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第50話

Auteur: みそ煮
last update Date de publication: 2026-06-13 12:39:49

その場を離れようとした由利は、涼介と視線が合って固まった。澄んだ瞳に見つめられ、彼女は一瞬にしてそこから動けなくなってしまった。

(涼介兄さん……)

最後に会ったのはいつだっただろうか。まだお互いに子供の頃だった。そのときの面影はほとんどなく、彼は見事な大人の男性へと変化していた。近くで見ると、由利はそのことを改めて認識した。

彼も似たような気持ちを抱いているのか、由利を見たまま微動だにしていなかった。

「すみません、ちょっと通してください」

「……涼介君?」

先に動いたのは涼介の方だった。彼は自分を取り囲む女性たちをかき分けると、そのまま由利の元へ向かった。

彼女たちは驚いたように、彼の視線の先にいる由利を見つめた。どんな美女にも全く靡くことの無かった彼が、一人の女性のために動くなんて。彼女たちは悔しさで拳を握りしめた。

(ど、どうしよう……何て言えば……)

ゆっくりと近付いてくる涼介に、由利はパニックになっていた。昔は仲が良かったとはいえ、十年以上も会っていなかった人を前に、何を話せばいいかわからなかったのだ。

彼女は緊張しながらも、何とか言葉を紡いだ。

「涼介兄さん、久しぶりね
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