Masuk「さあ、行きましょうか」
アルベールよりも力強く、そして容赦のない手つきでエレノアは車椅子を押す。 ガタン、と石畳の段差を超えるたび、車輪と連動した杭がエルゼの最奥を無慈悲に抉った。 「あぁ……っ! く、うぅ……、お姉様……少し、速いです……」 「あら、そう? でも、早く行かないとお昼には萎れてしまうみたいなの。もしかして……エルゼはこの程度の刺激にも耐えられないほど、”淫ら”になってしまったの?」 「違い、ます……。大丈夫、です……」 エレノアは歩みを止めるどころか、わざと石畳の凸凹が大きい道を選んで進んでいく。 車輪が回るたび、エルゼの体内で杭が激くピストンを繰り返し、段差を超えるたび最奥を突き上げられる。 「んっ、く、うぅ……っ」 (我慢……我慢しなきゃ……っ) 我慢すればするほど身体に力が入り、無意識に杭を締めつける。 より異物感の増した杭から送られる、逃げ場のない快楽の奔流がエルゼを襲い、脳を灼き切っていく。 「ひ……あぁ……っ! や、んん……!!」 「駄目よ、エルゼ。大きい声を出してはいけないわ。庭師にでも見つかったら……それも”セレスティオ家の令嬢は治療器具で感じる淫乱”だとか噂されてしまったら……。使用人の噂は広がるのが速いの。すぐに他の貴族に知れて、地下牢へ入れられてしまうかもしれないわ」 「淫乱……、だなんて、そんな……っ」 エレノアはエルゼの耳元で囁きながら、その敏感な首筋に爪を這わせる。 恐怖と羞恥、そして抗えない身体の反応。 エルゼは涙で視界を歪ませながら、必死に唇を噛み締め声を殺そうとする。 けれど、ベルトで固定され熱を逃がすこともできず、ただただ”治療”という名の凌辱を受け続けるしかなかった。 やがて、生い茂る庭園の最奥。 木々に隠されるように温室が建っていた。 エレノアが、アルベールから贈られた温室だ。 「お姉様……ここが?」 「ええ。ここは、わたくしがアルベール様から頂いた温室よ。ほら、あそこに新しく植えた薔薇があるわ」 ようやく止まった杭のピストンに、エルゼは吐息を漏らしながらまともな呼吸を取り戻す。 「わ……ぁ……。綺麗な薔薇ですね」 「えぇ、とっても素敵な薔薇。香りも、格別に良いみたいだわ」 エレノアは指を棘で傷つけないよう、器用に薔薇を一輪摘み取り、エルゼの鼻先に薔薇を近づけた。 「……! 本当に良い香り……。甘くて……。私、この薔薇がとっても好きです!」 「そう、それなら良かったわ。……心ゆくまで楽しんで頂戴」 しばらくその香りを楽しんでいると、いつもとは違う疼きが下腹部を襲う。 始めは、先程までの「杭」の余韻かと思った。 しかしそれはもっと深く、内側から身体を甘く溶かされていくような、耐え難い感覚に襲われる。 「ん……っ、あっ……。お姉様……なんだか急に……身体が……っ」 その薔薇はエレノアがお抱えの商人に頼んだ特別な品種。 吸い込むだけで強制的に発情を促す、催淫の魔力が込められていた。 「どうしたの? エルゼ。そんなにお顔を赤くして腰まで動かして……。お口まで半開きになっているわ。もしかして、また魔力が昂り過ぎてしまったの?」 エルゼは薔薇の纏う魔力のせいで激しく発情し、体内にある杭の存在を感じながらも刺激が足りず、決して絶頂できない生殺しの身体を持て余していた。 少しでも快楽を得ようと身体を揺すろうとするが、ベルトのせいでそれも叶わない。 「お姉様……苦しい……助けて下さい……っ」 「あらあら、可哀想なエルゼ。呪われた魔力が昂ぶってしまったのね。