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第219話

Author: 森の小鹿
充は、閉じられた個室のドアの前に立っていた。

部屋の中から聞こえてくる笑い声と拍手を聞き、世界中から見捨てられたような孤独感に、再び襲われた。

夢香は、その抜け殻のような彼の様子を見て、歯がゆくてたまらなかった。そして彼の手首を勢いよくつかんだ。

「充、いい加減にしなさいよ!あんな女のどこがいいの?

ここで突っ立ってないで帰るわよ。家で頭を冷やして、奈緒をどう大人しくさせるか考えよう!見ててこっちが情けなくなるわ」

充は、手を振り払うことはせず、夢香が掴んでしわになった袖口を、氷のように冷たい視線で見下ろした。

「姉さん、俺のことに口を出さないでくれ。俺のことは青木家の人間には関係ない。

帰国したならおとなしくしていてくれ。奈緒に手を出すな。さもないと、容赦しないぞ」

その声は控えめだったが、頂点に立つ者特有の威圧感を放っていた。

夢香は言葉に詰まり、怒りで顔を強張らせながら、充の姿が廊下の奥へと消えていくのをただ見ているしかなかった。

充は車に乗り込んだが、すぐにエンジンをかけようとはしなかった。

彼は目を閉じた。頭の中は、きっぱりとした奈緒の顔でいっぱいだった
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