LOGIN「えーっと……一応VTuberとしては初めて話すし、まずは自己紹介しよっか!」 一応建前上はここが初対面。立ち絵のヒアリングのために話した時の第一印象的なの話す機会もあるだろうし、私の自己紹介聞いてどう思ったか後で聞いとくか。「あ、そういえばそうですね!そっか、VTuber的には一応前世での知り合いってことになりますもんね。私は|藺月芽依《いづきめい》です。今回VTuber事務所ウンベナントから|柿崎冥《かきざきめい》としてデビューすることになりました!改めてよろしくお願いします!」「ブハッ!ふっふっふっふっ……まだ事務所の名前聞き慣れないや。ごめんごめん急に爆笑しだしてびっくりしたよね、ごめんごめん。事務所の名前のウンベナントって由来とか冥ちゃん知ってる?」「いや、知らないです。でもなんか響きかっこいいですよね!」「冥ちゃん、君さては厨二病だな?」「ッ!?ナ、ナ、ナ、ナワケナイジャナイデスカ!」「いやね、ウンベナントってドイツ語なのよ。厨二病は……ドイツ語発音に惹かれる生き物なのだよ。私は普通に何語かな〜って調べて知ったけど、冥ちゃんは知らないのに無意識に惹かれわけじゃん。つまり、そういうことだよ。ちなみにウンベナントはドイツ語で名称未定。名前考えるのめんどくさかったのかなとか想像しちゃってさ。」 もう一つの可能性は事務所設立の時にそれよりのファイルとか入れるフォルダの名前をノリでドイツ語の名称未定にしてそのまま採用みたいな。それはそれで誰がツッコミしろよ案件すぎる。「もう卒業しましたもん私。卒業しましたから!いや、社長はちゃんと名前考えてもろて。」「まぁまぁ、そんな恥ずかしがる必要はないよ。それも一つの個性だからね。配信者的にはプラスだよ。後付けの個性の多すぎは賛否分かれるけど人間的な個性はあればあるだけプラスだから安心しなよ。」「はい!それにしてもさすが由良さんって感じですね!やっぱりイラストレーターともなるとVTuberさんと関わる機会とか多いんですか?」"ニヤリッ"「それもあるけど、私の場合はそれだけじゃないんだよね。ふふっ……夢であるトップVTuberになるための修行をしつつ転生を繰り返した現役赤さんVTuberってキャラを盛りに盛りまくったこの私YURAが保証するよ。安心したまえ!」「ん?」「改めまして、VTuberのY
はい、というわけで……完成です! うんうんうん、みなまで言うな。分かります。分かります。完成品が早く見たいんですよね?そう急かさないでくださいよ。大丈夫ですって、ちゃんと見せてあげますから。ん?違う?え?何が違うって言うんですか!? ん?あぁ!そうだね。その話をしようか。結局どこまで私が完成させたのかの話を……。※彼女の大きな大きなひとりごとです。どうか気にしないであげてください。 おいコラやめろ!私が悲しいヤツみたいじゃないか! と、言うわけで成果報告会という名のヒアリングを始めていこうか。ミュート……解除。◇◇「やぁやぁこんにちは芽衣ちゃん。君のママの由良ちゃんだよ〜!仲良くしよーうね☆ 芽衣さん、それに朝日さん。本日らお時間いただきありがとうございます。それではさっそくヒアリングの方始めていきましょうか。」「こちらこそよろしくお願いします。(変な人だ。)」「由良さん、今日はよろしくお願い致します。(変人だ。)」「あぁ〜朝日まーた寝てないでしょ。ダメですよ〜?寝ない〜!休まないと疲れてたのに急に元気になるとかいう謎現象に遭遇した後にぶっ倒れちゃいますから!今謎現象パートでしょ?ほら休んで休んで!内容は議事録まとめて送るので安心してください。締切はまだ先ですし最終決定は後日朝日さんが目を通した後ということで。」「はい、わかりました……"ブツッ"」「芽衣ちゃん、あれが限界を迎えた社会人の姿です。正常な彼女ならマネージャーとしてこの大事なヒアリングは必ず場にいようとするでしょう。でも、彼女はもう既に限界だった。」「普段の生真面目か朝日さんなら……そっかたしかに意地でもこの場いようと。それだけ無理をしてて限界だったと。」「そゆこと〜。だからほら、あぁやって逃げ道を提示すればそこに行ってしまう。だからダメだよ?朝日さんに心配かけちゃ。芽衣ちゃんなら大丈夫だと思うけどね。じゃ、朝日さんも心配するだろうし真面目にやってチャッチャか終わらせますかぁ!」
