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第608話

Penulis: 清水雪代
蓉子は瑞貴を休憩室に押し込んでドアを閉めると、満足げな足取りで、その場を後にした。

さて、と智美が様子を見に動こうとした瞬間、背後からぐっと腕を引かれた。

振り返ると、悠人だった。

「いつの間に来たの?」

智美が小声で聞くと、悠人は上着の下から紙袋を取り出した。

「智美がこちらへ向かうのが見えたから、後を追ってきたんだ。珠里にこれを着替えさせて外へ連れ出せ。外にはボディガードを待機させてある」

「わかった」智美はふと不安になって聞いた。「でも、深田瑞貴が中にいるのよ。出てくるまで待ってから珠里を連れ出す?それまでの間、珠里に何かしなければいいけど」

悠人は少し考えてから言った。「今夜は深田家のパーティで人が大勢いる。これほど人目の多い場で、分をわきまえぬ暴挙に出るとは考えにくい。もう少し待とう」

「……ええ」

悠人がそう言いかけた、その時だった。休憩室の中から珠里の鋭い悲鳴が上がった。

続いて椅子が倒れる音、磁器の割れる音が響く。

智美と悠人は顔を見合わせ、同時に駆け出した。

ドアが内側から乱暴に開き、なりふり構わず、珠里が部屋から飛び出してきた。智美の姿を見た
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