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第411話

Author: 雨の若君
利津の瞳が動揺にわずかばかり揺れたのも束の間、彼はすぐさま語気を強めて反論した。

「馬鹿を言うな。俺が友人の女に手を出すような男に見えるか!二度とその手の卑しい憶測を口にするのはやめろ」

亘は口角を吊り上げ、含みのある笑みを浮かべた。

だが、それ以上にその話題を掘り下げようとはしなかった。それが本心であれ真実であれ、彼には関心のないことだ。

「忠告だ。司野の夫婦生活に首を突っ込むのはよせ。お前はあいつの親でも何でもないだろう。余計な騒ぎを起こしてどうするつもりだ」

利津は抗うように、思わず言葉を零した。「だが、子供に罪はないだろう」

それを聞いた亘は、嘲弄の色を深めて鼻で笑った。

「なら聞くが、もしお前の親父が外で私生児を作ってきたとしても、同じように『子供に罪はない』なんて綺麗事が言えるのか?」

その一言に利津は絶句し、みるみるうちに顔色を失った。

皮肉なことに、彼の父親はまさにその過ちを犯していたからだ。不倫相手との間に生まれた異母兄弟たちを、利津は虫唾が走るほど嫌悪しており、一日も早く目の前から消えてくれと呪わんばかりだった。

亘は冷ややかに鼻を鳴らした。

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