いいわ、わたくしが”浄化”を手伝ってあげる」 エレノアは車椅子のスイッチにその細い指をかけ、振動・ピストンを微弱に設定する。 「んっ……んぅ……」 (もどかしい……っ、でも、お姉様が手伝ってくれる……) 弱すぎる新たな刺激に、エルゼはさらに煽られる。 絶頂の淵まで追い詰められているエルゼにとって、それは最大の拷問だった。 快感に翻弄されていると、エレノアがエルゼのブラウスのボタンを一つずつ外していく。 「お、ねえさま……っ! こんな場所で何を……っ」 「浄化を手伝ってあげると言ったでしょう? 大丈夫、ここは庭園の最奥にあるわたくしの所有する温室。許可がない限り誰も来ないわ。それに……」 エレノアは、薄い布地の下で硬く尖ったエルゼの先端を、鋭い爪先でピンと弾いた。 「ああぁぁ……っ!!」 脳髄を突き抜けるような甘美な刺激。 それだけでエルゼの意識は一瞬、真っ白に弾けた。 ベルトで固定されたまま背を反らし、無防備に胸を突き出す形になってしまったエルゼ。 その尖りを、エレノアは慈しむように摘みながら、爪の先でカリカリと引っ掻く。 「や、あぁぁ! お姉様! そこ、だめぇ……っ!!」 「ふふ。駄目じゃないわ。これも”治療”でしょう? 魔力が昂り過ぎたらこうして末端からも発散させてあげないと、エルゼが壊れてしまうわ」 「あぁ……っ! でも……でもっ……!」 「そうね。普通なら魔力を吸い取れば良いだけ。でも、こんなに昂ぶってしまう”ふしだら”なあなたには、こうするしかないのよ」 「そんな……、そんなぁ……っ。んんっ……!!」 己の淫らさを指摘され羞恥で顔が赤く染まるエルゼ。 しかしその言葉さえも、今のエルゼには甘い劇薬でしかなかった。 「そうね、そう言われてもエルゼにはわからないわよね。実際に少しだけ魔力を吸い出してあげましょうか? そうしたら、わたくしの言っている意味もわかる筈だわ」 「はぁ……はぁ……おねがい、します……おねえさま……」 エレノアの言葉を疑うわけではないが、エルゼは自分が”ふしだら”だとは認めたくなかった。 魔力を吸い出して貰えば楽になれるはずだと自分に言い聞かせ、エレノアの動きを身体を疼かせながら待っていた。ガタン、と今日何度目かもわからない大きな衝撃が、朦朧としているエルゼの身体と脳を揺らした。屋敷の重厚な扉をくぐり、ようやく石畳の振動から解放され、エルゼの意識は泥のように濁り、沈みそうになる。けれど意識を失うわけにはいかない。廊下には使用人たちが行き交っている。意識があるからすれ違う時に跳ね上がる身体を抑えることができているのに、もし、意識がなかったら自分のはしたない様が見られてしまうかもしれない。ようやく車椅子がエルゼの部屋で止まり、同時にゆっくりと杭の動きが停止する。だが、酷使され、すべて吐き出したはずの身体は、熱い疼きを未だに訴えてきていた。「お帰り、二人とも。随分と時間がかかったね? 僕の方が早く仕事を終えるなんて」聞き慣れた穏やかで優しい声。エルゼが必死で重い瞼を上げると、そこには完璧な微笑みを浮かべたアルベールが立っていた。「顔色が一段と明るくなっているね。……エレノア、エルゼの”浄化”はうまくいったかい?」「ええ、エルゼは自分から口付けを強請るほどでしたのよ。それほどまでに昂ぶって、ほら、こんなにぐっしょりと……」エレノアはわざとらしく車椅子の湿ったシートを指さす。エルゼはお兄様にそんなところを見られ、羞恥で死んでしまいたかった。だが、謝る声すら出ず、ただ熱い吐息を漏らすことしかできない。「そうか。エルゼから強請るとは珍しい。それほどまでに今日は”毒”が回っていたんだね。可哀想に」アルベールが痛ましそうにその頬を撫でると、エルゼがその指先にピクリと反応する。アルベールは手際良くエルゼの拘束を外し、軽々と車椅子から抱き上げる。「んんっ……!!」杭が抜ける瞬間、それはまたピストンとは違った快感をも
