Share

第4話

Penulis: 緋色の追憶
監禁3日目の午後、鍵が開く音がした。

竜之介がドアの外に立っていた。逆光が、彼の冷たい輪郭を際立たせていたのだった。

竜之介は中には入らず、ただ事務的な口調で告げた。

「北西エリアの特別医療区で、W国の理事が急性心タンポナーデを起こした。ここの外科医は経験が浅い。お前の腕が一番確かだ。手術が成功すれば、お前の異動申請を受理してやる。一週間以内に帰国させる」

綾子は壁にもたれたまま、顔を上げた。

薄暗い部屋のせいで綾子の顔は一層青白く見えた。「条件は?」

「条件はない。これは任務だ」

竜之介の声は淡々としていた。「だが、成功すればお前の望みが叶うだろう」

彼からしてみれば、それ以上言う必要はなかった。

すると、綾子は壁に手をついてゆっくりと立ち上がったが、足が少し痺れていたようだった。

もう辞職を申し出ていたので異動命令を聞く必要はない。でも、医者として目の前で死にかけている患者を見過ごすことはできなかった。

綾子は竜之介を一瞥もせず、そばを通り過ぎて外から差し込む光へと歩いて行った。「案内して」

手術は5時間近くに及んだ。

設備は乏しく、器具も限られている。おまけに、患者の状態も複雑だった。

綾子は左耳の耳鳴りと、時折襲ってくる心臓の痛みを無視して、手術に全神経を集中させた。

そして汗で彼女の前髪がびっしょりと濡れていき、手術が終わる頃には、綾子はほとんど虚脱状態だった。

でも、モニターの安定した数値が手術の成功を告げていたのだった。

そこで、綾子は仮眠用のベッドで休むことを許され、その後の指示を待った。

疲れ果てて、彼女はすぐに深い眠りに落ちた。

次に目を覚ましたのは、外の喧騒が聞こえてきたからだった。

歓声と拍手、そして誰かを表彰するようなアナウンスがはっきりと聞こえてきた。

彼女は体を起こし、狭い通路の出口まで歩いた。

少し離れた広場で、竜之介が美咲の胸に特別な功労賞の勲章をつけているところだった。

美咲は興奮で頬を赤らめながらも上品に、駆けつけたらしい海外メディアのカメラに向かって微笑んでいた。

拡声器を通して、竜之介の冷静で明瞭な声が聞こえてきた。

「安西さんは危機的状況において、その類まれなる勇気と事前に受けた救急医療訓練を活かし、理事の容態安定に貢献しました。そのおかげで、後の手術の成功に繋がったのです……戦場記者として、卓越した勇敢さと専門性を見せてくれました……」

