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54.嫉妬

last update Last Updated: 2025-11-13 20:03:20

颯side

璃子は、出鼻をくじかれたように悔しそうに、ひきつった笑顔を見せてから列の最後尾に向かって歩いていく。俺は、璃子について後ろをついて行ったが、通り過ぎてからもう一度佐奈のことを見ようとすると隣にいた男と目があった。

男は笑っているが、その瞳は鋭く「佐奈に近付くな」と俺に対して威嚇しているようだった。その表情は、余裕と自信に満ちていて俺の心を深く苛んだ。

「なんなの、あの人。友人がバイオリン奏者?自慢しているの?」

自分から仕掛けた自慢話よりも超える話を被せられて、璃子は不機嫌になってブツブツ文句を言っている。玲央は、璃子のことをよく笑う感情豊かな子だと言っていたが、俺にはそんな璃子が一切想像できなかった。

「友人とか言ってるけど、バイオリン奏者なんて簡単になれるものじゃないんだから。プロになるのは、小さい頃から英才教育を受けているような裕福な家の出身の人ばかりよ。そんな人と知り合えるほど自分も裕福だって言いたいわけ?きっと見栄を張っているだけだわ。」

璃子の言葉に、俺はこの前佐奈と会ったときの事を思い出していた。佐奈は、綺麗にコーティングされた白いSUV車の助手席から降りてきて俺と話をしたが、素っ気なくその場を去って行った。佐奈の背中を追いながら、降りてきた車のポルシェのロゴが痛烈に頭に残っている。

(俺たちと同世代くらいでポルシェに乗っていて、バイオリン奏者と友人?あの男は、何をしているんだ?それに、佐奈はどうやってそんな男と知り合ったんだ?一体いつから

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