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146.決着

last update Last Updated: 2026-01-02 18:03:27

颯side

翌日、璃子が祖父である社長に「大事な話がある」と連絡を入れた。祐実さんが見つかったことは既に報告済みだったこともあり、その日の夜、会うことになった。

業務時間が終わり、社員たちが足早に帰路に就くのを見計らって、俺と璃子は時間差で社長室へと向かい、扉を開けるとデスクの奥で社長が険しい表情を崩さぬまま、僕たちを待ち構えていた。

「祐実さんが見つかったそうだな。今朝、本人から謝罪の電話が入った。二年間も行方をくらまして、一体何をしていたんだ」

皮肉と溜め息が混じったような声で吐露している。

「それはまだ分かっていないの。私もお母さんと再会できたけれど、混乱していてまだ深い話はできていなくて……」

「なんだ。今日、話があると言ったのはそのことじゃないのか?」

社長の鋭い視線が璃子を射抜く。璃子は一瞬だけ息を呑んだが、すぐに背筋を伸ばして迷いのない声で告げた。

「違うわ。私と松田さんのことよ。……私、松田さんとは結婚できない。松田さんにも伝えて、正式に婚約を破棄することにしたの」

「なんだと? 何を勝手に決めているんだ! 今さら婚約をやめるだと? どういうつもりなんだ、理由をしっかり聞かせてもらおうか」

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