫した。

背後に立つ人物すら気づいていない。

「司……」

桜井の呼び声で、ようやく振り返る。

榊の嫌悪に満ちた視線とぶつかった。

かつての恋人だった彼は、私のことを世界一可愛いと言ってくれたけど。

これまでにないほどはっきりと悟った。彼は一度も私を愛していなかったんだ。

この男はうちが倒産してからすぐに別れを切り出し、その上今はこうして軽蔑の眼差しを向けているんだから。

私は顔を上げ、必死に涙を隠した。

「咲子は優しい子なのに、君はいつも極悪人のように彼女を言うんだね」

榊は桜井を背後に庇った。

硯も警戒の眼差しで、私が桜井に危害を加えないか監視している。

彼らと対峙する私の肩は痩せ細り、常に一人だった。

「ごめんなさい、今日の服装にもっと配慮をすべきだったわ」

硯と榊の視界から外れた角度で、桜井の唇が静かに嘲笑を浮かべた。

彼女とは対照的に、私の攻撃的な態度はさらに嫌悪感を買うようになった。

硯は私を見て眉をひそめた。まるで姉である私に千の欠点があり、満足されるところが一つもなかったかのように。

胸が締め付けられるように痛む。

榊が桜井を連れて去る際、残した言葉はただ一つ。

「安藤、君はいつもこうやって攻撃的だ。咲子のように、もう少し上品に振る舞えないのか?」

元カレは、私が場違いな存在だと切り捨てた。

私は驚きとともに笑い出した。

脳内の張り詰めた弦がふっと切れた。

もういい。

心で自分に言い聞かせる。

どうせ一ヶ月後には海を越え、世界最高峰の大学で新生活を始めるのだ。

もうこれらの人々とは永遠に縁が切れる。

だから今更争う意味などない。

スマホのカレンダーにカウントダウンを設定し、ふと気付けば心は湖水のように冷めていた。

残り三十日。

父さん、私はここを離れて、永遠に戻らないと。

霊堂で、父の巨大な白黒写真に向かい、心で誓った。
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