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2.宴

مؤلف: 月山 歩
last update تاريخ النشر: 2025-01-24 16:11:01

「マリアナ様、今日は南の王国から、遊学中のロアルド王子が立ち寄るそうで、後ほど歓迎の晩餐会が開かれるそうです。気分転換に出席されては、いかがですか?

マリアナ様は、最近ではこの居室に閉じこもってばかりですし。それに、晩餐会では、フレデリク王ともお話できるかもしれませんよ。」

 メイベルは、塞ぎ気味の私を心配して、何とか気落ちしている状態から、回復させようと提案してくれている。

「そうなの?最近は体調が思わしくないし、気分が沈んでいて、ずっと部屋に閉じこもってしまっていたわね。晩餐会には参加しようかしら。」

「はい、それがよろしいかと思います。出席の返事をしておきますね。」

「よろしくね。」

 私が晩餐会に出ると返事をしたことで、メイベルは早速着ていくドレスなどを準備し始める。

 私はフレデリク様が寝室に来てくださらないので、彼と顔を合わせることなく、いくにちも過ごして来た。

 大きな王国を治めるフレデリク様は、日々忙しく、昼間は側近や大臣に囲まれているため、私が割り込んで話すことはできないだろうと思い、夜、寝室で彼を待つ日々が続いていたから。

