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第14話

Auteur: 朱音
医師はそれ以上何も言わず、舞来に麻酔を施した。

極限の恐怖のせいか、舞来は意識を失わなかった。

目を見開いたまま、医師が処置を進めていくのを見つめていた。

お腹の中の子どもには、まだ確かな心拍があった。

もうすぐ生まれるはずだった。

無事に取り出されさえすれば、生きられるはずの命だった。

「赤ちゃん!私の赤ちゃん――!」

舞来は泣き叫んだ。

けれど処置が進むにつれ、ついさっきまで確かに打っていた心拍が、少しずつ弱くなっていく。

やがて、完全に止まった。

「ああああっ!」

麻酔が効いているはずなのに、痛みを感じているかのように、舞来は喉が裂けるほどの叫び声を上げた。

自分の子ども。

ずっと焦がれてきた子どもが、こんなふうに死んでしまった。

目を血走らせ、舞来はもがいた。

「暁人さん!私たちの子なのよ!どうしてそんなに冷酷になれるの!」

応える者は誰もいなかった。

取り出された胎児は、そのまま処理用の容器へ入れられた。まるで何の価値もないもののように。

暁人はすでに背を向けていた。

ほかにもやるべきことがある。いつまでもここにいるつもりはなかった。

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