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第23話

Penulis: 藤永ゆいか
last update Terakhir Diperbarui: 2026-01-07 19:00:00

売り場には、ウール、カシミア、シルク、様々なマフラーが並んでいた。

氷室様は、一つ一つ手に取って見ている。その真剣な横顔に、私は胸が温かくなった。

不器用な人だ。でも、ちゃんと気持ちがある。

「これは、どうだ?」

氷室様が、グレーのカシミアのマフラーを手に取った。シンプルだけれど、上質な生地。触れると、柔らかい。

「素敵ですね。落ち着いた色で、どんなスーツにも合いそうです」

「そうか」

氷室様は、マフラーを見つめた。

「祖父は、派手なものは好まない。これくらいがちょうどいいかもしれない」

「きっと、喜ばれますよ」

私がそう言うと、氷室様は少しだけ微笑んだ。

「……そうだといいが」

氷室様は、店員を呼んだ。

「これを包んでください。ギフト用で」

「かしこまりました」

私はその様子を、少し離れたところから見ていた。

いつもの冷たい社長ではなく、一人の孫として振る舞う彼に、心が温かくなるのを感じた。

百貨店を出ると、外はすでに夕暮れ時だった。

街は、イルミネーションの光で満ちている。街路樹に巻かれた光がキラキラと輝き、いつまでも見ていたいくらい綺麗だった。

「……綺麗だな」

氷室様が、ぽつりと言った。

「はい」

私も頷く。

氷室様が立ち止まり、こちらを振り返った。

どうしたんだろう?

数秒の沈黙。街のざわめきが、遠くに聞こえる。

「イルミネーションも綺麗だが……君のほうが綺麗だ」

え?今、なんて?

私は、固まってしまった。頬が一気に熱くなる。

「な、何を急に……」

氷室様は、くすりと笑った。その笑顔は少し意地悪だが、心から楽しんでいるような顔。

「事実だ」

その言葉に、心臓が激しく脈打つ。顔も耳も熱

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