 彼が寝室に来てくれなければ、私達にお話する時間などない。

 私はフレデリク様と話せる機会があるかもと期待して、晩餐会に出席した。

「あら、最近見かけない方がいらしたわね。」

 第一側妃のアデラ妃が、会場に足を運んだ私に声をかける。その声に、歓談中の皆の視線が私に集まる。

「皆様、ご機嫌よう。」

 私は注目されても、何食わぬ顔で部屋を見渡す。フレデリク様と目を合わせようとするが、彼だけはこちらを見てくれはしない。

 彼と話したくて、怠い身体を奮い立たせ、ドレスを着たり、髪を整えてもらったりしてここまで来たのに、彼に見てもらえなければ、私の努力は意味を持たない。

 今日の晩餐会は、大きなテーブルを皆で囲むスタイルのお食事のようで、案内されたのは、フレデリク様から最も遠い席だった。

 フレデリク様の両脇には、先に側妃になったアデラ妃とラモーナ妃がすでに着席しており、その周りに大臣達も並んでいる。

 私が彼と話そうとしても、数人越しに大声を出さなければならず、これでは彼と会話ができないと、諦めざるを得ない。

 それでも私は妃の一人であるから、遊学中のロアルド王子の隣に座ることになった。

「マリアナ妃様、初めまして。今宵、一緒にお食事をご一緒できて、光栄に思います。」

「こちらこそ、初めまして。ロアルド王子様。」

 ロアルド王子は親しみ易い爽やかな笑顔を浮かべる青年だった。

 席順を誰が決めたのかはわからないが、これでは明らかに私はロアルド王子と話すようにと、指示されたも同然である。

「こちらの王国はとても広いうえに、王都も賑やかで、とても勉強になります。」

「それは、良かったですわ。遊学中と伺いましたが、特にどの分野を学んでいらっしゃいますか?」

「僕は自国をこの王国のように繁栄させたいので、王国の運営について学んでいます。」

「それは、素晴らしいですね。私の出身はコーネル王国で、こちらよりもずっと小さな国です。

 あなたのように、この王国から少しでも学んで、コーネル王国のために役立てようとは、考えたことはありませんでした。今更ですが、私もできることを学んでみようかしら?」

「マリアナ妃様は、すでにフレデリク王と結婚することで、コーネル王国に貢献しているではないですか。僕はそれも素晴らしいことだと、思いますよ。」

「ありがとうございます。でも、私はそれだけではダメだと思うんです。」

 こちらに嫁いでから、私がコーネル王国のためにしたことは、この王国から金銭の援助を得たことと、この王国の強さからもたらされる周辺諸国への牽制だけだ。

 私は自分のことばかり考えていて、もっとロアルド王子のようにすることもできたのに、私は何をしているのだろう。

 私は今の無力な自分が辛くなる。

「それでしたら、一緒に王国の運営について学びませんか?」

「そうね。そうしようかしら。」

 私はこの王国に嫁いで来て、フレデリク様との愛に夢中になり浮かれていたため、コーネル王国の発展について一切考えて来なかった。

 しかし、皮肉にもフレデリク様の愛を失った今、ようやく周囲に目を向けようという気持ちが湧いてきた。

 コーネル王国では、家族が国を栄えさせようと日々尽力している。

 せっかく、広大で豊かなスタンレー王国にいるのだから、少しでもコーネル王国に貢献することができるように、私もここでどのようにするべきか学びたい。

 お腹に子供がいるから、少しずつにはなってしまうだろうけれど。

「マリアナ妃様、僕は今後、時々こちらに寄らせていただくことになりそうです。その際、マリアナ妃様のご都合が良い時に、王国の発展の仕方についてお話しませんか?」

「それはいいわね。ぜひ声をかけてください。都合が合えばご一緒したいです。」

 一人ではどうすればいいのか分からず、途方に暮れてしまうだろうけれど、同じ志を持ったロアルド王子を見習えば、見えてくるものがあるかもしれない。

 最近塞ぎがちな私は、彼の穏やかな笑みに安堵感を覚える。知らずに私も彼に笑みを返していた。

 私の席からは、遠いけれどアデラ妃とラモーナ妃に囲まれたフレデリク様が、楽しそうに話しているのが見える。

 メイベルが言っていた事は、やはり本当なのね。

 今フレデリク様は二人の妃と親密に過ごしていて、私はすでに忘れ去られている。

 お腹に子供を抱えた私には、もう興味がないのだろう。

 自分の子供なのに関心を示さないなんて、フレデリク様の心は本当はとても冷徹な方なのだろう。

 そのぐらいでなければ、この王国を治めることなどできないということか。

 同じ空間にいても、私には一言も声をかけてくれる様子はない。

 私の男性を見る目がなかったのね。もう今更、失ってしまったものを嘆いても仕方がない。

 妃として、送り出してくれたコーネル王国に何ができるか改めて考えてみよう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ロアルド王子と随分親しげに話していたようだな。」

 自分の部屋でお昼寝していると、ベッドのそばにフレデリク様が立っていて、私を睨みつけている。

「えっ、フレデリク様、お久しぶりです。あなたこそ、王妃達と楽しそうにされているようですが。懐妊した私にはもう興味なんてありませんか?」

「何を言っている?それもすべてマリアナのためだ。それよりも、ロアルドと何を話していたのか教えろ。」

「何故、答えなければならないのですか?もう、私のことはお忘れでしょう。」

「そんなはずがあるわけないだろう。早く答えるんだ。侍女が戻ってくる。」

「もしかして、誰にも見つからないようにこっそりいらしているんですか?何故、そんなことを?」

「私がマリアナに関心がないと思わせるためだ。」

「どうしてそんなことが必要なのですか?」

「マリアナを守るためだ。」

「フレデリク様のおっしゃっていることがよくわかりません。」

「くそっ、また来る。」

 フレデリク様は不満気に話すと、見張りをしていた家臣を連れて、あっと言う間に去っていった。

 その後、入れ替わるようにメイベルが部屋に入って来た。

 結局、私達の会話は何一つ成り立っていないし、あのようにひっそりとフレデリク様が来ることが、何故私を守ることになるのかも、全く理解できなかった。

 ただ、ロアルド王子と何を話したか、しきりに気にされていたようだ。

 どうして、今になって、私とロアルド王子の会話の内容を気にするのだろう?

