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76.失えない。side悠里

last update publish date: 2026-03-02 11:02:53

side悠里

「あの時は確かに玉砕覚悟で本気じゃなかったけど、今はちゃんと本気だから」

賑やかな部室内に、俺の真剣な声が響いた。

それによってあんなにも自由に喋っていた部員たちの声がピタリと止まる。

しかしそれはほんの一瞬で、すぐにその場にいた部員たちはいつもの調子で声を上げた。

「わかってるよ!」

最初に明るくそう言って、ガバッと俺の肩を抱いたのは隆太だ。

「俺たちはお前の味方だぁー!なぁ、みんな!」

それから部員全員にそう同意を求めた。

「「おおー!」」

隆太の声に部員たちは、部活と同じ声量で応える。

みんなの温かさに俺は胸が熱くなった。

彼らは大切でかけがえのない存在だ。

「お疲れ様でーす」

その時だった。

盛り上がっている部室内に、大きな茶封筒を抱えた後輩、慎がいつもの調子で現れた。

「これ、そこで鉄崎先輩から預かりました。なんか監督からみたいで」

慎がたまたま扉の近くにいた陽平に、抱えていた茶封筒を渡す。

陽平はそれを目を丸くして受け取った。

「そこ?」

ぱちぱちと大きくまばたきをする陽平に、部員たちもざわつき始める。

「慎のやつ、そこって言ったか?」

「そこってどこだ?」
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  • 推しに告白(嘘)されまして。   73.冬休みを終えて。

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