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終わらないマッサージ

Author: 靴下 香
last update publish date: 2026-06-07 12:39:13

「一つ、合言葉を決めましょうか」

「あいことば、ですか?」

 本当にこの人は何歳なんだろう、同い年だと言われても全然納得できる。

 張りのありそうな胸を腕で隠しながらそっぽを向いて、それでも何処か期待しているかのような濡れた瞳を前にして安心のために提案を一つ。

「触られたくないと思ったり、これ以上は嫌だと感じたら助けてと言って下さい」

「……助けてって、言えばそこは触らないってことですか?」

「と、言うよりはそこで終わり・・・ですね」

 内心で小さく笑ってしまう。

 元々この性交渉を望んできたのは早瀬さんだ、続けるか終わるかの選択は俺が持っているべきだと言うのに。

「わかり、ました。優しい、んですね。ありがとうございます」

「いえいえ」

 すっかり忘れている。あるいは、気づかないフリをしているのか。

 とはいえこれが仕方ないという理由の魅力だろう。

「それじゃ、まずはここから」

「ここ、って……ん、んぅ……」

 一瞬びくりと反応されたが触ったのは鎖骨の下あたり。

 リンパがどうのなんて口にしないが、少なくとも胸の大きな女の人は付け根辺りがこるのは本当で。

「あ、ぅ……あぁ♡」

 緊張してしまった身体から力が抜ける。

 そう、緊張する必要はない。

 なにせこれはマッサージでありご褒美の続きなのだ。

「そう、力を抜いていて下さいね。イヤな事はしませんから」

「は、ぃ……♡」

 うつ伏せの時にしてもらっていた時の延長上にある行為だと認識できたのだろう、胸を隠していた腕からも力が抜けていく。

「ここは、触られたくないですか?」

「え? あ、えっと……その」

 胸の付け根を解しながら相手に委ねる。

 いやらしい、つまりは性的に見ているわけじゃないよと優しい声色を意識して言えば。

「……お願い、します」

「はい、わかりました。忘れないで下さいね? 助けて、ですよ?」

「は、い」

 ゆるゆると腕をどけて、その大きな果実を露わにしてくれた。

 ……うーん、でかい。

 今まで相手してきた人の中でも、ここまで形が良くて大きく張りのあるおっぱいって無かったんじゃなかろうか。

 いや、それはいい。

「ん……♡ ふ、あぁ……♡」

 まずは側面、脇下から胸の下側にかけてをゆっくりなぞっていく。

 ゆっくり、ゆっくりと侵食するように、早瀬さんがびっくりしないように、性的な愛撫だと思わないようにゆっくりと下乳へと位置をずらしていく。

「あ、ぅ♡ あぁ……♡ す、ごくきもち、いいです……♡」

「ありがとうございます。気持ちよくなってくれたのなら、嬉しいですよ俺も」

「嬉しい、です、か?」

「もちろん。気持ちよくなってもらうためにしてるんですから」

 そうして認識をもずらしていく。

 性的にかどうかは問題じゃあない、これは気持ちよくなってもらうためにしていることで、気持ちよくなることはおかしいことではないのだ。

 すなわち、気持ちよくなっていいモノである。

「ふ、あ♡ ん、んんぅ♡ い、いい、です♡ 本当に、すごくきもち、いい……です♡」

「ありがとうございます。やっぱり、嬉しいです」

「ん、んあっ♡ あふ、ん♡ な、なら、私も、うれ、しぃです♡」

 うーん、そういうこと言っちゃうか。健気というか献身的と言うか。