エレノアは車椅子の前に回り込み、エルゼの熱を帯びた頬に両手を添えると、そっと唇を重ねる。震える唇を奪う動作は、驚くほど優雅で、そして強欲だ。「んむぅ……っ。ん、んぅ……」震えるエルゼの唇を割り、湿った舌を深く差し入れる。エレノアはわざと水音を立て、逃げ場のない口内を隅々までまさぐり尽くした。「んっ……ふ……んん……っ」熱に浮かされ微弱な杭の動きと相まって、ひたひたと快感が昇ってくる。エレノアはエルゼからほんの少し、体調に触らない程度に魔力を吸い出す。するとエルゼの身体は余計に感覚が鋭敏になり、舌の些細な動きだけで達しそうになる。その瞬間、エレノアは不意に口を離し、二人の間に光る銀の糸を垂らした。「あっ……は、あ……おねえ、さま……」「ほら、余計に昂ぶってしまったでしょう? 身体がこんなにわたくしを欲しがって震えているわ」「ごめん……なさい……、おねえ、さま……っ。くるしい……の、たすけ、て……」エルゼは菫色の瞳を涙に濡らし、縋るようにエレノアを見つめる。エレノアは満足げに微笑み、その震える唇を指でそっとなぞった。「もちろんよ、可愛いエルゼ。すぐに”良く”してあげるわ。エルゼはわたくしにどうして欲しいの? 自分の口で言ってご覧なさい」「あの……おねえさまの……、舌で……その……くちづけ、を……」「おねだりができて偉いわ、エルゼ。それじゃあたっぷり口付けをしてあげるわね。口付けをしている間に果ててしまっても、わたくしが許すまで頑張るのよ」躊躇うエルゼのはだけたブラウスの隙間、熱を持って尖った先端まで指を滑らせる。エルゼは俯き羞恥に顔を染めながらも、身体を追い詰める快楽の飢えに負け、震える身体でエレノアの指先を受け入れる。先端を摘まれ、カリカリと引っ掻かれると、目の前にチカチカと火花が散る。「んっ……。あぁ……っ!」「いいわ、その調子よ」エレノアはエルゼの顎をクイと上げると、約束した通り唇を塞いだ。先程よりも深く、強引な口付け。エルゼの舌にエレノアの舌を絡め吸い付きながら、車椅子のスイッチを操作した。「んむぅ……っ!? んん……っ!!」(お腹の奥が…っ!? ああ、でも、お姉様の舌も……!)微弱だった杭のピストンが加速し、下から最奥を突き上げられる。上からはエレノアに口内を蹂躙され、下からは凶悪な突き上げに曝され、
「さあ、行きましょうか」アルベールよりも力強く、そして容赦のない手つきでエレノアは車椅子を押す。ガタン、と石畳の段差を超えるたび、車輪と連動した杭がエルゼの最奥を無慈悲に抉った。「あぁ……っ! く、うぅ……、お姉様……少し、速いです……」「あら、そう? でも、早く行かないとお昼には萎れてしまうみたいなの。もしかして……エルゼはこの程度の刺激にも耐えられないほど、”淫ら”になってしまったの?」「違い、ます……。大丈夫、です……」エレノアは歩みを止めるどころか、わざと石畳の凸凹が大きい道を選んで進んでいく。車輪が回るたび、エルゼの体内で杭が激くピストンを繰り返し、段差を超えるたび最奥を突き上げられる。「んっ、く、うぅ……っ」(我慢……我慢しなきゃ……っ)我慢すればするほど身体に力が入り、無意識に杭を締めつける。より異物感の増した杭から送られる、逃げ場のない快楽の奔流がエルゼを襲い、脳を灼き切っていく。「ひ……あぁ……っ! や、んん……!!」「駄目よ、エルゼ。大きい声を出してはいけないわ。