「おっ仕事おっ仕事〜♪」 ここで本日のタスクを紹介しよう!今日のタスクテーマはずばり!『芽衣ちゃん欲張りセット』だ! まずは彼女の立ち絵でしょ〜?それがだいたい仕上がってきたらその立ち絵からネームロゴ、オープニング動画、エンディング動画、オリ曲の構想を練る。もちろんオープニング動画とエンディング動画で使う曲も由良ちゃんのお手製だ。てかこのあと作る。 あの子めちゃくちゃいい子だからさ、後方父親ヅラしたいのよ。だから私は頑張るのだよ。あの子のチャンネルはワシが育てたと言いたい。なになに〜?2Dモデリングはしないのかって?するに決まってんじゃんか!でも今日はし〜ない!だって立ち絵できてないし。 ふっふっふぅ!うちの子可愛い早くしたいなぁ〜!とまぁ色々考えてはいるものの今日の作業はイラストだけと言っても過言じゃない。余裕だね!他のはぜーんぶ構想を練るだけ。なんとなーく頭の片隅に置いておいていい案が思い付いたらメモするイメージだね。 とはいえなかなかいい案なんて思い付かないんだよね。何よりメモを書いたとて、あとで見返したら自分が書いたメモの意図が分からないこともしばしば。いや、文字が読めないとかじゃないよ?単語で書かれてるからその単語をどう使うのかが一ミリも分からないだけ。 マジ曲作るの大変だから。一番辛いのはね、私部屋で作詞作業してたらおじいちゃんたちがたまに様子を見にくるのね?そしたら作詞作業見られないように速攻で隠すの。なんで隠すのかって?恥ずかしいからに決まってるじゃん!親に自作のポエム見られる気分になるんだよ?軽く死ねるでしょ?だからもうね、毎度毎度ビックビクだよ。
あれはそうだなぁ……いつだったか。まだ私が誕生日にパソコンを買ってもらう前だったか。何気なく腕を錆び付かせないようにイラストを祖父のPCとマウス、それに無料のペイントソフトで描いていた頃のこと。 これまた私は何の気なしに描いたイラストをSNSに投稿していた。死蔵するのがもったいなかったからかもしれないし、ただの承認欲求だったかもしれない。はたまた母を亡くして寂しかったのかもしれない。理由なんて今となってはもう覚えてなんていない。 私が何気なく始めたイラスト投稿で絵が好きだと言ってもらえたこと。そしてそんな彼女が私にイラスト依頼をしてきたことだけが事実で重要なことだ。それ以外のことなんてこの際どうでもいい。 で、なんか分からないけど私は彼女のママ兼パパになる。なんか他にも色々やるらしい。彼女との縁は大切にしたかったから彼女が所属した事務所に自分を売り込んでみた。そしたら……「自分で売り込んどいてなんだけどさ、私でいいのかなほんとに。」 なんか採用されてしまった。その時の私の気持ちと言ったらもうなんと言っていいやら…… いや、私の感想自体はシンプルだったな。「それでいいのか大企業!」 である。こちとらどこの馬の骨かも分からないフリーの創作者である。大事なライバーをそんな……ねぇ!なんか面白そうだし良いんじゃねってさぁ!ほんと大企業がそんなんでいいの?「ねぇ、ほんとに私でいいんd……」「くどいですよ由良さん。さ!仕事してください仕事!」「はーい……。」 さてと、積み重なってるタスクを進めていきますかね。にしても、ほんとに終わんのか?これ……