 根は奉仕的というか尽くしたがりさんなんだろうな、肉じゃが食って美味いって言えば喜んでいたのはそういうことか。

「あっ♡ ふぅ、んんぅ♡ は、ぁ♡ 管理人、さんぅ♡」

「はい? どうしました? 少し強かったですか?」

「ち、がいます♡ そ、その、もう少し強くても、だいじょう、ぶです、からぁ♡」

「……はい、わかりました」

 下乳を持ち上げるように優しく撫で揉みしていたらリクエストが飛んできた。

 言った本人は恥ずかしそうに顔を背けてしまったけれども、なるほど肉体的には相当許してくれているらしい。

 じゃあ指先にも力を入れようか、横乳と腋の境目。スペンス乳腺への刺激も加えて行こう。

「ひぁんっ♡」

「っと、強かったですか?」

「だ、だいじょう、ぶです。そ、の……気持ちよくて、びっくりしちゃいました」

「あはは、ならもう少し弱めから行きますね」

 で、この感じようだ。

 これで濡れにくい、すなわち感じにくいなんて嘘だろうとすら思う。

「は、うぅ♡ ん、んんぅ♡ い、いい、です♡ きもち、いい……♡」

 無意識にだろう、ついに早瀬さんの腰が浮いてきた。

 あえて本人へと言いはまだしないけれど、乳首もふるふると震えながら固く大きくなってきている。

「あっ♡ んぁっ♡ いい♡ いい、よぅ♡ これ、すきぃ……♡ あった、かい♡ きもち、いいよぅ♡」

 やや幼くなってきたか、目もとろんとしてきて頃合いだ。

 タッチングの原則、触れた指を肌から離さないようにへその方へと滑らせていく。

「あ……♡ ん、ふぁ♡」

 早瀬さんは何も言わない。

 なんだったらこのままいざ挿入といっても受け入れられるだろう。

 当たり前だ、元から早瀬さんにとっての目的はソレなのだから。

 いつこの雰囲気が切り替わってそうなったとしても、最初からゴールがそこにある以上受け入れなければならない。

 しかし、だ。

「んっ♡ は、ぅ……あぁ♡ う、うぅ♡ んくっ♡」

 小さく快楽に喘ぎながら、手の動きに合わせて身を捩りぴんピンに勃起してしまっている乳首へと誘導するこの姿。

 意識的にとまでは思わない。だが身体はすっかり更なる刺激と快楽を求めている。

 ああ、頃合いだ。

 頃合いだから、いつの間にか押し付けられていた決定権をそろそろ返すことにしよう。

「ひゃうっ♡」

 指を鼠径部へと移動させる。

 親指の位置は固定させて、手のひらと指を動かしていく。

「う、あ♡ あ、あぁぅ♡」

 動きに合わせて引っ張られた大陰唇が開いて、一目見てあまり使い込まれていないとわかるマンコの中身が見えた。

 肝心の早瀬さんから拒絶の言葉は無い。

 無いが、羞恥心が強いのだろう心地よさげに緩ませていた顔を赤く染めて、再びそっぽを向いている。

「早瀬さん。わかりますか?」

「な、にを、ですか、ぁ♡」

 ――すごく濡れていることを。

 とは言わない。言わずともがなでもあるが。

 膣口からはとくとくとやや粘り気のある愛液が溢れてきている。

 ケツたぶを伝ってシーツにシミを作っているんだ、否応なしに理解できていなければおかしいレベルだ。

「いえ。気持ちよくなってくれて、嬉しいですよ」

「は、いぃ♡ す、ごく気持ちいい、です♡」

 ただ、本当に理解していない可能性だってある。

 包皮に包まれたクリトリス、愛液量の割にくぱつかない膣口を見れば、やっぱり早瀬さんの身体は快楽に順応していないことが伺えるなんて……まったくもってギャップばかり抱えている人だ。