綾子は冷たいドアの枠に寄りかかり、その光景をただ見ていたが、無意識のうちに、指を木のドア枠に食い込ませていたのだった。

短い表彰式が終わり、人々は次第に散っていった。

美咲が綾子のいる方へ歩いてきて、ふと足を止めた。

そして美咲は少しだけ顔を横に向け、綾子の青ざめた顔に視線を落とすと、ふっと微かに口角を上げた。

その目には申し訳なさなどなく、あるのはただ、勝ち誇ったかのような眼差しだった。

そしてすぐに、美咲は早足で竜之介に追いつき、何かを小声で話しかけた。竜之介はそれに小さく頷いた。

今回の功労者について、正式な通知が掲示板に貼り出された。

綾子の名前はどこにもなかった。

手術は「隊長の指揮のもと、医療チーム全体で成功させた」ものとされ、美咲の「決定的な貢献」が大きく称えられていた。

綾子はその掲示物を引き剥がし、手の中で握りつぶすと、まっすぐ司令部へと向かった。

そこで、竜之介は、美咲と大地を交えて何かを話し合っていたのだった。

綾子が部屋に飛び込んでくるのを見て、美咲は少し不安そうな顔になり、竜之介のそばに寄り添った。

竜之介は眉をひそめ、大地に手を振って言った。「先ほど言った通りに進めてくれ」

大地と美咲はドアを閉めて部屋を出て行った。

「どうして?」綾子はくしゃくしゃになった紙を竜之介のデスクに叩きつけた。

綾子の声はかすれていた。でも、ヒステリックではなかった。

竜之介はその紙くずを一瞥すると、椅子の背にもたれかかった。

「どうして、とは何だ?手術は成功し、理事は危険な状態を脱した。最高の結果じゃないか」

「私の名前は?」
Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi

Bab terbaru

  • 癒えない傷痕と、夜明けの約束   第22話

    1年後、とある国の国境近くの小さな町。戦火はこの辺鄙な場所から遠のき、人々の暮らしにもゆっくりと平穏が戻りつつあった。町のはずれには、最近できた小さな診療所があって、白い壁に青い屋根で、簡素ながらも清潔に整えられていた。そして、診療所の入り口には、英語と現地の言葉で書かれた看板が掲げられていた。【星と希望の診療所】そこで、綾子は清潔な白衣をまとい、熱を出した子供を診察していた。綾子の顔色は良く、その眼差しは穏やかで真剣で、左耳には、小さな補聴器がつけられているのだった。継続的な治療と休養のおかげで、彼女の心臓の状態は安定していて、PTSDの症状も、今ではほとんど見られないようになった。彼女はやっと母との約束を守り、しっかりと生きることができたのだ。そして、新たな人生の意義も見つけ出していた。慎吾は診療所の裏庭で、古いテーブルと椅子を修理していた。分厚い戦闘服は脱ぎ捨て、今はシンプルな麻のシャツと長ズボンを身につけている。袖は肘までまくり上げられ、がっしりとした肘より下と、そこに残る薄い傷跡がのぞいていた。その動きは相変わらず無駄がなく正確だった。でも、まとっている雰囲気はずっと柔らかくなっていた。たまに町の子供たちが、興味深そうに垣根の外から慎吾をのぞき込むことがある。そんなとき、慎吾は顔を上げると手元にある彫りかけの木の鳥を、子供たちに向かって振ってみせることもあった。彼のその灰緑色の瞳に、昔ほど険しさもなくなっているのだ。その日、最後の患者を見送ると、綾子はぐっと腕を伸ばした。夕日の残光が窓から差し込み、部屋を暖かく照らしていたのだった。綾子は裏庭へ向かい、ドアの枠に寄りかかった。そして、忙しそうに作業する慎吾の後ろ姿を見つめた。「今日の具合はどうだ?」慎吾は顔を向けずに尋ねた。彼の手は、作業を止めない。「まずまずね。マラリアが再発した人が何人かと、転んで縫合が必要な人が一人。薬はまだ足りてるわ」綾子は慎吾のそばへ歩み寄ると、ごく自然にそばにあった雑巾を手に取った。そして、修理が終わったテーブルの表面を拭き始めた。「あなたは?村長が言ってた、あの浄水装置は直せたの?」「ああ、午後に設置してきた。ついでに、メンテナンスのやり方も教えておいたよ」慎吾は道具を置くと、体を起こした。綾子の手

