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15.手紙

last update تاريخ النشر: 2026-09-28 18:18:10
 夜会の翌日、アデラインは父親のアルマン侯爵と、セシルから届いた手紙を受け取った。

 久しぶりに見る上質な紙が侯爵家の財政が好転したことを物語っていた。

 アルマン侯爵からの手紙を読むと、アデラインの生活や体調を気遣う文句から始まり、ヒューガードが無事にアルマン侯爵の後継者と認定されたことが書かれていた。

 だが、その後の文言を読んで、アデラインは手にしていたホットチョコレートのカップを取り落としてしまった。

 新婚早々、お前をひとりにさせることになってすまない。

 ヒューガードには口止めをされていたが、彼には結婚前から領地の財務処理をしてもらっていたのだ。

 彼の使用人たちに任せるのではなく、彼が直々に全てを処理してくれた。

 彼はとても優秀な会計士でもあったよ。

 これまで我々が行っていた計算が間違えていたことが発覚した。

 税収を多く見積もりすぎていた為に、領地から国への税金を払い過ぎていたようだ。

 更に彼は、未収だった水利権の使用料まで取り立ててくれた。

 昨年まで収めすぎた税金についても、追って調査して国から取り返すといってくれた。

 初めこそ平民だと
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     市場を抜けると、大きなホテルにたどり着いた。「ちょうどいい。ここのサロンで休憩しよう」 ヒューの提案にアデラインは戸惑いを見せたが、ヒューすぐに後ろをついていたトビーに目配せをした。 トビーは心得た様子でホテルに入ると、サロンの入り口に立つ使用人に懐から取り出した名刺をみせた。 純金で作られた名刺を、恭しい仕草で胸元から出したハンカチで受け取ると、使用人は颯爽とした足取りで店の中に入っていった。 数分もしないうちに戻ると、トビーに名刺を丁寧に返して「お席をご用意します」と答えた。 トビーは名刺を仕舞うと、主人たちの元に戻り、ホテルの中に案内した。 アデラインはヒューのエスコートでロビーに立つと、ホテル内の贅を尽くした内装や、ベッカー邸の廊下に敷かれた絨毯よりも柔らかい絨毯に足が込むことに驚いて、ヒューの腕にしがみつくように恐る恐る歩いた。 サロンの入り口では使用人が待ち構えており、2人に用意した席に案内してくれた。 おそらく一番いい席であろう、日当たりがよく、他の客からも程よく離れたその席は、腰を包み込むような柔らかな椅子で、アデラインはわかりやすく感動していた。 座るなり胸元からシガーケースを取り出したヒューに、使用人はそっと「後ほどシガールームにご案内いたします」と口添えした。「なるほど」 ヒューは納得した様子でシガーケースを胸元にしまい込んだ。 随分と上品なことだと、小さく溜息をつくが、アデラインはそんなヒューのことは目に入っていないようで、どこか落ち着かない様子で周囲をそっと見回している。 テーブルの上にはメニューがあったが、ヒューはその上に手を乗せたまま、使用人に目配せをした。 使用人は丁寧な態度で2人に近寄ると、ヒューの手の下に置かれたメニューを一瞥してから丁寧に尋ねた。「近頃はコーヒーではなく紅茶を嗜まれる方も多くいらっしゃいます。いかがなさいますか」 使用人の言葉に、アデラインは慌てて「では、わたくしは紅茶をいただくわ」とぎこちなく答えた。「私はコーヒーでいい。それと、私の従者にも同じものを」 ヒューが言うと、使用人は

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