 だからこそ、余計に。

 まずは一つ、意志を確認することにしようか。

「このまま、脚先へと移りましょうか? それとも――」

「んくっ♡ そ、こはぁ……♡」

「やることに変わりは無く、ただのマッサージですよ、どちらとも。気持ちよくなっていい……いや、気持ちよくなれる、ね」

「気持ちよく、なれ、る――んぁっ♡」

 指を性器と皮膚の瀬戸際に這わせ、セックスではなく、マッサージであるという言い訳を押し付ける。

 早瀬さんはきっと、性行為となれば身体で受け入れても心では受け入れられないだろうから。

「――て、くだ、ぃ」

「……ええ、お任せください」

「ひぅ――あ、あ……んあぁぁあぁっ♡」

 気持ちよくしてください。

 バイトの時によく聞いていた言葉だったけど、何処かちょっと違うように聞こえたのはなんでだろう。

 そんな疑問は湧いたけど、そっぽを向きながら早瀬さんが頷いたタイミングで、人差し指を膣の中へと潜り込ませた。

「ん、んんぅっ♡ い、いやぁ♡ そんな、ごしごし、しない、でぇっ♡」

「気持ちよくないですか?」

「わからないっ♡ わからない、ですけどっ♡ そこ、いやなん、ですぅっ♡」

「じゃあ続けますね」

 俺の返事に、え、嘘? みたいな目を向けられたけど、どう見ても瞳が期待に潤んでいる。

 嫌よ嫌よも好きのうちとはよく言ったものだけど、やっぱりそれは真実だとよく知っているから。

「う゛ぁっ♡ やっ♡ やあぁっ♡ こ、こんなのっ♡ こんなのぉっ♡ だめっ♡ だめなのっ♡ いやなのにぃっ♡」

 あるいは、身体は正直だとか言うべきか。

 俺の手を止めようとして伸ばされた腕が、くてんと力が抜けて横たわり、代わりに腰がついにへこへこと男を誘うように動き出す。

「ひあぁぁっ♡ だめだめっ♡ やですっ♡ どうしてっ♡ どうしてこんなにっ――」

「気持ちいいのか、ですか?」

「う――そ、そうっ♡ きもち、いいんですっ♡ 気持ち良すぎるんですっ♡ こんなの知らないんですっ♡ だ、だから止めてっ♡ も、もう終わりですっ♡ おわりぃいぃっ♡」

 知らない、ね。

 よく聞いてきた言葉ではあるが、それはいい。

「早瀬さん、合言葉忘れちゃいましたか?」

「え? あ、ぅ……ん、んんっ♡」

 視線を合わせて聞いてみる。

 はっとしたような表情は一瞬、少しだけ快楽を忘れて理性が早瀬さんの目に灯った。

 けれども、中々助けての一言が口から出てこない。

 奥ゆかしさ、とでも言うのかね? 良いことだ。

 まぁ、そうだな。ここはまだちゃんと目的があって自分を抱かせに来たってのを忘れさせられなかった俺の負けってことにしておいて。

 お望み通り・・・・・終わらせてあげる事にしようかね。

「たす――ふやっ!? んんんんんぅっ♡♡♡ なんっ――♡」

 フィニッシュに向かおうと決めた時、ちょうど助けてと言おうとしたのかタイミングがかち合った。

 聞かなかったフリをしながら、もう片手をクリトリスへと持っていき、刺激を女性器へと集中させる。

「やっ♡ やだぁっ♡ わたし、私ぃっ♡ 言おうとしたっ♡ 言おうとしましたっ♡ だからっ♡ だからもうらめっ♡ なかごしごしもっ♡ くりくりもしちゃだめですぅうっ♡」

 と、言う割に身体を逃そうとしたりしないのが本音の部分、ということにしておこう。

「しらないっ♡ こんなの知らないんですっ♡ 初めてなんですっ♡ こわいんですっ♡ なにかきちゃうっ♡ しらないっ♡ しらないからぁっ♡ だめですっ♡ これしっちゃったらわたし♡ わたしぃっ♡」

 ……戻れなくなる、か?

 かつてよく聞いた言葉だけに予想がつくけれど、確かにそう言った人はハマってくれたけど。

 何となく、違う気がする。

「まぁいいや」

「ひあぁっ♡ だめだめっ♡ どうしてっ♡ どうしてやめてくれないんですかぁあぁっ♡ くるっ♡ しらないのきちゃいますっ♡ おっきいのっ♡ ふぐっ♡ んっ♡ あっ♡ あっ♡ あぁあぁあっ♡」

 膣がぎゅうぎゅうと指を締め付けてくる。

 指一本しか入れてないんだけどな、チンコ入れたらさぞかし気持ちのいいことだろう。

 まったくもって、旦那が羨ましいことだ。

「んあぁぁああぁあっ♡♡♡」

 最後にクリトリスを一つまみ。

 腰を跳ね上げ背中を弓なりに、イキ潮を吹き散らかして。

 見事と言う外ない絶頂を早瀬さんは迎えてくれた。

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