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第4話

مؤلف: おでん大好き
健吾の怒った顔、久しぶりに見た。でも、それが全部、玲奈のためなんて。

「まぁ、健吾。梨花さんをそんなに怖がらせちゃダメよ。

ぜんぶ私が悪いの。手が滑っちゃって、梨花さんに火傷させちゃったんだから。

本当にごめんね、梨花さん。私はちゃんと謝るから」

玲奈が、私のヘアドライタオルを頭にかぶってバスルームから出てきた。そして、私を見てにっこり笑う。

私の視線がヘアドライタオルに注がれているのに、彼女は人の物を勝手に使った気まずさなんて、これっぽっちも感じていないようだ。

「梨花さん、さっき髪が濡れちゃったから。健吾が風邪をひくって心配してくれて、シャワーを浴びさせてくれたの。あなたの物を使っちゃって、大丈夫だったかしら?

まぁ、そもそもこの部屋の物って、全部、健吾が買ったものでしょ?もうすぐ結婚するんだし、彼の物を使うのは当然よね」

そう言いながら、玲奈は私の部屋のインテリアをさっと見渡し、眉をひそめて健吾を責めはじめた。

「健吾、いくら何でもあなたの恩師の娘さんなのに、この家はあまりにも質素じゃない?私の部屋にある飾りを一つでも持ってくれば、彼女の部屋を丸ごとリフォームできちゃうわよ。あなたって、ひいきが過ぎるわ」

健吾が個室で、からかうように言った言葉が、頭の中に蘇ってきた。

「大丈夫。あいつは苦労するのが好きで、そういう贅沢には興味ないから」

このクズ男と悪女の顔をこれ以上見ていたくなくて、私は差し出された塗り薬を床に叩きつけた。「出ていって。二人とも、今すぐここから出ていってよ!」

「またすぐにカッとなって。玲奈はただ、君のことを心配してるだけなのに。

じゃあ、俺たちはもう行くから。君は家でしっかり反省してろ」

二人が出て行った後、私はすぐに部屋にある健吾の物を、全部ゴミ箱に放り込んだ。

そして、ふぅーっと、大きく息を吐き出した。

この狭い家を、あんなに温かい場所だと思っていたのに。今は、吐き気がするほど気持ち悪い。

健吾が浮気していた。

幸せだと思い込んでいたこの5年間は、健吾にとって私を辱めるための芝居だったんだ。

この数年、父に私たちの関係を話そうと考えたことは、何度もあった。

でも、そのたびに健吾に止められてきた。

「梨花、先生に知られたら、俺のことを見下すかもしれないだろ。自分の力でプロジェクトを勝ち取りたいんだ」

「何を怖がることがあるの?あなたは、いずれ父の婿になるんだから。もし彼があなたのことを認めなかったら、私が文句を言ってやるわ」

あの頃の甘い言葉が、今この瞬間、鋭い刃となって私に突き刺さる。

過去を思い出すたびに、胃がひっくり返るような不快感がこみ上げてくる。

次の瞬間、玲奈からラインに友達申請が届いた。

少し迷ったけれど、結局、承認してしまった。

すると彼女はすぐに、健吾が上半身裸で写っている写真を送りつけてきた。

写真の中の健吾は、情欲に染まった顔をしていた……

健吾のあんな表情は、私も何度も見てきた。

でも、今見ると吐き気がするだけだった。私は返信した。

【こんなクズ男、あなたにあげる】

そして、大家に連絡して部屋を明け渡すことにした。しばらくはホテルに泊まるつもりだ。

引っ越す直前、一度だけ健吾が訪ねてきた。

どうして黙って部屋を引き払ったんだと聞かれたけど、私は答えなかった。

今はもう、彼の顔を見るだけで胸がむかむかする。

私は健吾と玲奈のラインをブロックして、そのまま空港へ向かった。

N市に着いてからは、結婚式の準備に集中し、健吾に関する情報は一切シャットアウトした。

健吾も玲奈と結婚式を挙げるために、N市に来ることは知っていた。

会わないように願ってたんだけど、そうは問屋が卸さない。

……

N市、皇羽ホテルの3階。

私はウェディングドレス姿で父の腕を組み、会場のドアが開くのを待っていた。

健吾の結婚式場は、4階にあった。

彼は上の階へ向かおうとした時、ふとある会場の前に、私の父にそっくりな後ろ姿を見つけた。

不思議に思った健吾は、確かめようと父の方へ歩いていった。

「先生?どうしてこちらにいますか?隣にいらっしゃる花嫁さんは……」

聞き慣れた声に、私は思わず振り返った。

そして次の瞬間、健吾はその場に凍りついた。
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