 もう、フレデリク様に関係ないような些細なお話なのに。

 さすがに、フレデリク様に向かって、この王国で学んで、コーネル王国を発展させたいなどと言うのは気が引けた。もう、私はスタンレー王国に嫁いだ身なのに。

 でも、この王国はすでに栄えており、私の力など必要としていない。

 だから、せめてコーネル王国のために何かできればと思う。

 フレデリク様に見放された私は、この王国に愛着を感じることはなかった。

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  • 愛を見失った第三側妃の憂鬱   8.スタンレー王国へ

     セレスの首が座る頃、フレデリク様が迎えに来た。 やっぱりスタンレー王国へ戻らないといけないのね、憂鬱だわ。「マリアナ、手を。」「ありがとうございます。」 フレデリク様は上機嫌で、馬車にエスコートしてくれた。 フレデリク様と結婚しようと、ここからスタンレー王国へ旅立ったのが、遠い昔のように感じる。 あの頃は、愛に包まれていて、フレデリク様に大切にしてもらえると疑わなかった。 だから、心が弾んでいた。 でも今は、逆に不安が募るばかり。 なるべく、目立たないように、セレスと二人、王宮の片隅で静かに生きていこう。 そうすれば、二人の妃達から嫌がらせを受けずに済むかもしれない。 個性豊かなあの妃達と共に、フレデリク様に仕えるなんて、考えるだけ気が滅入る。「浮かない顔をしているな。」「…。」 もうスタンレー王国に戻りたくないと、皆の前で言って、ここでいらない怒りは買いたくない。 二人は静かに馬車に乗り込んだ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 二日後、馬車はスタンレー王国の王宮にたどり着いた。 王宮内に入ってみると、まだ新しい木の香りが漂い、以前住んでいたのとは異なる部屋の造りになっている。「おいで、ここがセレスの部屋だよ。そして向かえがマリアナの居室で、奥が寝室さ。」 フレデリク様に案内された部屋は、セレス用の子供部屋と、新しく作られた明るい私の部屋だ。「フレデリク様、お部屋を新しくしてくれたのですか?ありがとうございます。セレスの部屋まで。」「気分を一新しようと思ってね。マリアナの寝室からは、私達二人の寝室に繋がっているんだ。そして、その先に私の寝室がある。」「えっ。」 新しい部屋に喜んだ次の瞬間、私の笑顔は固まった。 私は今までフレデリク様の寝室には、行ったことがない。 いつも、彼が私の寝室に来ていたのだ。 私とフレデリク様の寝室がこんなに近ければ、彼が二人の妃の寝室に行く時は、物音で気づいてしまうかもしれない。 今ちょうど二人の元へ行っていると思いながら、夜を一人で過ごさないといけないの? どうして、こんなにもフレデリク様は残酷になれるの?そんなの女として辛すぎる。「…どうして私達の寝室をこんなに近くにしたんですか?」「むしろ今までが距離があり過ぎたんだ。これからは、もっと自由に行き来できるよう

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    「マリアナ様、至急、荷物をまとめよ。とのことです。」「えっ、何ですって?」 朝ゆっくりと寝ていたら、メイベルによって起こされた。「裏門に馬車が待っているから、誰にも見つからないように、王宮を離れ、コーネル王国に向かうように。とのことです。」「えっ、何故?」「理由はわかりません。でも、フレデリク王からの指示だそうです。急ぎましょう。」 私はメイベルに連れられて、隠すように置かれていた馬車に乗り、王宮を後にした。 急いでいたため、荷物は最低限だし、私は懐妊中だから、馬車の歩みは非常にゆっくりだ。 前後左右に馬に騎乗した護衛が、五十人ぐらいも馬車を取り囲んでいる。 この大規模な護衛は一体どうして? 馬車の前で私を待っていてくれて、その後一緒に馬車に乗り、私達を案内してくれた男性がいる。 今までフレデリク様がお忍びのように昼寝中にやって来た時、見張りをしてくれていたゲレオンと言う男だった。「ゲレオン卿、どうしてこんなにも護衛がつくのかしら?まるで軍隊の移動だわ。」「フレデリク王が、マリアナ妃をお守りしたいと思ったかったからです。」「そうなの?また、フレデリク様はわけのわからないことを始めたのね。」「わけのわからない?」「そうでしょ。これほどの数をつけなくても、もう私は無理にでも王宮に戻ろうとしないから、大丈夫なのに。私をコーネル王国に送り返しているんだから、離縁するのでしょ?」「まさか、フレデリク王がそんなことをするはずがないじゃないですか。なるほど、彼の嘆きもわかる気がします。」「えっ、あなたまでフレデリク様の味方なの?」「僕はフレデリク王の忠実な家臣です。」「そうよね。」 そう言って、今までの柔和な顔つきから、一瞬で抜け目のない男性の顔へと変化させたゲレオン卿を見る。 もし、私がそれほど大事だと言うのならば、彼はフレデリク様にとってとても信頼のおける方なのだろう。 でなければ、フレデリク様が私にこれほどの護衛をつけてまで、彼に託したりはしない。「僕の立場では何も言えませんが、フレデリク王はあなたを大切に思っていると、僕は思います。この一隊を見てください。この隊はすべてあなた一人を守るためにいます。 決してあなたが王宮に戻ろうとするのを、阻止するためではないのです。阻止するためなら、こんなに隊が必要なわけがありません。な

