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第566話

Author: フカモリ
どこまでも冷淡な信行の態度を前にしても、渚は落ち着き払っていた。

向かいの椅子を引いて優雅に腰を下ろすと、静かに口を開く。

「お互い大人なのですから、何かあるなら直接お会いして、はっきり話し合ったほうがいいと思ったんです」

その物言いを聞いて、信行は心底くだらないと感じた。

いい大人の間で、わざわざ言葉にして白黒つけなければならないことなどあるものか。語りたがらないこと、そして沈黙を貫くこと。

それ自体が立派な拒絶のサインだ。

そもそも、この間の電話で十分に事情は説明したはずだ。

だから信行は顔を上げることもせず、手元の書類に視線を落としたまま冷徹に言い放った。

「言うべきことはすでに伝えたはずだが。俺の意思はあれが全てだ」

どこまでも取り付く島もない信行の態度に、渚の顔に微かな気まずさがよぎる。

これまでの人生、彼女は常に男たちから追いかけられ、機嫌を取られる側の人間だった。

自分から身を低くしてまで異性に尽くそうとしたのは、今回が初めての経験だ。

とはいえ、相手は他でもない信行だ。

じっと身動きもせず、渚はしばらく信行の顔を見つめていた。

やがてふっと笑
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