庭師にでも見つかったら……それも”セレスティオ家の令嬢は治療器具で感じる淫乱”だとか噂されてしまったら……。使用人の噂は広がるのが速いの。すぐに他の貴族に知れて、地下牢へ入れられてしまうかもしれないわ」「淫乱……、だなんて、そんな……っ」エレノアはエルゼの耳元で囁きながら、その敏感な首筋に爪を這わせる。恐怖と羞恥、そして抗えない身体の反応。エルゼは涙で視界を歪ませながら、必死に唇を噛み締め声を殺そうとする。けれど、ベルトで固定され熱を逃がすこともできず、ただただ”治療”という名の凌辱を受け続けるしかなかった。やがて、生い茂る庭園の最奥。木々に隠されるように温室が建っていた。エレノアが、アルベールから贈られた温室だ。「お姉様……ここが?」「ええ。ここは、わたくしがアルベール様から頂いた温室よ。ほら、あそこに新しく植えた薔薇があるわ」ようやく止まった杭のピストンに、エルゼは吐息を漏らしながらまともな呼吸を取り戻す。「わ……ぁ……。綺麗な薔薇ですね」「えぇ、とっても素敵な薔薇。香りも、格別に良いみたいだわ」エレノアは指を棘で傷つけないよう、器用に薔薇を一輪摘み取り、エルゼの鼻先に薔薇を近づけた。「……! 本当に良い香り……。甘くて……。
陽の光に溢れる、爽やかで気持ちの良い午後。 けれど、エルゼはカーテンの隙間から零れる光のせいで、目覚めた瞬間から酷い頭痛でクラクラしていた。 シーツが肌を滑る微かな刺激にさえも、肌が粟立つような酷い不快感を覚える。 王国で産まれ、四歳で両親の死によって魔国の親戚に引き取られたエルゼ。 五歳になったあたりから体調を崩すことが多く、今でも調子の良い日は殆どない。 枕元にはいつの間にか従兄のアルベールが座っていた。 青みがかった白銀の髪は朝日に透け、宝石をそのまま嵌め込んだような深く青い瞳。 微笑みを浮かべエルゼを自愛に満ちた瞳で見つめる様は、まるで天使のように美しかった。 アルベールはエルゼの乱れた髪を優しく梳く。 エルゼの銀糸に光が当たるとうっすらと薄色に光り、柔らかな髪がアルベールの指の間を滑る。 「今日も顔色が悪いね。大丈夫かい? 僕の可愛いエルゼ」 アルベールがエルゼの瞳を覗き込む。 その菫色の瞳は、苦痛に揺らめいていた。 「お、兄様……。身体が、また……おかしいの……」 エルゼは知らない。 アルベールの魔力操作が、エルゼの体内の魔力を掻き乱し、内側からエルゼを傷つけていることを。 体内の魔力を、アルベールは更に強引に掻き乱した。 「あ……ぁ……! ぁ……つい……! おにい、さま……変な感じが、するの……っ!」 「可哀想に……。君の体の中で『呪われた魔力』が暴れて、また、『毒』が溜まっているんだね……。僕が今、楽にしてあげるから」 アルベールは痛ましそうに眉をひそめ、エルゼの震える両手を優しく包み込んだ。 魔力暴走をゆっくりと解除し、同時にエルゼの生命力でもある魔力を、自身の体内へと吸い上げていく。 「ぅ……ん……。んんっ……!」 魔力が抜かれ身体には喪失感と脱力が強まり、徐々にドロリとした快楽が忍び寄る。 エルゼの全身が自分の意思に反して淫らに震え、肌は熱を帯びて赤らんでいった。 「ひ……ぁあ……! んっ……あぁ……!!」 「しっ……静かに。こんなに淫らな声を出して、誰かに聞かれでもしたら……。汚らわしいと判断されて、君は幽閉されてしまうかもしれない。辛いだろうが耐えるんだよ。大丈夫。僕はエルゼの味方だから」 エルゼは羞恥に震え、涙を滲ませながらアルベールを見上げる。 (こんなにいやらしい声を上げてしまう