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    「あら、やだ、フレデリク様に見捨てられると、急に太るんですね。私も気をつけようっと。」 食堂で一人で食事をしていると、第二妃のラモーナ妃が現れ、私の食事を見て体型を侮辱する。 ラモーナ妃に話しかけられたのも、これまた初めてだ。 ラモーナ妃はニコニコと笑っており、一見人の良さそうな人に思える。 けれども、彼女の言葉は、棘が酷いとメイベルに教えられていた。「お腹が空いているだけです。」 実際、最近は吐き気が治ったせいか、食欲が増している。 二人分だから、普通のことなのかもしれないけれど、食堂で食べる方が料理人が私の食欲に合わせて、量を調節してくれるので、部屋で食べるより満足感を得られる。「あなたが、豚のようになってしまえば、フレデリク様を取り戻せないかもですよ~。」「何故、ラモーナ妃が私を心配してくれるのですか?」「心配しているのではないわ。バカにしているつもりです。」 ラモーナ妃は、はっきりと酷いことを言うが、笑みは崩れない。「そうですか?ラモーナ妃も私が嫌いでしたか?」「そうですね~、後から来て、調子に乗っているところとか気にいらないですね。」「私が来る以前は、フレデリク様はどうしていたのですか?今のように、二人の寝室を行ったり来たりしていたのですか?」「はい、そうです。ある意味、それはそれで公平な方だと思っていたんですよ。ふふ。」「では、私が二人のバランスを崩してしまったということですね。私が来てからは、フレデリク様はラモーナ妃の寝室に行っていなかったですよね?」「そうなんです。あなたのせいで、寂しかったです。」「ならばフレデリク様を横取りしたみたいな形になってすみません。私、政略結婚だから、ラモーナ妃は気にしないと聞いていたんです。 あなたは、私がこちらに来たとしても、フレデリク様との夜を三人で分けるべきと考えていたのですね。」「そうなります。」「私はそれをとても受け入れられません。私は私だけを愛してくれる人でなければ、一緒にはいられない。だから、私はその輪には一生入らないと思います。」「え~、それならそれでいいですけど。生意気なやつってことで。好きなだけ食べて豚になればいいで~す。」 この方、なんだか笑顔と言葉が乖離していて怖い。ある意味、アデラ妃より苦手かもしれない。 でも、もう私にはフレデリク様との未来な

