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第1675話

作者: 栄子
それを聞くと、咲希はくるりと背を向けて出て行った。

悠翔は由美子に会釈すると、後を追うように楽屋を出て行った。

そして、楽屋を出ると、悠翔は安人にラインを送った。『安人さん、彼女さんが殴られたんだけど、どうする?』

……

一方、その時楽屋には、桜と由美子だけが残った。

「咲希とは、トラブルがあるの?」

桜はまつ毛を震わせ、頷いた。「まあ……お互い、気に入らないってところです」

それを聞いて、由美子は眉をひそめた。「それなら、叩かれて腹が立たないの?」

「そのときは役に入り込んでたから、平気でした」桜は頬をさすり、正直に答えた。「でも、今はすごく腹が立ってます!」

その素直な反応に、由美子は思わず笑みをこぼした。桜を見つめ、ふっと息をつく。「あなたは筋がいいわ。でも、その性格じゃ損をするわよ」

桜は唇を引き結び、何も言わなかった。

咲希に叩かれたとき、彼女は役になりきっていた。だから、咄嗟の反応もすべて役としてのものだった。演技が終わってから、ようやく気づいたのだ。咲希は、わざと自分を叩いたのだと!

そして、叩かれた頬は、今もじんじんと熱をもって痛むのだ。

桜は
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