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第23話

last update publish date: 2026-01-07 19:00:00

売り場には、ウール、カシミア、シルク、様々なマフラーが並んでいた。

氷室様は、一つ一つ手に取って見ている。その真剣な横顔に、私は胸が温かくなった。

不器用な人だ。でも、ちゃんと気持ちがある。

「これは、どうだ?」

氷室様が、グレーのカシミアのマフラーを手に取った。シンプルだけれど、上質な生地。触れると、柔らかい。

「素敵ですね。落ち着いた色で、どんなスーツにも合いそうです」

「そうか」

氷室様は、マフラーを見つめた。

「祖父は、派手なものは好まない。これくらいがちょうどいいかもしれない」

「きっと、喜ばれますよ」

私がそう言うと、氷室様は少しだけ微笑んだ。

「……そうだといいが」

氷室様は、店員を呼んだ。

「これを包んでください。ギフト用で」

「かしこまりました」

私はその様子を、少し離れたところから見ていた。

いつもの冷たい社長で

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