  • 愛を見失った第三側妃の憂鬱   4.溢れる贈り物

    「マリアナ様、このクローゼットがいっぱいで、扉が閉まりません。収まりきらないドレスを、少し処分してもいいですか?」 私の居室で、溢れかえるドレスや宝石類などを眺めながら、困り顔のメイベルに提案されている。「そうね、でも、せったくいただいたのに、処分してしまうのはもったいないわ。せめて、教会などに寄付したらどうかしら?」「マリアナ様、素晴らしいお考えですが、寄付されたとしても、マリアナ様のドレスを着て行くほどの場所もないし、もらった方が持て余してしまうかと思います。 リメイクするなら、まだ何とか活用できるかもしれませんが。」「そうなのね。寄付するのも、うまくいかないものね。そもそもどうして、私のドレスが急に増えたのかしら?」 今までドレスはきちんとクローゼットに収まっていたはずなのに。「実は、お伝えしていませんでしたが、ドレスが増えたのではなく、減らなくなったのです。以前は洗濯に出すと、ほぼ綺麗な形では戻って来なかったのに、今では戻ってきています。」「なるほど、そうだったのね。」「誰の仕業かわかりませんが、ズタボロにされたドレスをあまりマリアナ様に見せないようにしていましたから、実感がなかったかと思いますが。」 メイベルは洗濯に出したのに、何故か破れたり、汚れて返ってくるドレスを、マリアナの目に入る前に処分していた。 それほどまでに、私はこの王宮の中で嫌われていたのね。そのことも今まで全然気がつかなかった。 私はここの侍女や使用人達とほとんど話したことはないけれど、笑みを交わして挨拶していたから、これほど嫌われているとは思っていなかった。「そうだったの?メイベルに気を使わせてしまったわ。」「私はいいんです。」「それにしても、いつから嫌がらせが終わったの?」「これもまた、お伝え辛いのですが、フレデリク王がこちらにいらっしゃらなくなってからです。」「なるほど。もう彼が私のところに来ないから、私に対する妬みがなくなったということなのね。」「はい、おそらく。」「嫌がらせしていた方の見当はついているの?」「直接手を下しているのは、侍女達ですが、そこに妃様方の指示があったかどうかまではわかりません。」「なるほどね。どちらにせよ、もう嫌がらせを受けなくなったのは良かったわ。ただやっぱり、多すぎるドレスは贅沢すぎるから、クローゼットにも入り

  • 愛を見失った第三側妃の憂鬱   3.アデラ妃

    「あら、ご機嫌よう。」 夕暮れ時、日課の散歩中に庭園に差し掛かると、アデラ妃が待ち伏せするように、侍女達を引き連れて立っていた。 アデラ妃は背が高く、吊り目の女性で、原色のドレスを好み、派手な印象をあたえる方である。「こんにちは、アデラ妃様。」「最近、フレデリク様が夜おいでになって、私をいつまでも寝させてくれないの。お肌に良くなくて、困ったものだわ。」 アデラ妃は、自慢気に話す。 そのことを伝えたくて、わざわざ私を待ち伏せしたのね。「そうですか?それは大変ですね。」「ちょっと、マリアナ妃、あなた最近ではフレデリク様に全く構われなくなったそうね。一体何をやらかしたの?」「さぁ、私にもよくわかりません。むしろ私の方が聞きたいくらいです。」「ほんの少し前までは、あちこちでこれ見よがしに仲良くして、見せつけていたじゃない。これで少しは、私の気持ちがわかったかしら?」「アデラ妃様は政略結婚だから、私とフレデリク様が仲良くしていても気になさらないと思っておりました。もし、私の行動で気を悪くされていたなら、申し訳ありません。」「ふん、今更なんなのよ。同じ側妃と言う立場で、私がそれを見て、なんとも思わないと本当に思っていたの?鈍感女。」「すみません、本当にそうですね。」 私はようやく、私に対するアデラ妃の思いを理解した。 フレデリク様は「二人の妃は共に政略結婚だから、それぞれ好きなことをして過ごしており、私は全く気にすることはない。」と言っていた。 フレデリク様のおっしゃっていたこととは、どうやら違うのね。 だとしたら、ラモーナ妃もフレデリク様を慕い、私に嫌悪感を抱いているのだろうか?「伺いたいのですが、ラモーナ妃様も同じようにお考えだったのでしょうか?」「ラモーナ妃のことなんて、知らないわ。」 そう言って、私にするのと同じぐらい眉間に皺を寄せ、腕を組んで私を見下ろす。「ラモーナ妃と仲が良いとばかり思っていたのですが。」「そんなわけないでしょ。私達はフレデリク様を巡るライバルなのよ。表面上、仕方なく話しているだけだわ。」「そうですか。」 私は結婚してから、一年近くここで過ごしているのに、アデラ妃の本音や妃同士の関係について、一切気がつかなかった。 本当に私はフレデリク様と結婚して、浮かれていただけの、どうしようもない女なのだ。「

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