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後宮の孤独

Author: rinsan
last update publish date: 2026-07-14 19:05:02

去る済世の背を見届けた途端、陽徳は押し殺していた息を大きく吐き出した。

「後宮か……」

そのひとことに滲むのは、帝としての責務ではなく、ひとりの男としての痛みだった。

脳裏に浮かぶのは、あの娘――梅鈴の面影。

迎え入れるべきか。

いや、それは――。

陽徳の揺らぎを読み取ったように、伯堅が静かに口を開いた。

「……あの娘を後宮に迎えるおつもりなのですか」

その問いは、陽徳の胸の奥に隠していた葛藤を鋭く突いた。

陽徳は苦い表情を浮かべ、しばし言葉を探すように沈黙したのち、低く呟いた。

「それは……彼女にとって幸せだと思うか」

伯堅は主の横顔をひととき見つめ、深く息を整えてから、静かに言葉を置いた。

「……陛下。後宮は、華やかさ

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