  • 癒えない傷痕と、夜明けの約束   第21話

    竜之介は、魂が抜けたように東F区の基地に戻ると、オフィスに丸二日間も閉じこもった。綾子の静かで、しかしきっぱりとした眼差しと、慎吾の落ち着いた守るような姿。それが二本の鈍いナイフとなって、ズタズタになった竜之介の心を繰り返し切り刻んでいた。竜之介はそこでようやく自分の本質に気が付いたようだった。自分は、見当違いの責任感と偽りの罪悪感に縛られていただけの、ただの愚か者だったと。いわゆる全体のため、そして約束のためと言いながら、愛する人を犠牲にし続けた臆病者。そして、何が正しくて、何が間違っているのか。そんな簡単な感情さえも見えなくなってしまった、盲目な男だった。そして、それに気が付くと、かつて命よりも大事だと思っていた名誉や指揮官としての責任、輝かしい未来、全てが、今となってはひどく皮肉なものに思えた。だって、それらは全て、綾子が流した血と涙、そして、何度も彼女を切り捨ててきた、その犠牲の上に築かれたものだったからだ。さらに、自分の胸につけている勲章は、どれもこれも、綾子の忍耐と苦しみによって得られたものだ。そう思いながら、竜之介は金庫を開けると、前から準備していた書類を取り出した。それは、自分の行いを全て告発する、詳細な報告書だった。そこには、私情を優先し、職権を乱用して綾子の正当な異動願いを却下したことが、正直に記されていた。個人的な約束を守るために、綾子を何度も危険な状況に追い込んだこと。そして、その過程で状況判断を大きく誤り、指揮官として不適切な判断を下したこと。そして、管理能力の欠如から、美咲の犯罪行為を長い間見過ごし、結果的にそれを助長してしまったこと。部隊に多大な損害と死傷者を出してしまったことまで、全てが書かれていた。そして、彼はそこに自分の名前を書き、拇印を押した。それから竜之介は、最も公式なルートを使い、この報告書を提出した。美咲の事件と、自らの職務怠慢に関する全ての証拠資料も一緒に、監察委員会本部と国連PKO部隊司令部へ送ったのだ。竜之介は自分のために一切弁解せず、ただ公平な判断が下されることだけを望んだ。この報告書は、大きな波紋を呼んだ。美咲の件で、竜之介の評判はすでに地に落ちていた。しかし、彼自身がこれほど徹底的に罪を告白したことで、誰もが衝撃を受けた。調査はすぐに始まり、ま

  • 癒えない傷痕と、夜明けの約束   第20話

    ついに美咲の裁判に決着がついた時、竜之介は、慎吾がわざと残した手がかりをたどり、綾子のおおよその居場所を突き止めた。そこはザンガラと言う国の紛争地帯にある、国際病院だった。竜之介はすぐさま緊急休暇を申請し、あらゆる手を尽くして、大急ぎで現地へ向かった。苦労の末、コンテナとテントでできたその戦場病院の前にたどり着いた時、もう姿は旅の疲れでぼろぼろになり、憔悴しきっていた。そして竜之介は、屋外の流しで医療器具を洗っている綾子の姿を見つけた。綾子は少し痩せていたが、記憶にあるどの瞬間よりも、ずっと顔色が良いように見えた。陽の光が綾子に降り注ぐ中、真剣で穏やかな表情をしていた。時々、隣の現地の看護師と簡単な言葉を交わし、その口元には自然な笑みが浮かんでいた。これほど内からにじみ出るような穏やかさと生命力溢れる綾子は、東F区にいた頃に決して目にすることができなかったのだ。「綾子……」乾いた唇から、かすれた声が漏れた。綾子の手が止まり、ゆっくりと顔を上げた。竜之介の姿を認めた瞬間、綾子の顔から笑みは消えた。しかし、竜之介が想像していたような怒りや恨み、苦しみといった表情は見られなかった。その眼差しはあまりに穏やかで、まるで知らない人か、もうどうでもいい昔の知り合いを見るかのようだった。そして、綾子は手にしていた器具を置くと、手を拭いてから歩み寄り、竜之介から数歩の距離で足を止めた。「何か用なの?」その口調は丁寧だが、よそよそしかった。綾子のその淡々とした態度が、竜之介の胸に棘のように突き刺さった。すると竜之介は一歩踏み出し、焦るように言った。「綾子、全部わかったんだ!美咲のこと、あいつがしたことは全部調べた!俺が馬鹿だった、俺の目が節穴だったんだ!本当にすまなかった!俺は……」だが、「竜之介」綾子は落ち着いた声で竜之介の言葉を遮った。「安西さんは法で裁かれ、罪は公になった。自業自得だわ。私たちについては……」彼女は少し間を置いた。「謝ってもらう必要はない。過去のことは、もう水に流したから」「水に流した?」竜之介は苦痛に顔を歪めた。「どうしてそんなことが言えるんだ?俺はお前にあれほどの仕打ちをして、殺しかけたも同然なんだぞ!綾子、一度だけチャンスをくれ。償わせてほしい、頼む……」「償い?」綾子はわずかに眉を上げ、

