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第1293話

Penulis: かんもく
奏は心ここにあらず、適当な口実を見つけて立ち去ろうとする。「今日は義兄さんを見かけなかったな。宴会場に行ってみよう」

そう言うと、大股で宴会場の入口に向かって歩いていく。

ちょうどその時、とわこが宴会場から急いで飛び出してきた。

二人はまったく予兆なくぶつかる。

奏の手にあったグラスの飲み物が、とわこの全身にかかってしまう。

その瞬間、衝撃が走る。

二人は固まった。

とわこはさっき宴会場に入ったとき、大貴と客たちが酒を飲んでいるのを見て安心し、慌てて出てきたところだった。

まさか、彼女を探しに宴会場に来た奏と出くわすとは思わなかった。

もちろん、彼女は奏が自分を探しに来たなんて知らない。

奏もまた、とわこが甲板で自分を見張るために急いで出てきたとは気づいていない。

「飲み物をかけたでしょ」とわこが先に反応して、注意を促す。

給仕が大股で駆け寄り、奏はグラスをトレイに置き、トレイから乾いたタオルを取り出して彼女に差し出す。「すまない、わざとじゃない」

彼女はタオルを受け取り、胸元の液体を拭き取るが、ドレスは濡れてしまっている。

「どうしよう。服が濡れちゃった」
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