回想入りまーす!3・3!2・2!1・1!0! 私、藺月芽衣が由良さんという天才を見つけたのは本当にたまたまだ。たまたま流れてきた一枚のイラスト。それは今ほどのクオリティではないものの十分上手いと称賛されるようなイラスト。でも、ことSNSという数多のイラストレーターが存在する場所では有り触れたもの。話題になるほど……所謂神絵と言われる程のものではなかったと記憶している。だが、そのイラストに添えられた文言が私のスクロールする手を止めた。「初めてマウスでお絵描きしました!まだイラスト始めたてで慣れてないので線がぎこちないですが、いつかちゃんとした機材で描いてみたいです!ペイントソフトの機能も頑張って勉強します!」 私は意味がわからなかった。これがイラスト初心者の描いた絵だというのかと。いや、もちろんイラスト始めたてというのは目を引くためについた嘘である可能性もある。いや、その可能性の方が高いだろう。でも…… 私にはその言葉本当なのだと理解できた。 理屈じゃない。 彼女の先を見てみたいと思った。 彼女は今後どんなイラストを描くのだろうと。 ならばやることは一つだろう。さっそく彼女のフォローをしてコンタクトをとってみた。始めたてという彼女の言葉が本当なら急に連絡がくれば驚かせてしまうだろうし、詐欺メールを疑うだろう。だから、慎重に。そして少しずつ、少しずつ彼女の心を解きほぐしていく。 そして最後の一言「由良さん、依頼をさせてください。」
「えっと最初から詳しくおなしゃす。」「かくかくしかじかなんですよ!」(ふむふむふむ、なるほどなるほど……わがらん!つまりどういうことだってばよ!) 今日イラストレーターの由良さんに進捗確認を行ったこと、そしたらなんか10個素案が届いたことを朝日菖は素直に言った。まんま過ぎるがこれ以上でもこれ以下でもないのだからしょうがない。(頭おかしいんじゃねぇの?)「えっと……頭おかしいんじゃないかな。」(あ、つい口から本音がドスンと)「そんな!失礼すぎます!と言いたいところですけど……私もちょっと思いました。」「ほんとにちょっと?」「いや、かなりです。」「素直でよろしい!じゃ、返信しちゃうね!!シュパパパパパパーッ!タンッ!送信!」(リスナー受けのいいキャラデザかなんて私にわかるわけが無い。なら!自らの癖に真っ直ぐに!ただ真っ直ぐに従うのみ!)「え?もう?」「レスポンスなんて早いに越したことはなかr"ピコンッ"」「凄いですね、由良さんレスポンス爆速ですよ!」「えっと、これはちょっと引く……かも?」「芽衣さんさっきレスポンスなんて早いに越したことはないって言ってたじゃないですか!由良さんに失礼ですよ!で、由良さんからはなんて?」「えーっとなになに〜?"了解です!5番のデザインですね!近いうちに活動で使う時のことをイメージできる形で超絶可愛いお身体の方をお送りさせていただきますね!私に任せてください!それと、無理せず寝てくださいね。私があんな時間にデータを送ったとはいえ無理してすぐ返信する必要はないですから。私は基本自宅で仕事をしているので、何かあればいつでも相談してください!これでも一応私もVTuberの端くれですし、芽衣さんのママ兼パパになる訳ですからね!他にも色々任せてください!"」「え?情報量が凄い。なに?これは。これが噂に聞くあの……無量〇処!?」「私も読んでて意味わかりませんでしたよ。VTuber?パパ?は?由良さんVTuberやってんの!?いや、最近はイラストレーター系VTuber増えてるけども!え?由良さんも!?ま?」(もう私なんかじゃ推し量れない次元にいるんだね、由良さんは。もういっそ私が由良さんになってみたいよ。私が由良だ!なんてね。どこの大手事務所に一人で対抗する個人勢VTuberだよ!)「パパ!?え?パ〇活!?」「