  • 癒えない傷痕と、夜明けの約束   第19話

    一方で、厳重に警備された取調室で、美咲は最初、まだ言い逃れようとしていた。涙ながらに戦場記者としての苦労を訴え、これは自分の功績を妬んだ誰かの罠だと非難した。さらに、綾子が愛憎の末に仕掛けた復讐だとまでほのめかした。しかし、通信記録、帳簿、証言、そして「邪魔な医者を始末する」という言葉が録音されたデータなど、動かぬ証拠が次々と目の前に突きつけられると、美咲の防御線は崩壊した。美咲はもうか弱いふりをするのをやめ、歪んで狂気に満ちた、まったく別の顔をのぞかせた。「ええ!私がやったわ!それが何か?」美咲は狂ったような目つきで、甲高い声で笑った。「あの血液や薬品なんて、倉庫に置いておいても期限が切れるだけ!売ればどれだけ儲かるか分かる?それでブランドバッグがいくつ買えて、豪華なホテルに何泊できると思ってるの?戦場記者?命を懸けてあくせく働いたって、はした金にしかならないわ」「それであなたは武装勢力と結託し、情報を売り渡し、その結果、巡回部隊が何度も奇襲を受け、多くの死傷者が出たのですね?」取調官は冷たく美咲を見つめた。「彼らが馬鹿なだけでしょ!」美咲は鼻で笑った。「戦場なんて、死ぬためにいるようなものでしょ?彼らの命にどれくらいの価値があるっていうの?私の独占取材や深層レポートと引き換えになれるんだから、むしろ光栄に思うべきよ!私が情報を提供しなければ、彼らが簡単に戦闘シーンを撮影できたとでも?国際的な賞を取れたと思う?」「田村先生の拉致と殺害を指示、あるいは計画したのはあなたですか?」「田村先生?」美咲の顔に根性の悪い笑みが浮かんだ。「あの自信過剰な女!なんなのは、なんで竜之介さんの隣にいるのよ?なんでみんなから尊敬されるわけ?ただの医者のくせに!彼女には死んでほしかったのよ!一回目で成功しなかったのは、運が良かっただけ!二回目の人質交換なんて、絶好のチャンスだったのに……あははは、残念ながら、また逃げられちゃった!本当にしぶとい女!」美咲は言うほどに興奮し、身振り手振りを交えてまくし立てた。「竜之介さんは本当に見る目がないわ!大馬鹿よ!私が兄の哀れな恩をちょっと利用しただけで、竜之介さんは私の言いなり!私が東と言えば西には行けないのよ!私が涙を少しこぼせば、彼は世界中が私に申し訳ないことをしたって思うの!田村先生な

