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第23話 来訪者は微笑む

Author: 酔夫人
last update publish date: 2026-08-24 19:00:18
高橋誠から、一つの家政婦派遣会社を指定された。

ネットで調べると、一般家庭向けの家事代行サービスから、政財界のVIP向けにコンシェルジュを派遣するなど、幅広くやっている会社のようだ。

実里はそこへ電話をかける。

電話はすぐに取られ、誰からの紹介かと尋ねられた。

「Юлия, моё всё(ユリヤ、マヨー・フョー)」

日本語にすると、『ユリヤ、僕の全て』

これが符丁だと教えられた。

だから、実里は震える声を出してしまったが。

『いつもお世話になっております』

相手のスタッフは、何も変わらなかった。

『希望する期間と、お客様のご希望を教えてください』

「住み込みで一週間。料理と身の回りの世話をお願いしたいのですが」

『承知いたしました』

普通だった。

あまりにも普通の対応に、実里は拍子抜けする。

相手は高橋誠の協力者。

そう意識していたから、何か秘密めいた合図でもあるのかと思っていた。

だが、聞かれるのは食事の好みやアレルギー。

仕事内容。

勤務期間。

一般的なことばかり。

(普通の会社……なの?)

手続きが終わる。

『それでは明日、スタッフを派遣いたします』

「よろしくお願いします」

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