  • 癒えない傷痕と、夜明けの約束   第18話

    竜之介が匿名で証拠を受け取り、極秘に内部調査を開始したのと同じ頃、綾子と慎吾の側でも、決定的な突破口を見出していた。慎吾は秘密裏に動く仲介人を通して、『ナイチンゲール』グループの元下っ端メンバーだった裏切り者と接触した。その男は分け前のことで揉めて、口封じで殺されるのを恐れていた。だから、身の安全と新しい身分と引き換えに情報提供を申し出たのだ。そして、彼が差し出したのは、隠されていた通信記録と帳簿の一部だった。そこには、美咲がグループのリーダーと何度も連絡を取り合っていたことがはっきりと記録されていた。内容は、「取材の便宜」や「身の安全」を約束してもらう代わりに、PKO部隊の巡回ルートと時間を提供すること。特定の医療物資を「紛失」させて「転売」する手はずを整えること。そして邪魔者を排除するための「不慮の事故」を画策することまで。さらに、指揮官である竜之介の「罪悪感と保護欲」を利用して、自分の地位を固め、より多くの利益を得る方法についても話し合われていた。綾子はこれらの証拠を見て、手足が氷のように冷たくなった。ある程度は覚悟していたけど、自分が何度も死にかけたのがこんな悪意に満ちた計算のせいだったと目の当たりにすると、身に染みる悪寒を感じずにはいられなかったのだ。それ以上に綾子を怒らせたのは、美咲が情報を売ったせいで命を落とした若い隊員たちや物資が横流しされたせいで治療を受けられなかった負傷者たちのことだ。彼らの命は、強欲な人間たちにとって、ただの取引材料にされてしまっていたのだ。「この証拠があれば、安西を法廷に立たせるには十分だ」慎吾は資料をまとめながら、重々しく言った。「彼女だけじゃない」綾子の声には、抑えきれない怒りがこもっていた。「その背後にいる密輸ネットワークの全て、そして基地内にいるかもしれない他の内通者もよ」「どうするつもりだ?」慎吾が尋ねた。「夏川に渡すのか?」綾子は少し黙ってから、首を横に振った。「竜之介に直接渡しても、一番効果的な方法とは限らないわ。彼は公平に処理するかもしれないけど、彼の昔の部下や……彼自身の過ちが関わっているから、抵抗があるかもしれない。それに、私はこの件はもっと公にされた、決してもみ消せない結末を迎えるべきだと思っているの」そう言って綾子は顔を上げて慎吾を見た。「確か

  • 癒えない傷痕と、夜明けの約束   第17話

    そして、彼女の自分に対する、感謝の気持ちを通り越した執着と、日に日に強くなる独占欲を思い返してみると……恐ろしい考えが、だんだんと竜之介の頭の片隅から浮き上がってきた。自分が今まで美咲を守り、甘やかしてきたことは、綾子を傷つけただけじゃない。もしかしたら、ずっと危険な人物を傍に置いていたのかもしれない。そう思って竜之介は、美咲が基地に入ってからのすべての出入り記録、物資申請記録、外出届をデータから引き出し、綿密な照合を始めた。同時に、自らの権限を使い、過去にあった不審な襲撃事件や、物資が異常に紛失した件について、極秘に調査を開始した。そして、調べれば調べるほど、疑わしい点が増えていった。美咲の行動の多くは、一見すると無鉄砲で衝動的に見える。しかし、何かの作戦の隠れ蓑にしたり、意図的に混乱を引き起こしたりするためだったと考えると、つじつまが合ってしまうのだ。美咲が現地の情報源として使っていた人物の中には素性の怪しい者もいて、すでに把握されている武装密輸組織と、深いつながりを持っていた。それがわかると竜之介の心は、底なし沼に沈んでいくように、どんどん重くなっていった。もしこの疑いが本当なら、自分はまんまと利用されていたことになる。そして自分は気が付かないうちに、綾子を裏切っただけでなく、部隊の利益を損ない、仲間の命を危険にさらした共犯者になってしまったことにもなるのだ。その時、竜之介の暗号化されたメールボックスに、見知らぬアドレスから一通のメールが届いた。メールに本文はなく、暗号化された添付ファイルがいくつかあるだけだった。差出人は匿名だ。竜之介は警戒しながらファイルをダウンロードし、何重にもかけられたパスワードを入力すると、ファイルが開いた。中には、大量の写真、音声の書き起こしテキスト、資金の流れを示す記録の一部、そしていくつかの分析レポートが入っていた。その内容は衝撃的だった。コードネーム『ナイチンゲール』と呼ばれる密輸ネットワークが、東F区で活動していることをはっきりと示すものだった。幾度となく起きた物資の異常な紛失と、美咲の活動エリアが重なっていることの分析。数回の襲撃事件の前後における、美咲、もしくはそのアシスタントと、不明な相手との通信記録。さらには、音質は悪いが聞き取れる音声データもあった。そ

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status